IAM ポリシーで他人の S3 バケット・EC2 キーペアを削除できなくさせる方法

IAM ポリシーで他人の S3 バケット・EC2 キーペアを削除できなくさせる方法

Clock Icon2023.02.14

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はじめに

こんにちは、アノテーション構築チームの荒川です。

開発者へ AWS 管理ポリシーの PowerUserAccess をアタッチしている環境で、S3 バケットと EC2 キーペアは、自分のリソースだけ操作できるようにしたい、といった要望がありました。

この要望に対して AWS マネジメントコンソールで、 IAM ポリシーを追加する方法の手順を紹介します。

自分の IAM ユーザー名が入った S3 バケットだけ、変更(削除含む)可能にするポリシーの作成手順

1. IAM コンソールの ポリシーへアクセス
2. 「ポリシーを作成」ボタンをクリック
3. 「ビジュアルエディタ」タブから「JSON」タブへ変更する
4. 下記のポリシーをコピーして貼り付ける

{
    "Version": "2012-10-17",
    "Statement": [
        {
            "Sid": "S3WriteOnlyMyOwnBucketPolicy",
            "Effect": "Deny",
            "Action": [
                "s3:CreateAccessPoint",
                "s3:SubmitMultiRegionAccessPointRoutes",
                "s3:PutAnalyticsConfiguration",
                "s3:PutAccelerateConfiguration",
                "s3:PutAccessPointConfigurationForObjectLambda",
                "s3:DeleteObjectVersion",
                "s3:PutStorageLensConfiguration",
                "s3:RestoreObject",
                "s3:DeleteAccessPoint",
                "s3:CreateBucket",
                "s3:DeleteAccessPointForObjectLambda",
                "s3:ReplicateObject",
                "s3:PutEncryptionConfiguration",
                "s3:DeleteBucketWebsite",
                "s3:AbortMultipartUpload",
                "s3:PutLifecycleConfiguration",
                "s3:UpdateJobPriority",
                "s3:DeleteObject",
                "s3:CreateMultiRegionAccessPoint",
                "s3:DeleteBucket",
                "s3:PutBucketVersioning",
                "s3:PutIntelligentTieringConfiguration",
                "s3:PutMetricsConfiguration",
                "s3:PutBucketOwnershipControls",
                "s3:PutReplicationConfiguration",
                "s3:DeleteMultiRegionAccessPoint",
                "s3:PutObjectLegalHold",
                "s3:InitiateReplication",
                "s3:UpdateJobStatus",
                "s3:PutBucketCORS",
                "s3:PutInventoryConfiguration",
                "s3:PutObject",
                "s3:PutBucketNotification",
                "s3:DeleteStorageLensConfiguration",
                "s3:PutBucketWebsite",
                "s3:PutBucketRequestPayment",
                "s3:PutObjectRetention",
                "s3:PutBucketLogging",
                "s3:CreateAccessPointForObjectLambda",
                "s3:PutBucketObjectLockConfiguration",
                "s3:CreateJob",
                "s3:ReplicateDelete"
            ],
            "NotResource": [
                "arn:aws:s3:::*${aws:username}*",
                "arn:aws:s3:::*${aws:username}/*"
            ]
        }
    ]
}

5. 「次のステップ: タグ」ボタンをクリック
6. 「次のステップ: 確認」ボタンをクリック
7. 名前、説明にそれぞれ「S3WriteOnlyMyOwnBucketPolicy」を入力
8. 「ポリシーの作成」ボタンをクリック
9. 画面上部に作成が完了した旨のメッセージが出ることを確認

自分の IAM ユーザー名が入った EC2 キーペアだけ、削除可能にするポリシーの作成手順

1. IAM コンソールの ポリシーへアクセス
2. 「ポリシーを作成」ボタンをクリック
3. 「ビジュアルエディタ」タブから「JSON」タブへ変更する
4. 下記のポリシーをコピーして貼り付ける(完全一致か部分一致かいずれか選択)

以下の例は「arakawa-key-pair」のように、ユーザー名の後に「-key-pair」を固定で付ける例です。「-key-pair」の箇所は運用に合わせて変更してください。

