クラスメソッドメンバーズ提供のCURについてAWS提供のCURを踏まえつつ使い方等を書いてみた

クラスメソッドメンバーズサービスが提供しているCURは、AWS提供のCURと異なるところとしてメンバーズサービスの割引も反映された仕組みになっています。が、社内スタッフがそれを認知していないことがあり、ユーザとして使われている方は尚更であると思い、解説記事を書いてみました。
2022.07.29

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クラスメソッドメンバーズで提供しているCURはメンバーズの請求内容を詳しく知る上で欠かせないデータです。

ですが、AWS提供のCURとの違いや集計用途等は社内でも認知されているとはいい難い状況だと感じています。実際、サービスの保守運用にて状況確認を自身で行うまでは目が向きにくいのも事実。となると、メンバーズをユーザとして利用されている方には尚更認知されていない可能性があると考えました。

そこで、対策の一つとして幾つか利用方法や注意点等を記事として書いてみました。

AWS提供のCURについて

AWSが提供しているコストや利用状況のレポート(Cost and Usage Report - CUR)については、AWSを頻繁に使っていても認識がない人は多いかもしれません。請求やサービス利用状況の確認用途であるため、システム運用後のフォローが始まるまでは目が向きにくいものです。

請求総額確認やサービス夫々で発生した費用総額の確認についてはCostExplorerにて追加操作なしで行えるため、S3バケットへの出力設定や出力されたCSVファイルを何らかの手段で扱うことを求められると心情として身構えるのは当然です。ですが、日時単位での明細内訳は掛かっているコストを的確に把握する上では欠かせないものです。

クラスメソッドメンバーズ提供CURについて

このCURはクラスメソッドメンバーズでの割引等を含んでの出力となります。メンバーズポータルで表示されるグラフ等に使われるデータと同一のものになっており、「メンバーズポータルのグラフデータ詳細が欲しい」という場合はメンバーズのCUR出力を有効にするだけで取得が可能になります。ただし、即出力されるわけではありません。設定から1〜2日ほど経過した時点で確認が可能になるはずです。

メンバーズサービスを利用されているユーザとして利用されている方からの問い合わせのうち、CURに関して比較的多いのは「AWS提供のCURを元に料金解析を行おうとしたところ、メンバーズから発行された請求明細と数値が大きく異なっている」というものです。これはつまり、クラスメソッドメンバーズが提供しているCURが認知されていない、ということでもあります。

実際の導線はどのような流れになっているかというと、メンバーズポータルホームの下部にある「このサイトの操作方法はこちらをご覧ください - ユーザーガイド」から左メニューの「コストと使用状況レポート(CUR)」を辿る必要があります。

生成されたレポートのダウンロードについては、ポータルサイトではなくAWSのS3バケット内から直接ダウンロードする必要があります。ダウンロード用のリンクが欲しくなりますが、レポート自体はAWS提供のCURと同じ様に数十個以上に分割された圧縮ファイルとなっています。ブラウザではなくターミナルコンソールベースでの操作をおすすめします。

メンバーズ提供CURに関する注意点

社内スタッフからもよくある質問と大体同じになります。

AWS提供のCURとは異なります

先の段落で述べた通りです。

消したら戻せません

再出力には対応していません。利用する場合は操作ミス防止の観点でできるだけローカルにコピーした上で利用すると無難でしょう。ファイルサイズ超過での請求額が心配な場合は、定期的に別スペースへバックアップしつつライフサイクルイベントなどで整理することをおすすめします。

メンバーズへのアカウント申請に伴っての自動出力はされません

アカウント毎に出力設定が必要となります。本番運用アカウントではコスト計算にて常設が欠かせませんが、開発用アカウントの場合は意図せず動いているインスタンスの検知に役立つため必要に応じての設定も一つの手です。

時単位での出力です

AWS提供のCURは日単位でも出力が可能ですが、メンバーズ提供のCURは時単位のみとなっています。日単位が必要であれば個別集計にするスタイルです。

メンバーズ提供CURの応用例

過去にDevIOで書かれた記事となりますが、色々と利用方法はあります。

他にも色々と利用方法はありそうですが、最近よく行うのはcsvqを使った集計です。

あとがき

メンバーズ提供のCURについて色々と書いてみました。元々は社内向け説明として書いていたものでしたが、殆ど外部に公開しても差し支えない構成となっていたため、AWS提供のCURについても触れた上での記事としました。

これまでメンバーズサービスをユーザとして利用されていた方で、メンバーズ提供のCURを触れていなかった場合は触ってみるとメンバーズポータルの情報がよりわかりやすくなるかもしれません。