![[登壇レポート] JAWS-UG広島 第27回勉強会(JAWS-UG クラウド女子会コラボ!)でパネルディスカッションに登壇し、ダイバーシティを考えてきました #jawsughiroshima #cloudgirl #jawsug](https://devio2024-media.developers.io/image/upload/f_auto,q_auto,w_3840/v1784501969/user-gen-eyecatch/pjuogssgznsfm9ea1yi2.png)
[登壇レポート] JAWS-UG広島 第27回勉強会(JAWS-UG クラウド女子会コラボ!)でパネルディスカッションに登壇し、ダイバーシティを考えてきました #jawsughiroshima #cloudgirl #jawsug
コーヒーが好きな emi です。
2026/7/18(土)に開催された「JAWS-UG広島 第27回勉強会(JAWS-UG クラウド女子会コラボ!)」に参加し、パネルディスカッションに登壇してきました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| イベント名 | JAWS-UG広島 第27回勉強会(JAWS-UG クラウド女子会コラボ!) |
| 開催日 | 2026年7月18日(土)13:30〜17:30 |
| 会場 | 合人社ウェンディひと・まちプラザ 北5F |
| 主催 | JAWS-UG広島、JAWS-UG クラウド女子会 |
今回は AWS のピネダさくらさんをスペシャルゲストに迎えた特別回で、技術寄りの発表もあったのですが、この記事ではダイバーシティや DE&I(Diversity, Equity & Inclusion)に関わるパートに絞ってレポートします。
さくらさんの自己紹介 ~26 年間のニューヨーク生活から見えてきたもの~
- 埼玉生まれ、高校 2 年生でオレゴン留学したのをきっかけにそのままアメリカに
- オレゴン時代は周りに人がほとんどいない田舎町で、友達は牛やニワトリだった
- ドラマ『SUITS』さながらの世界で働いていたものの、社内に日本人が自分だけで「なぜ自分だけ外国人なのか」という逆の孤独
- AWS に移って初めて、それまでの職場でずっと無理をしていたことに気づいた
- 日系企業では喋りすぎると注意され、米国企業では逆に「もっと積極的に話してほしい」と言われる
- どちらも自分は変わっていないのに、評価される軸が環境によって正反対になる
- お茶碗のエピソード
- 自分の茶碗に白米を入れるつもりで棚に置いていたら、翌朝ルームメイトがそれでヨーグルトを食べていて衝撃を受けた
- 今となっては「確かにヨーグルトを食べるのにちょうど良いサイズかも」と思える
- 自分にとっての当たり前は他人にとっての当たり前ではない
- ダイバーシティの根本は性別や人種、雇用形態で区切ることではなく、一人ひとりが一番力を発揮できる環境をつくること
さくらさんが力を出せる環境の条件