キーペア名を完全一致で判定するパターン

{
    "Version": "2012-10-17",
    "Statement": [
        {
            "Sid": "EC2DeleteOnlyMyOwnKeyPair",
            "Effect": "Deny",
            "Action": "ec2:DeleteKeyPair",
            "Resource": "*",
            "Condition": {
                "StringNotEquals": {
                    "ec2:KeyPairName": "${aws:username}-key-pair"
                }
            }
        }
    ]
}

キーペア名を部分一致で判定するパターン

{
    "Version": "2012-10-17",
    "Statement": [
        {
            "Sid": "EC2DeleteOnlyMyOwnKeyPair",
            "Effect": "Deny",
            "Action": "ec2:DeleteKeyPair",
            "Resource": "*",
            "Condition": {
                "StringNotLike": {
                    "ec2:KeyPairName": "*${aws:username}-key-pair*"
                }
            }
        }
    ]
}

5. 「次のステップ: タグ」ボタンをクリック
6. 「次のステップ: 確認」ボタンをクリック
7. 名前、説明にそれぞれ「EC2DeleteOnlyMyOwnKeyPair」を入力
8. 「ポリシーの作成」ボタンをクリック
9. 画面上部に作成が完了した旨のメッセージが出ることを確認

作成した IAM ポリシーを IAM ユーザーへアタッチする手順

個別の IAM ユーザーへポリシーを追加したい場合、以下の手順を実施します。まとめてポリシーを管理したい場合は、後述する IAM グループを使います。

  1. IAM コンソールの IAM ユーザーへアクセス
  2. ポリシーをアタッチしたいユーザー名をクリック
  3. 「許可を追加」->「許可を追加」をクリック
  4. 「ポリシーを直接アタッチする」をクリック
  5. 許可ポリシー検索欄に「S3WriteOnlyMyOwnBucketPolicy」を入力
  6. 表示される IAM ポリシー: S3WriteOnlyMyOwnBucketPolicy をチェック
  7. 許可ポリシー検索欄に「EC2DeleteOnlyMyOwnKeyPair」を入力
  8. 表示される IAM ポリシー: EC2DeleteOnlyMyOwnKeyPair をチェック
  9. 「次へ」をクリック
  10. 「許可を追加」をクリック
  11. 画面上部にポリシーが追加された旨のメッセージが出ることを確認

作成した IAM ポリシーを既存の IAM グループへアタッチする手順

IAM ユーザーがすでに IAM グループへ所属している場合は、そのグループへ作成したポリシーを追加します。

  1. IAM コンソールの ユーザーとグループへアクセス
  2. グループ名の一覧から対象のグループ名をクリック(グループがない場合は先にグループを作成する)
  3. 「ユーザー」タブから「許可」タブへ変更する
  4. 「許可を追加」->「ポリシーをアタッチ」をクリック
  5. その他の許可ポリシー検索欄に「S3WriteOnlyMyOwnBucketPolicy」を入力
  6. 表示される IAM ポリシー: S3WriteOnlyMyOwnBucketPolicy をチェック
  7. 「フィルターをクリア」ボタンをクリック
  8. その他の許可ポリシー検索欄に「EC2DeleteOnlyMyOwnKeyPair」を入力
  9. 表示される IAM ポリシー: EC2DeleteOnlyMyOwnKeyPair をチェック
  10. 「許可を追加」をクリック
  11. 画面上部にポリシーが追加された旨のメッセージが出ることを確認

おわりに

ポイントとしては、S3 のバケットは ARN でリソースを指定したポリシーを作れますが、EC2 のキーペアはリソースの指定ができず * のみになることです。
S3 は NotResource 句で、キーペアは Condition 句を使って制御してみました。

Condition 句で制御する際、部分一致(*/?)を使いたい場合は StringNotEquals ではなく、StringNotLike にするよう気をつけてください。
StringNotEquals で部分一致を使うと、ポリシーの作成はできますが、自分の名前が入ったアクセスキーでも削除できなくなります。

参考

アノテーション株式会社について

アノテーション株式会社は、クラスメソッド社のグループ企業として「オペレーション・エクセレンス」を担える企業を目指してチャレンジを続けています。「らしく働く、らしく生きる」のスローガンを掲げ、さまざまな背景をもつ多様なメンバーが自由度の高い働き方を通してお客様へサービスを提供し続けてきました。現在当社では一緒に会社を盛り上げていただけるメンバーを募集中です。少しでもご興味あれば、アノテーション株式会社WEBサイトをご覧ください。

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