【Gemini × NotebookLM】 スライド作成から案内文まで、AIと社内説明会の準備を進めてみた

【Gemini × NotebookLM】 スライド作成から案内文まで、AIと社内説明会の準備を進めてみた

スライド作成はGemini、台本等はNotebookLMとAIごとの特性に応じて役割分担。AIに土台を作らせて人間は修正と指示(ディレクション)をする。今、目の前にある仕事にAIを取り入れてみた。
2025.12.15

クラウド事業本部 オペレーション部 カスタマーサポートグループ アカウントチーム の chicca です。
他部署を巻き込む業務フロー改善の社内説明会の準備に AI を活用してみました。
Gemini と NotebookLM を組み合わせることで、準備時間を削減できました。

わたしの試行錯誤をご覧ください。

※この作業は2025年11月上旬に行いました。現在は画面の表示などの仕様が変更されている可能性があります。

1:はじめに

前提として、今回のターゲットとなる「業務依頼フロー改善」の概要を整理しておきます。

  • 登場チーム:アカウントチーム、営業チーム、営業アシスタントチーム
  • 従来の依頼フローの課題点:
    • Backlogを利用していたが、Backlog利用権限が特定チームに限定され、確認の二度手間が発生していた
    • 依頼時期(タイミング)に焦点をあてていたため、着手から納期までに時間がかかる作業があった
  • 改善内容:
    • 営業チームからアカウントチームへの業務依頼をひとつのツール(Slack)で完結させ、迅速に対応をする
    • 依頼内容そのものを見直し、納期を短縮する

この改善を通じ、将来的には業務がスケールできる体制を整えることを目的としています。

2:AI と社内説明会の準備をする

ここからは説明会の準備にどのように AI を利用したかを解説します。

今までは以下のように準備していました。

  1. 議事録や改善内容をまとめたチーム内のメモを読み込む
  2. その中から要点を抽出してスライドのレイアウトを考える(時間がかかる⓵)
  3. レイアウトに合わせてスライドを作成する(時間がかかる⓶)
  4. 説明会の開催を案内する
  5. 説明会時のスクリプトを作成する
  6. Q&Aを想定して答えを用意する
  7. 説明会(発表)の練習をする

この準備作業を AI にお任せします。それぞれの特性から分担を以下のように決めました。

  • Gemini:スライド作成担当(1.~3.)
  • NotebookLM:案内文・スクリプト・Q&A担当(4.~6.)

STEP1:(Gemini)スライドを作成する

一番時間がかかるスライド作成です。AI でやってみます。

  1. 議事録や改善内容をまとめたチーム内のメモを Notion から PDF に書き出して Gemini にアップロード
  2. 以下のプロンプトを入力する
私はアカウントチームのメンバーです。
業務依頼フロー変更の改善をしています。改善内容を営業チーム向けに説明会を実施します。
説明会資料を作成して下さい。
資料作成のために不足している情報があれば聞いてください。

プロンプトでは出力形式を指定していませんが、結果は Google Slides に出力できました。
実際に作成されたスライドのプレビューです。
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2025-12-14_23h06_19
全体的によくできていますが、フロー図は反映されませんでした。
ここを調整します。

mermaidで記述したフロー図をスライドで表示する方法を考えてください。

Gemini の回答:

Mermaidで記述された図をスライドに表示する方法ですね。承知いたしました。
MermaidはJavaScriptライブラリを使用してブラウザ上で動的に図を描画するため、静的なスライドに表示するには、スライドのHTMLファイルにそのライブラリを読み込む必要があります。
先ほど作成したスライド資料(flow_update_briefing.html)を更新し、ご提示いただいたシーケンス図を「フロー詳細(1)」のスライド(7枚目)の次に、新しいスライド(8枚目)として追加しました。
具体的な対応は以下の通りです。
HTMLの<head>セクションに、Mermaid.jsライブラリ本体を読み込む<script>タグを追加しました。
(以下省略)