- 「サクラが言うならやってみれば」と信頼してくれる上司がいるとモチベーションが湧く
- 信頼・尊敬できるチームメイト
- 「あ、こういう風になりたい」というロールモデルがいること
- プライベートとバランスが取りやすい
- 働きすぎないようにやっていって、持続できるキャリアを築く
- アメリカ人や欧米人見ていると「仕事なんて人生の一部だな」と思う
「皆さんもあんまりクラウドばかり勉強しないで、楽しいこともたくさんやってください」
出産してから、「キャリアの持続可能性」については最近かなり考えていたので、この締めの言葉が今日一番刺さったかもしれません。
パネルディスカッション ~海外・都会・地方から見るエンジニアの現状と未来~
運営の小寺さんに司会をしていただき、さくらさん、運営の森さん、そして私の 3 人でパネルディスカッションに登壇しました。テーマは「海外・都会・地方から見るエンジニアの現状と未来」です。
Q1. 自己紹介
自己紹介をお願いします!
お名前と今どんな仕事をしていて、最近楽しかったこと・嬉しかったことがあれば教えてください!
- 森さん
- 広島の銀行で AWS を使ってインフラの内製を担当。リラックマのウエハースについてくるカードをコンプリートした
- 私
- AWS 設計構築を担当。産休・育休を半年ほど取り、2 月に出産
Q2. 現状の女性と男性エンジニア、海外・都会・地方の違いを聞いてみよう!
女性や男性、地域で働き方や考えの違いを感じることってありますか?
- さくらさん
- 日本は「地方」と言ってもアメリカからしてみると都会、金融機関もたくさんある。アメリカの田舎とはまたさらに違ったチャレンジがあると思う
- 高齢化。日本特有の課題だが、他の先進国にも今ついていっているので、皆さんのイノベーションが世界にまだまだスケールできるチャンス
- ダイバーシティがない。女の人は世界に半分いる。家庭内の話し方など何気ない会話が、進路を狭めている根っこかもしれない
- 日本は「地方」と言ってもアメリカからしてみると都会、金融機関もたくさんある。アメリカの田舎とはまたさらに違ったチャレンジがあると思う
- 私
- 新卒の頃はお茶出しなど比較的やることが多かった
- 出産のタイミングは男性の育休と違って「いつ休まざるを得なくなるか分からない」計画の立てづらさがある
Q3. 今までのキャリアで一番大変だったことを教えてください!
特に性別や地域差で感じたものがあればその部分を教えてください!
- さくらさん
- インポスター症候群
- 金融×テックという場ではただでさえ女性が少なく、アジア人女性はさらに若く見られてしまう
- インポスター症候群
- 森さん
- 地域差の話、広島でクラウドの情報収集や相談ができる場がほとんどなく、手探りで学んでいくしかなかった、これが今の広島支部運営に繋がっている
Q4. 今後、会社や社会がどうなっていって欲しいかを聞いてみよう!
制度やカルチャー、個人の考えなど、こういう世界になって欲しいなってことはありますか?
- 森さん
- 男性・女性という区切り自体が早くなくなってほしい
- 女性管理職比率〇%を達成するために無理やり昇進させるのではなく、もっと違うやり方を考えたい
- 男性・女性という区切り自体が早くなくなってほしい
- 私
- ライフステージに応じてリモートワークが選べる社会、自分も家族も社員もみんなが笑っていられる環境
- さくらさん
- 日本人はつい正解を 1 つに求めすぎる、多様な価値観があるほうがお互いに優しくなれる
特別セッション ~Amazon のインクルージョン~
さくらさんの特別セッションを聞きました。
- Amazon がダイバーシティを大事にする理由
- リテール企業として世界中の多様な顧客にサービスを提供している以上、それを反映するには社員側にも多様性が必要
- 具体的な施策
- 社員が自主的に立ち上げるアフィニティグループ(多様な社員リソースグループ)
- 若手向けの人材育成インターンシップ
- 女性やマイノリティのキャリア形成を後押しするグローバルメンタリングプログラム
- 地域の大学と連携した多様な採用パートナーシップ

- 2020 年のパンデミック下のニューヨーク

- セントラルパークに臨時病院が建ち、国連前には遺体を保管する冷凍トラックが並んだ
- 収入の低い人ほど働き続けざるを得ず、その多くがヒスパニック系や黒人など歴史的に格差を負ってきた人たちだった
- これがダイバーシティの議論が一気に加速した背景
- ニューヨークはそもそも移民によって成り立ってきた街
- インフレは深刻で、マンハッタンの 1LDK の平均家賃は 88 万円、チャイルドケアは 1 週間平均 15 万円

- 都市部とは対立する価値観を持つ地域がある
- 白人至上主義、移民の強制排除、リベラルな本の排除、銃を持つ自由の主張、深刻なドラッグ問題
- お金持ちのニューヨークやカリフォルニアへの反発
- それでもさくらさんが好きだというアメリカの生きやすさ
- 誰もが「それがあなたの選んだ道なんだから応援しよう」と言い合える社会

- こうした多様な価値観を前提にした社会だからこそ生まれるビジネス
- 従来型の銀行が相手にしてこなかった層に向けた新しい与信方法で南米最大級の銀行に成長した Nubank
- 地方でインターネットが届いていない人にもクラウドを届けたいという思いから始まった Amazon の衛星サービス(Project Kuiper から Amazon Leo に名称が変わった)
- マイノリティの視点を取り込むことがビジネスの伸びしろに直結する
- Amazon で実践されている文化を、明日から真似できる工夫として紹介
- 会議ではリーダーが最後まで発言しないこと
- パワーポイントではなく文章で全員に考えを書かせること
- 上司の顔色ではなく顧客の必要性から逆算して意思決定する Working Backwards の徹底
- 失敗を責めない文化。例として Nubank では 1 日の終わりにエンジニアが集まって失敗談を披露し合い、「いい失敗だったね」拍手して称え合う

