海外からのITエンジニア採用をやってみた

海外からのITエンジニア採用をやってみた

昨年から本格的に人材エージェントを介した海外からのITエンジニア採用に挑戦しています。この貴重な経験を通して感じたことを、社内にも社外にも多くの方にぜひお伝えしたいと思いました。
Clock Icon2019.09.11

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西澤です。これまでも海外オフィスの現地法人やグループ会社、または、紹介等での採用実績はありましたが、クラスメソッドジャパンでも昨年から本格的に人材エージェントを介した海外からのITエンジニア採用に挑戦しています。この貴重な経験を通して感じたことを、社内にも社外にも多くの方にぜひお伝えしたいと思いました。

背景

日本のITエンジニア市場は人不足であることは明らかで、且つ、日本の労働人口の減少により、それに拍車がかかることは間違いありません。クラスメソッドでも積極的に国内の採用活動は進めており、順調にメンバーは増え続けているものの、まだまだ優秀なエンジニアが必要です。そのような背景の中で、多様性を受け入れる土壌があり、新しい試みを奨励するカルチャーにも後押しされ、海外からのITエンジニア採用に挑戦することになりました。去年初めて韓国の採用イベントに参加させていただいたことをきっかけに、今年はベトナム、インドでの採用にも関わることになりました。

選考の基準について

基本的には、人材エージェントを介して現地で日本で働きたいエンジニアを集めてもらい、そこでクラスメソッドに合う人材を探しました。通常の選考と比較して関わる人数を絞らざるを得ないこともあり、以下の点に特に注意をして選考を進めました。

会社のカルチャーにフィットするキャラクターや考え方、行動力の持ち主であること

  • スキルマッチではなく、カルチャーにマッチすることが重要であると考えました
  • スキルのミスマッチは後からカバーできますが、カルチャーのアンマッチは双方にとって不幸でしかありません

語学力(日本語力)ではなく、コミュニケーションスキルが高いこと

  • 日本語力も確かに重要なのですが、語学力そのものよりも、その人の持つ人柄やコミュニケーションスキルが重要であると考えました
  • 困ったときに自ら助けを求めることができ、また、周囲に助けたいと思わせるキャラクターの持ち主である方が、結果的に適応が早いのではないかと考えました

新しい環境に挑戦する気持ち、向上心が強いこと

  • これはクラスメソッドのカルチャーの1つでもあり、また、育った国とはまた別の環境で仕事をするという困難に立ち向かえるマインドと覚悟が重要だと考えました

日本が好きなこと

  • 日本に馴染み、長く働いてもらう為には、日本のことがより好きな方が良いだろうと考えました

これらの方針はすべて事前に決まっていたかというと、必ずしもそうではありません。正直手探りながら選考を進める中でこのような方針が固まっていったというのが正直なところです。母国語の異なる方たちにとって、日本語は特に習得が難しい言語の1つと言われていますが、そのハンデを乗り越えられる方を採用したいと思いました。そもそも、日本で働きたいという意欲のある方たちを集めていただいているという前提もありますが、後半の項目としてあげたものは、実質的には考慮不要と言える程、意識の高い方ばかりでした(具体的には後ほど詳しく書きます)。

受け入れに際して大変なこと

私が実際に受け入れに関わったのは、韓国からのエンジニア1名のみで、残りのほとんどの方は内定を出してこれから受け入れの準備をするといったフェーズですので、これからより多くの問題が出てくる可能性もあるのですが、ひとまず、以下のような点が受け入れる為に必要になりそうです。

英語での選考が必要

  • 当初は日本語がある程度できる方を前提に選考予定でしたが、我々が求める人材に必要なスキルは必ずしも日本語力ではないと感じました
  • 私含めて英語が堪能ではないメンバーで、英語での会社説明やオファーレターの準備、実際の面接をする必要がありました

ビザや在留資格取得の支援

  • そろえなければいけない書類が膨大にあり、司法書士等の専門家または人材エージェントのノウハウに頼らざるを得ませんでした
  • 必要書類の準備だけでなく、申請してから受理されるまでにかなり時間がかかり、且つ、完了見込みがわからない点にも注意が必要でした(実際に書類を提出してから、入社時期の調整が必要になりました)
  • そもそもITエンジニアの在留資格取得には、情報系の学部卒、または、10年以上の実務経験、等の条件がある点も把握しておく必要があります

