
人事統括室長になって1年の振り返りと、AI時代のトランスフォーメーションへの決意表明
人事統括室室長の板東です。
2025年7月7日に「入社から1年の振り返りとこれからの所信表明」を書いてから、ちょうど1年が経ちました。7/1からクラスメソッドは23期を迎えており、節目のタイミングでの4本目のブログになります。前回は「人事統括室の室長として活動を始めています」というスタートラインの話でした。今回は、この1年をどういう考えで動いてきたかを振り返りつつ、2年目の方向性を書いていきたいと思います。
事業の成長に、人と組織の成長が追いつくか
まず、この1年の前提となる話からです。
クラスメソッドは「オープンな発想と高い技術力により、すべての人々の創造活動に貢献し続ける」を経営理念に掲げ、AWSをはじめとするクラウド、そして生成AIの領域等、システム領域において多面的に、お客様の事業を支援しています。市場は急速に拡大しており、事業の成長スピードは増す一方です。このとき経営課題になるのは、事業の成長に、人と組織の成長が追いつくかということです。どれだけ市場機会があっても、理念を体現し、それを担う人材がいなければ、貢献し続けることはできません。人事は管理部門の仕事ではなく、経営戦略そのものである。この考えを軸に、1年間動いてきました。
その中で、前期いちばん力を入れたのが採用です。
前期は採用数のブーストに注力し、一定の成果を出すことができ、多くの仲間を迎え入れることができました。ジョインしてくれたみなさん、本当にありがとうございます。また、採用活動へご協力いただいたみなさまありがとうございます!
同時に、数を追うだけでは続かないことも分かっていました。労働人口が減少し、優秀な人材の獲得競争が激しくなる中で、求人を出して応募を待つやり方だけでは、いずれ限界が来ます。そこで柱にしたのが、待つ採用から、自分たちから会いに行く採用への転換です。これからの時代を担う学生との接点を、早い段階から自分たちで作りに行く。
具体的には、社員であるOBの学生や、つながりのある学校からの紹介を通じて、専門学校や高専などで単独の会社説明会を実施し、学生へのクラスメソッドの認知向上をはかってきました。説明会には、現場のエンジニアのみなさんが登壇や学生との交流に協力してくれました。学生に一番刺さるのは、人事の説明ではなく、現場のエンジニアが語るリアルな仕事の話です。忙しい中で快く力を貸してくれたみなさん、本当にありがとうございました。実際に、そこから数名の学生が応募してくれています。また、複数の大学では、大学の講義の一環として生成AIのハンズオン授業の機会が生まれています。授業で生まれたつながりを、今後はインターンの受け入れへとつなげていきます。
いま社内では、多くのインターン生が活躍してくれています。
クラスメソッドのインターンは「学生扱い」をしません。生成AIのプロトタイプ開発など最前線のプロジェクトに社員と同じ目線で入り、DevelopersIOでブログを書いて発信するインターン生もいます。正直に言うと、私が学生だったら飛びつきたいくらい、わくわくする環境です。今後は、こうしたインターンからの接続も含めて、新卒採用を本格的な採用の柱のひとつに育てていきます。
学生のみなさん、興味があればぜひこちらをご覧ください。
お客様のAI活用を支援する会社だからこそ、人事もAIを使い倒す
もうひとつ、この1年で意識してきたことがあります。
クラスメソッドは、お客様の生成AI活用を支援する事業を展開しています。その会社の人事が、旧来のやり方のままで良いはずがありません。お客様に価値を届ける事業と、それを支える社内の働き方は、一貫しているべきです。だからこそ、人事の日々の業務のひとつひとつにAIを組み込むことを意識してやってきました。
昨年のブログでは「アンケート集計をAIでやってみたら数字が合わなくて、原因をAI自身に聞いたら解決した」という話を書きました。あれから1年、使い方は「単発で試す」から「仕事の流れに組み込む」に変わってきています。
とにかく有益だったのが、Claudeのコネクタです。
