Google Agentspace が一般提供になったのでフリートライアルで試してみました

Google Agentspace が一般提供になったのでフリートライアルで試してみました

企業内のエンタープライズサーチと AI アシスタント、AI エージェントを利用できるプラットフォーム Google Agentspace が一般提供になりました。30 日のフリートライアルがあるため無料で試すことができます。

ウィスキー、シガー、パイプをこよなく愛する大栗です。

先日 Google Agentspace が一般提供を開始しました。初めて Agentspace を触ってみる方に向けてフリートライアルで試してみます。

Google Agentspace release notes July 31, 2025

Agentspace とは

Agentspace はエンタープライズ グレードのセキュリティ、プライバシー、コンプライアンスに対応した企業向け検索、アシスタント、エージェントの統合プラットフォームです。企業内で利用される SaaS などのアプリと簡単に接続して Agentspace でマルチモーダルに検索して、AI エージェントに計画、推論、アクションなどを行わせることができます。また企業向け NotebookLM である NotebookLM Enterprise のライセンスも含まれています。

管理者が Google データソースやサードパーティのデータソースを Agentspace と接続して、ユーザーは AI アシスタントを通してデータソースを検索して様々なアクションを行い結果を得ます。

agentspace-overview

"Agentspace overview" Google. 2025-08-01
"https://cloud.google.com/agentspace/docs/editions#compare-features"

Agentspace の各種機能は Google Cloud Next '25 のセッションレポートを御覧ください。

https://dev.classmethod.jp/articles/whats-new-with-google-agentspace-brk2-217/

各種エディション

Agentspace のライセンスには各種エディションがあります。Agentspace Frontline は現場スタッフのために提供されており、基本的にデータの参照を行うエディションとなっています。また Agentspace Frontline エディションを購入するには、少なくとも 50 人の Agentspace Enterprise エディション ユーザーが必要です。また年間ライセンスで購入すると 15% 割引になります。

  • Agentspace Enterprise
  • Agentspace Enterprise Plus
  • Agentspace Frontline
Agentspace Enterprise Agentspace Enterprise Plus Agentspace Frontline
シート数 50 ユーザー以上 50 ユーザー以上 150 ユーザー以上(Enterprise または Enterprise Plus エディションも 50 ユーザー以上必要)
ユーザーあたりの1ヶ月あたりのストレージとデータインデックス作成 30 GiB プールされる 75 GiB プールされる Enterprise に 2 GiB プールされる
料金 $25 $45 要問合せ

詳細なエディションごとの違いは以下のドキュメントを参照ください。

Compare editions of Google Agentspace

なお NotebookLM Enterprise は単体でも購入可能で $9 となっており、最小 15 最大 5,000 ライセンスまで購入可能です。

対応データソース

データソースは Google が提供しているものとサードパーティに別れます。データソースから Agentspace のデータストアに取り込み(インデックス作成)する場合とデータフェデレーションとしてインデックスを作成しない場合があります。

Google データソース

https://cloud.google.com/agentspace/agentspace-enterprise/docs/create-data-store

  • BigQuery からインポート
  • Cloud Storage からインポート
  • Google Drive との同期
  • Gmail との同期 (Public preview)
  • Google Sites との同期 (Public preview)
  • Google Calendar との同期 (Public preview)
  • Google Groups との同期 (Public preview)
  • 人物データとの同期
  • カスタムソースから人物データをインポート (Public preview)
  • NotebookLM Enterprise を検索ソースとして有効化 (Public preview)
  • Cloud SQL からインポート
  • Spanner からインポート (Public preview)
  • Firestore からインポート
  • Bigtable からインポート (Public preview)
  • AlloyDB for PostgreSQL からインポート (Public preview)
  • AlloyDB for PostgreSQL からデータ接続 (Preview)
  • Terraform を使用したデータソースの作成

サードパーティ データソース

https://cloud.google.com/agentspace/agentspace-enterprise/docs/connect-third-party-data-source

サポートされているもの
  • Confluence Cloud への接続
  • Jira Cloud への接続
  • Microsoft Entra ID への接続
  • Microsoft OneDrive への接続
  • Microsoft Outlook への接続
  • Microsoft SharePoint Online への接続
  • ServiceNow への接続
プレビュー

