
判断特化型AI「Jev」を簡単な具体例でわかりやすく解説!実際に試してみた
はじめに
こんにちは。くどうです。
最近出た Jev というモデルが気になったので、公式サイトで試せる Playground で触ってみました。
この記事では Jev について簡単に説明した上で、実際にどのようなリクエストを送ってどのようなレスポンスが返ってくるのかを確認します。
Jev とは
テキストを生成しない判断特化の AI モデルです。
TypeSafe AI が開発した Jev は、LLM とは設計思想が根本的に異なります。ChatGPT や Claude のような LLM は自然言語のテキストを生成しますが、Jev はテキストを一切生成しません。代わりに、型付けされた判断と確信度を返します。
例えば、下記のような文章をみてみます。
こんにちは。3日間、Stripe アカウントの連携を試みているのですが、連携がうまくいきません。
そのせいで売上が減ってしまっています。至急ご対応をお願いいたします。
この文章を「State」とします。
下記の文章も見てみます。
このメッセージは緊急性を伝えていますか?
この文章を「Questions」とします。
この「State」と「Questions」を Jev に対して送ると、下記のようなレスポンスが返ってきます。
緊急度:97%
次に、下記の「State」を見てみます。
こんにちは。先程のお打ち合わせはありがとうございました。御社のサービスはとても魅力的に感じているので前向きに検討させていただきます。引き続きよろしくお願いいたします。
この「State」と、先程の「Questions」を Jev に渡すと、
緊急度:6%
と返ってきます。
このように、Jev は State と Questions をセットでリクエストすると、Questions で設定した基準で State を判定し、判定結果を定量的な数字で返してくれるモデルです。
以上が簡単な Jev の説明です。
出力のタイプは3種類
Jev の出力のタイプは下記の3つです。
- Choice — 与えた選択肢リストから一つを選ぶ。チケットのカテゴリ分類、感情分析など
- Score — 数値スケールで評価する。レビューの品質スコアリング、リスク評価など
- Noul — 真偽を判定する。返金リクエストが条件を満たすか、スパムかどうかなど
3つとも確信度が付きます。「確信度が0.8以上なら人間にエスカレーションする」といった分岐を、Jev からレスポンスを受け取るアプリケーション側で制御できるので、自動化ワークフローに組み込みやすい設計です。
また、複数の Questions を1回の API コールにまとめて投げられます。Questions を増やしてもレスポンスタイムはほぼ変わらないとされていて、「このチケットは緊急か(Noul)」「カテゴリは何か(Choice)」「優先度は(Score)」を並列に判定できます。
ちなみに、冒頭の解説は Noul タイプで判定する例です。
アプリケーションが「緊急度n%」という数字を受け取り、その緊急度に応じて処理をルーティングするような使い方ができるのかなと思います。
実際にためしてみる
Waitlist に登録
9/20現在は Waitlist に登録して招待を待つ形式が取られています。
下記の公式サイトで Waitlist に登録して招待を待ちます。私は登録から24時間ほどで招待が来ました。
Home - TypeSafe AI

アカウント作成
下記のように招待メールがくるので、Create your account からアカウントを作成します。

リンクをクリックすると、このような画面になります。

ここからもろもろ、名前の登録や利用規約への同意を進めると、このような画面になります。
右下の Enter console からコンソール画面に遷移します。

これがコンソールのホーム画面です。

HOME の左下の名前をクリックして、Settings > Billing を確認すると、$5のクレジットが付与されてることがわかります。

戻って、Playground をクリックするとこのような画面になります。ここで「State」と「Questions」を設定してリクエストを投げることができます。

State を入力するエリアです。ここには、判定させたい文章を入力します。

Questions を入力するエリアです。ここには、State を判定する基準を入力します。

試しに一番上の「Noul」をクリックすると、サンプルの構文が設定されます。
Ask a yes or no question の部分に判定基準を入力します。

これが実際に基準を入力してみた状態です。
criteria の部分はオプショナルの値なので、丸々削っても良いですが、今回は True と False の基準を明確にするために入力してみました。
いろいろ書きましたが、ざっくり言うと、State の中に個人情報が含まれる場合は、True の値が高くなるような設定にしています。

State の方にはこのように入力してみました。これは個人情報が含まれない文章の想定です。

この状態で右下の Run Request をクリックします。

そうすると、右側の Response 欄に判定結果が返ってきます。ここでは、「Questions」で定義した基準を基に、「State」が判断され、「個人情報を含むという判定の確信度」が5%と判定されました。(True が低い=「個人情報を含むという判定の確信度」が低い)

JSON の構造はこの通りです。

今度は逆に個人情報が含まれていそうな文章を State に書きます。
名前と、クラスメソッド日比谷オフィスの住所です。オフィスの住所は正確には「個人情報」ではありませんが一旦書いてみました。

すると、今度は True が高くなりました。つまり、「Questions」で設定した定義に基づいて「個人情報を含むという判定の確信度」が高いという判定になりました。

どこが個人情報として判定されているのか気になったので、冒頭の「山田太郎様」を「ご担当者様」に変更してリクエストしてみました。
すると True が34%になりました。『山田太郎様』を変更したことで、判定結果が大きく下がりました。「会社の住所」と「架空花子」は個人情報度があんまり高くないと判定されているようです。

今度は架空花子を「工藤」にしてみました。すると True が88%まで上昇しました。「架空花子」という名前は実際の名前と判定されなかったのでしょうか。ここは「Questions」に設定する定義次第で精度も変わってきそうです。

Jev の何が嬉しいか
Jev でやっていることは、ぶっちゃけ従来の LLM でも実現は可能です。ChatGPT や Claude に「この文章に個人情報が含まれているか、0〜100%で答えて」と聞けば、似たような回答は返ってきます。
では何が嬉しいのかというと、料金とレスポンスの2点が大きいです。
料金が桁違いに安い
Jev の API 料金は、インプットトークンが100万トークンあたり$0.042で、アウトプットトークンは$0(無料)です。出力側にコストがかかりません。
主要な LLM の料金と比べてみると差が分かりやすいです。
| モデル | インプット (per 1M tokens) | アウトプット (per 1M tokens) |
|---|---|---|
| Jev | $0.042 | $0 |
| Claude Sonnet 5 | $2 | $10 |
| Claude Haiku 4.5 | $1 | $5 |
| GPT-5.6 Terra | $2 | $12 |
| GPT-5.6 Luna | $0.20 | $1.20 |
Claude Sonnet 5 のインプットと比べて約50分の1、アウトプットに至ってはゼロです。分類やスコアリングといった判定タスクを LLM に投げていた場合、Jev に置き換えるだけで API コストが数十分の一になる計算です。
もちろん Jev はテキスト生成ができないので、「判定結果を自然言語で説明してほしい」みたいな用途には使えません。ただ、結果が数値や選択肢で十分なタスクに対しては、Jev で十分かなと思います。
レスポンスが速い
TypeSafe の公称値では、Jev のレスポンスタイムは70〜500ミリ秒です。LLM のフロンティアモデルだと数秒〜数十秒かかるので、体感でもかなり違ってくるでしょう。
公式サイトでも速度と料金について強調されています。

あとがき
今回は試しに State と Questions を設定してみましたが、実際に運用する際は、Questions の設計と State に渡す情報の選択が大事になりそうです。
また、リアルタイム処理や大量のバッチ処理にも向いているモデルなので、AI と組み合わせるアプリケーションの幅が広がって夢も広がってきそうです。
参考