住む場所を探す

  • 会社で社宅等を持っていると良いのですが、そうでは無かった為、家探しの支援が必要でした
  • 本人が来日する前に住む場所を確定できず、仮住まい等を用意する必要がありました
  • 今後は、外国人の受け入れが可能なシェアハウス等もご紹介いただき、活用できないか検討中です

内定から受け入れまで定期的に連絡をとる

  • Skype等のツールでオンラインで定期的に連絡を取って、会社のアップデート情報も案内するようにしました
  • 困っていることが無いかをヒアリングしつつ、受け入れ準備が進んでいることを伝え、少しでも不安なく来日していただけるように気をつけました
  • 日本語の勉強も継続していただけるようにモチベーションが維持できているかを確認しました

文化や宗教の違いについて理解し、受け入れる体制を整える

  • この点については、まだまだ無知な点も多い為、少しずつ改善していきたいと考えているところです
  • 背景の異なる方が増えれば、増える程、考慮事項は増えると思いますが、多様性を受け入れていく為に必要なことだと考えています

社内のエンジニアに対して理解を得る

  • 幸いなことにクラスメソッドでは大きな問題とはなりませんでしたが、意外とここが大きな問題となる会社も多いと思います
  • 結果的には、入社したエンジニアが、外国からのエンジニア受け入れに消極的なメンバーの考えを変えてくれていますし、これからジョインするメンバーが増えることで、よりそのように変化していくと感じています(信じています)

それなりに初期コストはかかります。前提として、多様性を受け入れる文化を育てることが最も重要になると思います。

実際に採用を進める中でどう感じているか

ここをぜひ多くの方に伝えたいのです。実際に、その国に出向き、面接を行うまで、不安しかありませんでした。正直懐疑的な気持ちもありました。ですが、実際に行ってみると、180度見方が変わりました。まずは私自身にとって本当に貴重な経験になりました。まだ具体的な成果は出ていませんが、海外エンジニアの採用は必ず組織を強くする施策になるだろうという確信を持ちました。これを少しでもみなさんに感じて欲しいです。

海外エンジニアの志の高さ

  • 母国を離れて働きたいという海外エンジニアの志の高さにただ驚きました
  • スキルアップし、キャリアアップすること、挑戦すること、に対して、想像以上に貪欲でハングリーでした
  • その為の努力を惜しまず実践していることを肌身で感じることができました

語学力の高さ

  • そもそも複数言語を操ることができることが当たり前の世界がそこにありました
  • 日本語の習得状況には個人差がありましたが、英語ができないという方は稀でした
  • 少なくとも10年以上学習したはずの英語も習得できず、日本語しか扱えない我々の現状が情けなくもなりました

日本に対する敬意

  • 先進国としての経済的な豊かさだけでなく、勤勉さや忍耐強さ、震災からの復興を例に挙げてくれた方もいました
  • アニメや漫画等のカルチャーだけでなく、日本に対して総じて非常に高い評価をしてくれていました
  • 非常にありがたいという思いとともに、その期待に恥じぬようでありたいと思いました

いざ採用面接をやってみると、みな素敵な方ばかりで、正直全員採用したくなりました。皆、向上心があり、真面目で勤勉で、尊敬できるところを持っている方ばかりでした。クラスメソッドが目指している挑戦し続けるカルチャーを実践されている方ばかりのように感じました。既存メンバーにとっても、尊敬できるエンジニアと働くことはモチベーションアップにつながりますし、バックグラウンドの異なる方への理解を深めるチャンスになるなら、組織的にも良いことしか無いように感じました。

ところで、今年韓国から入社したキムさんのブログ最高じゃないですか。早速たっぷり洗礼を浴びています。

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まとめ

まずは、今回このような海外からの採用活動をする機会が得られる環境や土壌が整っていたこと、そして、私自身がこの施策に携われたことが非常に幸運だったと思います。そして、これからが本当に大事なところで、既存メンバーと新メンバーが切磋琢磨しつつ、相互に助け合い、高め合って、お客様への良いサービス提供につなげていけるようにしなければいけません。ですが、これはもう絶対に上手くやらねばならんと思ってますし、上手く行かないはずがないと思っています。クラスメソッドが本当の意味でのグローバルカンパニーになる日もそう遠くないはずです。

ということで、そんなチャレンジを続けているクラスメソッドへのエントリーをお待ちしております!

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