プレビュー中のデータソースを接続するには、許可リストへの追加が必要です。

  • Adobe Experience Manager への接続
  • AODocs への接続 (追加の許可リスト)
  • Asana への接続
  • Box への接続
  • Coda への接続
  • Confluence Data Center On-premises への接続
  • DocuSign への接続
  • Dropbox への接続
  • Jira Data Center On-premises への接続
  • Marketo Cloud への接続
  • Microsoft SharePoint Data Center On-premises への接続
  • Microsoft Teams への接続
  • Monday への接続
  • Notion への接続 (追加の許可リスト)
  • Okta への接続
  • Salesforce への接続
  • Slack への接続
  • WordPress への接続
  • Workday への接続
  • Zendesk への接続 (追加の許可リスト)

やってみる

実際に Agentspace をフリートライアルのライセンスで試してみます。

今回は社内データを元にした質問回答だけのいわゆる RAG(Retrieval-Augmented Generation、検索拡張生成)のような利用方法ですが、本来の Agentspace は RAG だけでなく AI エージェントを活用したアクションの自動化も含まれます。

事前準備

Agentspace コンソールを開き、Agentspace の Manage をクリックします。

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初めてアクセスする場合には以下の画面が表示されるのでContinue and activate the APIをクリックします。

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API が有効になると AI Applications の画面に遷移します。

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[設定]‐[認証] でglobalの編集アイコンをクリックします。

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ID プロバイダでGoogle Identityを選択してSaveをクリックします。

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[設定]‐[ライセンス] でマルチリージョンにglobalを選択します。そして登録を追加をクリックします。

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Agentspace Enterprise Plus 無料トライアルを選択して追加をクリックします。

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無料トライアル(試用期間)の終了時に 自動的に請求が開始されることはありません。 yesを入力して確認をクリックします。

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フリートライアルのライセンスが払い出されました。

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アプリの作成

[アプリ] でアプリを作成するまたは新しいアプリを作成をクリックします。

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Agentspace の作成をクリックします。

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任意のアプリ名を入力して、ライセンスを登録した場所を選択して、任意の社外向け社名を入力します。そして作成をクリックします。

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アプリが作成されました。

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データストアの作成

データストアの作成をクリックします。

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検索キーワードにCloudを入力して、Cloud Storage のSelectをクリックします。

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インポートするデータで非構造化ドキュメント(PDF、HTML、TXT など)を選択して、同期の頻度で1 回限りを選択して、インポートするフォルダでcloud-samples-data/gen-app-builder/search/cymbal-bank-employeeを入力して続行をクリックします。Cloud Storage のcloud-samples-data/gen-app-builder/search/cymbal-bank-employeeにはサンプルデータが入っています。

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任意のデータストア名を入力して、作成をクリックします。

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データストアが作成されました。データストアのインポート完了まで数分待ちます。

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インポート完了後にデータストアの詳細を確認すると以下のように表示されます。

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検索 Web アプリの構成と利用

作成したアプリの[構成]-[検索 UI]を表示します。

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右側のプレビューペインでビジネス出張を予約するにはどうすればいいですか?と質問してみます。するとサンプルデータのファイルの内容を元に回答します。

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Cymbal Bankを設立したのは誰ですか?と聞いてみます。

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UI をモバイル ビューに切り替えてCymbal Bankの本社はどこにありますか?と聞いてみます。

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作成したアプリの[統合]-[ウェブアプリ]を表示します。ウェブアプリの有効化が有効化されていることを確認して、ウェブアプリへのリンクの URL をコピーします。

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コピーした URL をブラウザで開きます。

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個別のファイルを使用できます。

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各種ツールの利用も可能です。

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使用するデータソースを選択できます。

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データソースを使用せずに質問してみます。

データソースをすべて無効にします。

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ビジネス出張を予約するにはどうすればいいですか?と質問すると、Cymbal Bank のルールではなく一般的な内容を回答します。

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このように企業内データを使用したり、使用しなかったりした場合でも回答可能です。

さいごに

Google Cloud が一般のユーザーに対して、簡単に AI エージェントを利用できるサービスとして送り出した Agentspace がついに一般提供となりました。今回は企業内データのエンタープライズサーチ+ RAG のような使い方だけでしたが、次回以降は AI エージェントによるアクションなども検証したいと思います。

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