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[レポート] Gemini Cloud Assist でクラウド運用と管理に変革を #GoogleCloudNext
ウィスキー、シガー、パイプをこよなく愛する大栗です。
ラスベガスで開催された Google Cloud Next 2025 に参加してきました。生成 AI を使って運用や管理を変えていくというセッションがあったのでレポートします。
Transform cloud operations and management with generative AI
Transform cloud operations and management with generative AI
概要
クラウド運用と管理を革新する AI の画期的な機能を見つけて下さい。Gemini Cloud Assist の概要をご紹介し、AI を活用したクラウド管理体験を実現する方法を説明します。Gemini Cloud Assist は、AIの洞察を活用してアプリケーションの設計と展開を高速化し、問題のトラブルシューティングを効率化し、インテリジェントな推奨事項を通じてパフォーマンスとコストを最適化します。Google Cloudの各種製品との新たな機能と統合をデモでご紹介し、クラウド管理体験を根本から変革する方法を示します。
登壇者
- Bobby Allen
- Group Product Manager
- Google Cloud
- Ryan Ismert
- Product Manager
- Google Cloud
- Afrina M
- Product Manager
- Google Cloud
The AI Journey
休暇の旅行に関するトラブルエピソードを引き合いに出して、エンタープライズでは大胆な目標へたどり着くためには長い時間がかかる事を訴えます。
クラウドと AI を比較してみます。クラウドは美しい目的ですがたどり着けるか分かりません。AI はどこにも繋がらない道がチャットボットで舗装されています。
AI はクラウドの上に築かれたものです。3つの教訓をお伝えし、より良くする方法を後のプロダクトマネージャーがお話します。
- 新しいものが全て良いわけではなく、古いものがすべて悪いわけではありません。
- できる限り学びますが、知っていることを忘れないでください。
- AI は「もの」ではありません。AI はものを「より良くするもの」です。
Your Gen AI assistant
我々の目標は、安全で効率的、回復力があり、ビジネス上の約束を果たすエンタープライズグレードのアプリケーションを作成することです。お客様のクラウド環境が大きくなるに連れ、我々の環境も複雑になっています。膨大な数のアプリケーションとサービスを管理しており、多数のプロジェクトに分散することになり、ガバナンス、効率性、費用対効果で課題が出てきます。生成 AI とアプリケーション中心の管理機能が Google Cloud で役立ちます。
AppHub、Application Design Center、CloudHub Application Monitoring、Cost Explorer などがありますが、特に Gemini Cloud Assist について話します。Gemini Cloud Assist は Gemini for Google Cloud の一部で企業全体で生成 AI アシスタントを提供します。Google の世界クラスのインフラストラクチャ上に構築されており、最先端の Gemini モデルが組み込まれています。エンタープライズ対応でデータプライバシー管理が含まれておりユーザー操作は基盤モデルのトレーニングに使用されません。
Gemini Cloud Assist を Google Cloud の体験の中心に置き、クラウド環境の設計、運用、最適化を支援します。アプリケーションライフサイクル全体にわたって支援するために4つの重要な機能を提供します。
- 自然言語チャット
- コンソールスマートアクション
- Cloud Assist 調査
- 設計インテグレーション
Gemini Cloud Assist は Gemini Cloud Assist API を有効にすればすぐに利用できます。増加した機能を使用するためには Cloud Asset API、Cloud Monitoring API、Service Health API、Recommender API などの追加の API も有効にする必要があります。注意点として Gemini Cloud Assist は現在プレビュー製品です。早期アクセスを試すためにサインアップが必要です。またプレビュー期間中はすべての機能を追加料金無しで利用できます。
Evolving App-centricity
Google Cloud における組織のコアユニットはプロジェクトでした。しかし皆さんはプロジェクトではなくアプリケーションの観点から物事を見ています。自分のアプリケーションのコストや健全性を確認しています。そのためアプローチを進化させて、プロジェクトを超えてアプリケーションという概念を導入しているのです。
アプリケーションにとって重要なことは、第一に境界を定義します。境界とはビジネスアプリケーションをどの様に考えているか顧客がどの様に見えるか、ビジネスの健全性をどう確認するのかなどを理解可能にします。第二に Gemini Cloud Assist と生成 AI アシスタントが皆さんを支援する時に AI へコンテキストを与えなければなりません。AI がどのスコープを見る必要があるか理解を助けるために、境界を定義し、スコープを定義すると、生成 AI の分析、仮説、観察、回答がより役立つようになります。
まずは既存のサービスやワークロードを AppHub に登録します。AppHub は正式な ID を与えてアプリケーションを定義できます。次にアプリ中心の管理を行うための Application Design Center を導入しています。既存アプリがなくゼロから何かを構築する場合には Application Design Center でアプリケーションインフラストラクチャーテンプレートを作成できます。
Application Design Centerは、ローコードのビジュアルキャンバスである新しいツールです。サービスを主導で追加することも、Gemini Cloud Assist を使用することも可能です。Terraform のコードを確認することもできます。アプリケーションテンプレートを作成したらインフラストラクチャーチームへ渡せます。Application Design Center からアプリケーションをデプロイすると、AppHub に自動登録されます。
Gemini Cloud Assist はアプリケーションのコスト理解も簡単にします。請求レポートをくまなく調べる必要はなく、チャットパネルで「コストを節約するにはどうすればよいか?」「そのための推奨事項は何か?」「この特定のプロジェクトのコストはいくらだったか?」などの質問を行えます。また Cloud Hub で最適化ボードやコストサマリーなども提供しています。
生成 AI が変革している最も重要な要素は、可観測性とトラブルシューティングです。より速い MTTR を実現するためです。アプリケーション境界の定義を使用して AI に提供されるコンテキストで実現されます。
Application Monitoring のページではすべての可観測性データがグループ化されています。ログ、メトリクス、トレースがアプリケーションごとにグループ化されます。ここではアプリケーションのゴールデンシグナルを表示して、アプリケーションごとにアラートを表示して、更にドリルダウンできます。
調査(Investigate) をクリックすると Gemini Investigation Agent が表示されます。ログエントリから始めると、Gemini がエラーを理解するために必要なすべてのエラーメッセージが入力されます。クリックすると分析を開始し、仮説を始めます。Gemini で解決できない場合でもサポートへチケットを簡単に渡せるため、提供するデータの確認から始める必要はありません。
常に進行中の調査をチームと共有するために Google Cloud モバイルアプリでも調査状況を確認できる機能をローンチしました。
さいごに
常々、Google Cloud をいかに楽に運用できるかがエンドユーザーが運用に対するイニシアチブを握れるかに直結すると考えてました。クラウドの良さはセルフサービスで IT システム ライフサイクルを回せることだと思っていますが、今までは専門家の助言なしでは運用が難しい点がありました。Gemini Cloud Assist の拡充により、アプリケーション インフラストラクチャーの設計とデプロイ、Investigations によるトラブルシューティング支援、FinOps Hub 2.0 によるコスト最適化のインサイトなど様々な点で IT システム ライフサイクル全体がサポートされます。今後 Google Cloud を利用するうえで必須となる機能だと思われますので、今後もアップデートを追っていきたいと思います。