と、いうことでしたが、コードがそのままテキストとして記述されただけで、図を表示させることはできませんでした。
2025-12-14_23h06_58
ここは切り替えて、Notion からスクショの形で貼り付けることにしました。
Gemini の画面にある「スライドにエクスポート」を押して Google ドライブに保存します。

ここまでの作業時間は約30分。作業時間を劇的に削減することができました。
準備作業の峠を越えてひと安心。

STEP2:スライドの修正をする

構成とレイアウトはそのまま利用できるので、文言の細かい修正をします。
ここはスライドを開いて直接修正しました。

STEP3:(Gemini)必要な情報をレビューする

Gemini に「この資料をよくするためにどうしたらいいか」を聞いたところ、「依頼作業ごとのフロー図を追加すべき」という答えが返ってきました。
先ほどプロンプトだけでは直接反映できなかった部分です。

フロー図は以前自分で記載したものを参考にしながら作成しました。
完成したものをスライドに貼り付けたら色合いがほかのページと合いません。Mermaid のコードを Gemini に渡してベースを青色に変更してもらいました。
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STEP4:(NotebookLM)説明会開催の案内文を作成する

説明会開催を Slack で営業チーム向けにアナウンスします。
NotebookLM に完成したスライドをソースとして追加し、案内文を作成します。

このスライドの内容で説明会を開催します。アナウンス用の案内文を作成してください。アナウンスはSlackを利用します。Slackにそのまま貼り付けできる形式で出力してください

NotebookLM の回答:

ご提示いただいたスライド資料に基づき、営業チームおよび営業アシスタントチームに向けた、管理アカウント申込フロー変更説明会の案内文を作成しました。
Slackに投稿することを想定し、メンションや箇条書き、絵文字を使用した形式にしています。`[ ]` で囲った部分は、実際の開催時間やZoom URL等を補完してご利用ください。

***
  業務依頼フローについて、**2025年11月17日より**運用を大きく変更いたします。
  これに伴い、以下の通り説明会を実施しますので、ご参加をお願いいたします。

  **📅 開催概要**
  *   **日時:** 2025年11月7日(金) [開始時間] 〜 [終了時間]
  *   **対象:** 営業チーム、営業アシスタントチーム
  *   **場所:** [Zoom/Google Meet URLなど]
  *   **資料:** [スライドのURLをここに貼る]

  **📝 アジェンダ**
  1.  **なぜフローを変更するのか?**
  (以下省略)

生成された案内文に必要な情報を入力すれば完成です。

説明会は録画しますが、当日スムーズに進行できるように「動画解説」を生成して案内文と一緒に Slack に投下します。

動画概要のプロンプト:

わたしはアカウントチームのメンバーです。
アカウントチームは[業務A], [業務B], [業務C]の作業をしているチームです
請求作業はしていません
業務依頼フロー変更の改善をしています。改善内容を営業チーム向けに説明会を実施します。
これまではBacklogで受け付けていたヒアリングをSlack WFに移行します
ほかにも改善をしています
 ・説明会資料を作成しました。説明概要を5分間にまとめて下さい。
 ・わかりやすく、シンプルな内容にしてください
 ・作成した動画と説明会資料を読めば、変更点がわかるように説明してください

動画作成後はプロンプトを確認できないので、Studioの「メモを追加」に残しておきます。
出来上がった動画をみて重点的に解説したいポイントを調整します。
最終的に上記のプロンプトと「かわいい」モードで動画解説が完成しました。
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STEP5:(NotebookLM)当日のスクリプトを用意する

当日用のスクリプトも作成しておきます。

このスライドの内容で説明会を実施します。スクリプト(台本)を作成してください

NotebookLM の回答:

ご提示いただいたスライド資料に基づき、説明会用のスクリプト(台本)を作成しました。 発表者がスライドを順に送りながら話す想定で構成しています。【 】内はスライド番号や発表者へのト書きです。適宜、ご自身の言葉になおしてご活用ください。
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業務依頼フロー変更説明会 台本
【Slide 1: タイトル】 お疲れ様です。アカウントチームです。 本日はお忙しい中お集まりいただきありがとうございます。 これより「業務依頼フロー変更 説明会」を始めさせていただきます。 本日は、営業チームおよび営業アシスタントチームの皆様を対象に、来たる2025年11月17日より変更となる新しい運用フローについてご説明いたします。
(以下省略)

