法人がENSドメイン名を取得するときのプラクティス ~ classmethod.ethを取りました

2021.11.15

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昨今、example.eth というEthereum Name Service (ENS)のドメイン名普及してきています。通常のDNSがAレコード等でサーバーのIPアドレスを登録するのに対して、ENSはEthereumのアドレスを登録して名前解決します。

.ethはIT企業などがEthereumアドレスを使ったサービスを展開する際に使われるほか、IPFSページをホストする場合の利便性が高いため、これからのWeb3の世界では必須のドメイン名になってきます。

新しいTLDが出てくるたびに企業やブランド名を先回りして取得して高値で転売するスクワッティングが横行しますが、.ethは包括的にドメイン名を管理してくれるサービスには今のところ対応しておらず、レジストラもENSに限られ、暗号通貨のethで決済を行わなければならないというIPやシステム管理者には頭の痛い存在です。実際、ENS開始時のオークションで1eth以下(2019年4月時点で2万円以下)で取得されたamazon.ethは、現在200eth(11月13日現在で1億円以上)で競売にかけられています

個人がENSドメイン名を取得するのはそれほどハードルは高くありませんが、会社としてそれをやろうと思うとクリアしなければならない問題が多いです。

今回は、幸いまだ取得されていないclassmethod.ethをクラスメソッドのベルリンオフィスが取得してみたいと思います。

Metamaskの準備

Ethereumブロックチェーンおよび分散型アプリケーション(DApps) にアクセスするためのChromeプラグインであるMetamaskをインストールします。

新しくWalletを作成しますので、右のボタンをクリックします。

パスワードをパスワード管理ツールで生成して(1Passwordを仕様)保存し、ウィザードを進めていきます。

リカバリーフレーズが表示されるため、安全な場所に保管しておきましょう。

表示名や換算通貨を変えたりして整えます。

Account DetailsからExport Private Keyを選択して1Passwordに保存します。暗号通貨を保有するというのはこのPrivate Keyを持っていることですので、これは最終的にVault化して厳重に管理します。

ethの調達

ethは取引所の法人口座で調達するのが理想ですが、弊社はまだ口座を所有していません。法人名で領収書を出してくれる販売所もみつけられないため、立て替え払いで経費精算することも難しいです(ドイツでは会社名の入ったインボイスが精算に必要)。日本の場合、税務、法令上問題ないようであればクレジットカードで販売所から購入してしまうのが手っ取り早いかもしれません。

今回は私の手持ちのethを時価でユーロに換算した額で個人インボイスを作成して会社に販売するという形を取りました。

ENSドメイン名の取得

https://app.ens.domains/ にアクセスして、Metamaskを接続します。Web3でいうユーザーの同定と認証はユーザー名、パスワードなどではなく、Private Keyを持っているMetamaskのアカウントからDAppsを許可することで成立します。

「classmethod」を検索して登録する年数を入力します。料金は文字数が短いほど高くなる傾向がありますが、おおよそ年額0.001eth程度です。ただENSを登録する際にEthereumネットワークを使用するため、その使用料にあたるgas代が0.065ethほどかかります。せっかくですから景気よく20年分にしちゃいましょう。私の引退までENSに関する心配から開放されます。

Metamaskでトランザクションを許可して、Ethereumブロックチェーンに書き込まれるのを待ちます。

Primary ENS Nameとして classmethod.eth をセットします。

登録完了です。

いかがでしたでしょうか。次回は、IPFSページを作成してこのドメインに紐付けてみます。