- 「ニューヨークだからできる」「地方だから無理」という発想への反論
- 26 年間アメリカで働いてきた実感として、アメリカ人が特別優れているわけではなく、日本人はとても真面目に仕事をこなせている
- 大事なのはマインドセットをオープンにしておくこと
- 地方にいるからこそ見えている課題や発想は必ずある、東京や海外の真似ではなく自分たちの強みを見つめ直してほしい
グループディスカッション
パネルディスカッションのあとは、運営側でシャッフルしたグループに分かれてのディスカッションでした。
私のグループでは以下のような話をしました。
- 都市部では人員がいるので大きな仕事ができるが、地方は人手が少ないので小さな仕事しかできない
- ローカルのお客様の力になる仕事ができるのは価値がある
- 地方だと同じことをやっている同年代の人が近くにいない
- 対面でのコミュニケーションを見直そうという流れも強くなっているが、それはそれとして、オンラインでの緩やかな繋がりも残ると良い
LT : AWS と re:Invent の DE&I の歴史と今
atsumi さんによるLT「AWS と re:Invent の DE&I の歴史と今」がありました。冒頭、別イベントでの Fin-JAWS クロストーク企画のスライド出して、登壇者 4 人の年齢を合計すると 254 歳になるという話も。年齢もまた多様性の一つの軸だと気づかされる小ネタでした。

本題に入る前に、そもそも DE&I とは何かという整理もありました。
- Diversity(多様性)
- 性別や年齢、国籍、価値観、信条といった違いそのもの
- Equity(公平性)
- 一律の平等ではなく、違いに合わせた機会均等
- Inclusion(包摂性)
- 仲間として互いに敬意や信頼、心理的安全を持てる状態

- Inclusion の反対語は Exclusion
- Inclusion : 違いを受け入れる、違いに敬意を持つ、合理性や科学性、良心や倫理、移民の受け入れ
- Exclusion : 違いで分断する、憎しみを煽る、不合理や非科学、不正義や抑圧、移民の排他

- re:Invent 14 年分の振り返り
- re:Invent では半数以上が女性登壇者
- 印象に残っているセッション
- オンプレミスでは絶対に無理と言われていた取引所システムを AWS に移行した NASDAQ
- コロナ禍で収入が途絶えた住宅ローン利用者の信用力を AWS 上の大量データで見極めたファニーメイ
- どちらも登壇していたのは女性のリーダー
- re:Invent 演出の細部に滲み出ている D&I の話
- ワーナー氏がキーノートで着ていた「Open mind for a different view, And nothing else matters(異なる視点を受け入れるオープンな感性、これ以外に重要なことはない)」という T シャツ

- サステナビリティ企画の「Water Walk」

- 会場内で重い水袋を実際に運ぶ体験企画
- アフリカなどの水不足地域で女性が何キロもの水を毎日運んでいる現実を疑似体験するもの
- 女性限定のミートアップ「AWS Women in the Cloud」
- 会場のホテルから Expo 会場までデモ行進

感想
当たり前を疑い続けることがイノベーションに繋がるという話が心に残りました。
従来型の銀行が相手にしてこなかった層に新しい与信方法で応え、南米最大級の銀行に成長した Nubank の話が印象的でした。
ダイバーシティを考えることが、単なる配慮や福利厚生の話ではなく、そのままビジネスになって大成功していることに感動しました。クラウドの勉強ばかりしていてもこの発想には辿り着けないと痛感しました。誰が取り残されているのか、なぜ取り残されているのかを考えることが次の仕事や新しいビジネスの入口になることもあれば、生きやすい社会をどう作るかを考えることが、そのままエンジニアリングの仕事や新しい価値につながることもあるのだと知れたのは、この日一番の学びでした。
もう 1 つ印象的だったのは、AI がこれだけ普及した時代になっても、今日話したようなダイバーシティにまつわる悩みそのものは全然解決されていないんだな、という気づきです。技術がどれだけ進化しても、人が人を評価するときの偏見や、環境によって評価軸が変わってしまう理不尽さは、ずっと残り続けるのだと感じました。だからこそ今日のようにダイバーシティについて話し合う場が、まだまだ必要なのだと思いました。
おわりに
パネルディスカッションは緊張しながら臨みましたが、司会の小寺さん、さくらさんと森さんのおかげで自然体で話せる時間になりました。JAWS-UG 広島とJAWS-UG クラウド女子会の運営の皆さん、そしてスペシャルゲストとして貴重な話を聞かせてくださったピネダさくらさん、参加者の皆様、ありがとうございました。
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