【レポート】放送システムのクラウド コスト試算 ~AWS Simple Monthly Calculatorを使ってみよう~ #interbee2019
こんにちは、大前です。
11/13〜11/15 に幕張メッセで開催された Inter BEE 2019 に行ってきました。
前々から気になっていたイベントなのですが、今回初めて参加することができ、非常に楽しかったです。
現地では、AWS 主催のミニセミナーも開催されています。
このうち、掲題にもある「放送システムのクラウドコスト試算~AWS Simple Monthly Calculatorを使ってみよう~」というセッションに参加させて頂きましたのでレポートを書いていきます。
セッションレポート
概要
スピーカー
株式会社フジテレビジョン 技術局 放送部 副部長
井村 紀彦 様
概要
「クラウド使ってみたいけど、どうやってコスト試算すればわからない」「予算化したいけど、何から着手すればいいかわからない」などのお悩みはありませんか。
従来の放送システムとクラウドをApple To Appleで比較するには準備や工夫が必要です。放送局でのクラウド導入経験者から経験談を聞くことで、あなたが次に何をするべきか判断していただけます。
おやつとコーラを片手に座談会形式でお送りします!
概要にある通り、講演というよりは座談会形式のセッションでした。
参加者としてはこれから AWS を使っていきたいと考えているバリバリの放送業界の方が多く、AWS に対してどういったイメージを持っているのかなどの率直な意見が聞けたりして非常に有意義でした。
AWS 導入の道のり
道のり
- 2013年に初めて re:Invent に参加し、非常に刺激を受けた
- まだまだ AWS のサービスが少ない頃だった
- 受けた刺激そのままに帰国後 AWS の実証実験に取り掛かる
- 初 AWS システムは 2015年にリリース
- 情報管理的な用途で使用した
- 2019年にも別システムがリリース
本番導入するにあたって行ったこと
- カスタマーアグリーメントの法務チェック
- セキュリティ面をチェック
- 支払方法を経理と相談
- めちゃくちゃ試算した
- 設備投資予算とクラウド費用だけでなく TCO で考える
- 費用対効果をアウトプット
予算上申までに非常に大変な道のりがあったことが伝わってくる話でした。
また、社内エバンジェリストを続けた結果として 2017年頃からは少しずつ社内でもクラウドに対する考え方が変わってきたそうです。
How to estimate?
- ダウンロードにかかる費用を気にするのは放送局特有
- まずは現状分析
- 「テープ○本」という考え方から「○バイト」という考え方にシフトさせる
- それによって自分たちが業務でどのくらいのデータ量を扱っているのかを見える化する事が出来る
- 見える化した結果、サーバー○台必要、ストレージ○GB必要といった事を検討
- クラウドにした際の費用対効果を示せるとGood
- このようにして収集したデータをCalculatorに入れてみると大体の利用額がでる
- 見積もりのコツ
- 1.3倍で予算上申すると良い感じ
- AWS ビジネスサポート +10%
- 為替変動リスク +10%
- 業務内容 +10%
- あくまでケースバイケース
- 1.3倍で予算上申すると良い感じ
AWS Simple Monthly Calculator を使ってみよう
使用するサービスをいくつか例として上げ、どのくらいの金額になるのか試算した結果の紹介をされていました。本当はハンズオン形式で進めたかったそう。
S3の料金試算では、実際に放送業界で必要となるであろう容量や金額が出てきていて面白かったです。
- 保存料金例
- 1時間素材で約27GB(XDCAM50の場合)
- 1ヶ月で約20TB
- S3で保存すると約500ドル
- Glacierだと約100ドル
これから AWS を使いたい方に向けてのメッセージ
- まずは使ってみよう
- JAWS-UG に行ってみよう
- 懇親会も参加しよう
- 放送業界に限らず幅広く事例を知ろう
- ベストプラクティスを知ろう
- re:Invent にいくべし
- 認定試験を受けてみよう
認定試験の話が出てきた際には、各企業様における試験代負担の事情に関する現状についての話で少し議論があったりして、様々な実情を知る事ができました。
まとめ
「放送システムのクラウド コスト試算 ~AWS Simple Monthly Calculatorを使ってみよう~」に参加してきました!
座談会形式だったので、セッションでは聞けない現場の生の声や実情をたくさん聞く事が出来、非常に有意義な時間を過ごせました。
試算についても、 一般的な Web アプリケーションではなく、放送システムに対する試算という普段は触れない側面での話があり非常に面白かったです。
また機会があればこういった場には参加したいと思います。
以上、AWS事業本部の大前でした。