AWS入門ブログリレー2024〜Cost Optimization Hub編〜

AWS入門ブログリレー2024〜Cost Optimization Hub編〜

Cost Optimization Hub について 2024 年 6 月時点の情報をまとめてみました。これから学ぶ記事としてご活用ください。
Clock Icon2024.06.05

こんにちは!AWS事業本部のおつまみです。

当エントリは弊社AWS事業本部による『AWS 入門ブログリレー 2024』の60日目のエントリです。

このブログリレーの企画は、普段 AWS サービスについて最新のネタ・深い/細かいテーマを主に書き連ねてきたメンバーの手によって、 今一度初心に返って、基本的な部分を見つめ直してみよう、解説してみようというコンセプトが含まれています。

AWS をこれから学ぼう!という方にとっては文字通りの入門記事として、またすでに AWS を活用されている方にとっても AWS サービスの再発見や 2024 年のサービスアップデートのキャッチアップの場となればと考えておりますので、ぜひ最後までお付合い頂ければ幸いです。

では、さっそくいってみましょう。今回のテーマは『Cost Optimization Hub』です。

Cost Optimization Hub とは?

Cost Optimization Hub とは、コスト最適化推奨事項を一元的に管理するサービスです。
2023年のre:Inventで発表された新サービスですね。

これまでコスト最適化のために、Compute Optimizer や Trusted Advisor、Cost Explorer などのサービスを各々確認する必要がありましたが、このサービスを有効化するだけで、一元管理したダッシュボードを提供してくれます。

引用:新しいコスト最適化ハブは、推奨アクションを一元化してコストを節約します | Amazon Web Services ブログ

セキュリティ状況を一元的に可視化し、管理するサービスであるAWS Security Hubのコスト版だと思っていただければOKです!

レコメンデーションについて

Cost Optimization Hub はこのようなレコメンデーションを行ってくれます。

  • リソースの適切なサイズ設定
  • アイドル状態のリソースの削除
  • Savings Plansの購入
  • リザーブドインスタンスの購入

これらのレコメンデーションを活用することで、利用者はコストを効果的に管理し、無駄な支出を削減することができます。

対象のリソースはこちらの公式ドキュメントをご確認ください。

なおこれらの推奨事項は従来からあったサービスCompute Optimizerに基づいています。
Compute Optimizerについて知りたい方はこちらのブログをご確認ください。

利用料金について

Cost Optimization Hub 自体は無料で利用可能です。(嬉しい)
ただしこのサービスの元になっているCompute Optimizer側で有料機能「拡張インフラストラクチャメトリクス」を有効化している場合は、そこで料金がかかるため注意してください。

既存環境へのパフォーマンス影響は?

Cost Optimization Hub は AWSのコストツールであるため、既存のリソースや設定を変更せずに分析や推奨を行うように設計されています。そのため、既存環境へのパフォーマンス影響はございません。
安心して、有効化いただけます。

 
 

利用開始方法

有効化してみる

AWSマネジメントコンソールから簡単に有効化することができます。

コンソール上にある「コストと使用状況」のウィジェットからCost Optimization Hub を有効化を選択します。

請求とコスト管理コンソールの [コスト最適化ハブ] に遷移するので、有効化を選択します。

ダッシュボードが表示されます。しかし、Cost Optimization Hub にコストデータを取り込むのに、24 時間時間がかかるようなので、すぐに結果は表示されませんでした。

もしこの時点でCompute Optimizer を有効化していない場合は、有効化を促される案内が出ます。`オプトイン`を選択し、Compute Optimizerのコンソール画面から有効化を行ってください。

 

24時間経過後、AWSマネジメントコンソールに戻ると、コストと使用状況ウィジェットの中に削減できるコストが表示されるようになっています。

マルチアカウントを対象にする場合

マルチアカウント環境(AWS Organizations)で利用する場合、所属するAWSアカウント全てのリソースを確認することが出来ます。
マルチアカウント環境で確認をしたい方は下記記事をご参考ください。

おまけ

Trusted Advisorとの違いは?

コスト最適化を確認するために従来からTrusted Advisorがあります。
Trusted Advisor と Cost Optimization Hubの違いは何でしょう?

簡単に表にまとめてみました。

比較項目 Cost Optimization Hub Trusted Advisor
機能の範囲 コスト最適化に特化したツールであり、コスト最適化の推奨事項、リソースの最適化など、コスト管理に関連する機能を提供する。 コスト最適化だけでなく、セキュリティ、パフォーマンス、耐障害性、サービス制限など、幅広い分野の推奨事項を提供する。
推奨事項の詳細度 コスト最適化に特化しているため、より詳細で具体的なコスト削減の推奨事項を提供する。 コスト最適化以外の分野も扱うため、推奨事項はより一般的な内容になる。(削減額までは提示してくれない)
統合性 Compute Optimizer、AWS Cost Explorer、AWS Cost and Usage Report など、他のコスト管理ツールとシームレスに統合されている。 AWS のサービス全般に関する推奨事項を提供するため、特定のコスト管理ツールとの直接的な統合はしていない。
利用料金 追加料金なしで利用可能。 一部の機能は無料で利用できますが、より高度な機能を利用するには、AWS サポートプランへの加入が必要。
対象リソース/チェック項目 EC2,ECS,Lambdaなど
詳細は公式ドキュメントを参照
EC2,EBS,関連付けられていないEIPなど
詳細は公式ドキュメントを参照

結論、Cost Optimization Hubは単にリソース利用状況だけでなく、変更したらよいスペック情報などより詳細な最適化の提案となります。
一方、Trusted Advisorは主にリソースの利用状況に基づいた最適化の提案のみとなり、変更による削減額までは提示してくれません。

「だったらCost Optimization Hubだけ確認すれば良いのでは?」

と思う方もいるかもしれませんが、一部のリソース(関連付けられていないEIP、S3など)はTrusted Advisorでしか検知ができません。

そのため現時点(2024/6/5)では、Cost Optimization Hub と Trusted Advisor(コスト最適化)の両方確認することを推奨します。

レコメンデーションの通知はできる?

残念ながら、2024/6/5時点ではダッシュボード機能のみの提供となっています。
そのため、普段からこのダッシュボードを定期的にチェックしない方にとっては、レコメンデーションを見逃してしまう可能性があります。

通知まで行いたい方はこちらのブログ参考に、実装を行ってみてください。

コスト最適化は1度実施しただけでなく、定期的なレビューと改善が重要となります。
ぜひ、Cost Optimization Hub を有効にし、お使いのAWS環境でコスト最適化を実現していきましょう!

終わりに

以上、『AWS 入門ブログリレー 2024』の60日目のエントリ『Cost Optimization Hub』編でした。 次回、6/6は弊社Nayuta S.による「AWS Clean Rooms編」の予定です!

最後までお読みいただきありがとうございました!
どなたかのお役に立てれば幸いです。

以上、おつまみ(@AWS11077)でした!

参考

Cost Optimization Hub - AWS コスト管理

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