各ページごとにスクリプトができました。
全体を読んでどれくらい時間がかかるか発表の練習をします。

ただ、私はその時の雰囲気に合わせて発表する派なので、当日はスクリプトを読みませんでした。
説明するポイントは整理できているので、そこを外さないようにすれば大丈夫。(適当)

STEP6:(NotebookLM)Q&Aを想定して答えを用意する

当日慌てずにすむよう、想定Q&Aを用意しておきます。備えあれば患いなし。

説明会で営業チームからされそうな質問を10個用意して

NotebookLMの回答:

Q1. 現在Backlogでやり取りしている進行中の案件は、切替日以降どうなりますか?再申請が必要ですか?
想定回答: 再申請は不要です。これまでの方法で起票されたものは、そのまま完了まで対応します。切替日以降の「新規」依頼からSlack WFをご利用ください。
(以下省略)

このような形で数回想定Q&Aを作成してもらいます。
想定Q&Aをもとにスライドに伝わりづらい点がないかも確認しておきます。

以上が今回の準備作業になります。

なんかうまくできた。

3:「うまくできた」を考察する

ブログを書くにあたり、STEP1で利用したチャットでのやりとりのまとめを Gemini に依頼したところプロンプトに対する AI の挙動が分析できました。

私のシンプルなプロンプトは、Gemini に以下の指示として伝わっていたようです。
①立場の明確化
「私はアカウントチームのメンバーです。」と書くことで「アカウントチーム(管理側)」視点で書かせ、「お願いする側」のトーン&マナーを引き出す
②ターゲットと目的の設定
議事録や改善内容をまとめたチーム内のメモをソースとしているので、資料内での文脈が一致していない箇所があるが、「営業チーム向け」と指定することで、「営業担当者が何をすればいいか(To-Do)」を中心にした構成にするよう誘導
③成果物の定義
「説明会資料を作って」という指示が、アウトプットの形式(スライド)を決定

AI がわかりやすい指示ができてたみたいです。
スライドには自動で「カード型レイアウト」や「タイムライン」を選択してくれましたが、これはプロンプトで「説明会資料」という目的を明確に伝えていたため、AI が「比較やスケジュールが必要だ」と判断した結果です。

次に、「Gemini でスライド作成」において完璧を目指さなかったことも成功ポイントです。
作業時間短縮のために、AI で最後まで仕上げることにこだわりませんでした。

準備にかかった時間を振り返ります。
STEP1(スライドを作成する):30分
STEP2 と STEP3(スライドの修正とフロー図作成):3時間
STEP4~STEP6(説明会の準備):2時間

きっちり計測していたわけではないですが、日報を確認してだいたいこんな感じです。
AI を使わなかったらSTEP1~STEP3のスライド作成に10時間ほどかかっていたはずです。ここだけで約70%、作業時間を短縮できました。
この中で最も時間がかかった作業はフロー図の作成です。フロー図の作成は7種類と量が多かったことに加え、AI の利用が少なかった作業でもあります。

一方で、STEP4~STEP6では数回プロンプトを調整し再試行しているので、次回はもっと時間を短縮できそうです。

4:さいごに

Gemini で Google Slides が作成できるようになったから、とりあえず使ってみたらすごく便利でした。
この機能だけで執筆しようと思ったんですが、せっかくなので NotebookLM を組み合わせて準備全体が効率化できたブログにしました。

わたしの場合は、自分が苦手としている作業と AI ができる作業が合致してパフォーマンスが上がっている気がします。

ほかの業務、例えばお客様へのメール返信文を同僚に褒められる機会が増えました。「実はそれ AI です、なんかごめんなさい」と、心の中でそっとつぶやいてます。

AI を利用しても人間のファクトチェックは必須なので、それができている自分を良しとしよう。

このブログがどなたかの参考になれば幸いです。
長文を読んでいただき、ありがとうございました。

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