SlackやGoogle Driveと連携させることで、AIとの会話の中から直接、社内のやり取りやドキュメントを参照できるようになります。これが人事の仕事と圧倒的に相性が良いのです。人事の仕事は、Slackでの議論、Driveの資料、過去の経緯など、情報があちこちに散らばっていることがほとんどです。以前は自分でかき集めてからAIに渡していました。今は「このチャンネルのやり取りを踏まえて要約して」「このドキュメントとマージして」と指示するだけで、AIが自分で読みに行ってくれます。初めてこれを体験したときは、ここまでできるのか、と正直驚きました。
- 具体的には、こんな使い方をしています。
- 企画書・ドキュメントのたたき台:経営層向けの資料や社内アナウンスなど、たたき台を作るのは圧倒的にClaudeが早いです。Driveの既存資料を読み込ませてマージしたたたき台を作る、といったこともできます。
- 集計・整理:確認状況の管理表づくりや、散らばった議論の整理など、「情報を漏れなく拾って形にする」仕事はどんどん任せるようになりました。
- 週報の自動生成:カレンダーやメール、Slackから1週間の動きを拾って形に整えるスキルを運用しています。毎週何を書こうか考える時間がなくなっただけでも、地味に効いています。
ただし、ここに落とし穴があります。
「たたき台が早い」のは、こちらに完成イメージがあるからできるということです。どういう構造でまとめてほしいか、誰に向けた資料か、何を判断してもらうためのものか。それを指示できて、出てきたものをレビューして直せるから、スピードが活きます。丸投げして良いものが出てくるわけではありません。「AIを使うこと」自体が目的化してしまうと、手段と目的が逆転し、成果につながりません。これは、お客様のDXやAI活用の現場でも、まったく同じ構図が起きているはずです。1年やってみて分かったのは、AIが得意なのは「判断」そのものではなく、「判断する前の材料を揃えること」だということです。材料集めとたたき台はAIに任せ、構造の設計・レビュー・最後の判断は必ず人がやる。これからは、この全体設計や指示をどうするかが、人間の仕事に変わっていくと感じています。
2年目:AI時代のトランスフォーメーションを先導する
7/1から23期が始まりました。2年目のテーマは、AI時代のトランスフォーメーションを先導することです。
AIの進化は、業務効率化の話にとどまりません。求められる人材の要件、育成のあり方、マネジメントの役割、組織の形そのものを変えていきます。つまりAIは、人事にとってツールの話ではなく、経営アジェンダそのものです。人材と向き合い、採用し、育て、組織を強くする。この人事の仕事の本質は、ずっと変わっていません。でも、それをどうやるか、という手段は、今まさに大きく変わろうとしています。
前職の事業会社でDXの浸透に取り組んだ経験から言うと、新しいやり方が組織に根付くまでには、トップダウンの号令、ボトムアップでの定着、そして継続利用という段階を踏む必要があります。便利だと頭では分かっていても、いざ仕事となると「これまでのやり方を変えたくない」という心理が働くのが組織のリアルです。AIも同じです。この1年で自分自身の業務での手応えはつかめたので、2年目は、AIを前提にした働き方や制度そのものをどう作り変えていくかを、組織として引っ張っていくフェーズに入ります。自ら使って見せる、業務に組み込む型を作る、じわじわと標準にしていく。この地道な積み重ねこそがトランスフォーメーションの本体だと考えています。採用も「時代の変化に合わせた採用活動」へ進化させていきます。
あわせて力を入れるのが、マネジメントと育成のブラッシュアップです。AI時代に競争力の源泉になるのは、結局「人」です。個人コーチングのように始めてみて手応えのあった取り組みを磨き込み、管理職がメンバーとしっかり向き合える仕組みと、そこに使える時間をどう作るかにこだわります。AIで生み出した時間を、人にしかできない「人と向き合う仕事」に振り向ける。変わらない本質に、変わる手段で向き合う。これがAI時代のトランスフォーメーションだと考えています。
変えないことを大事にしつつ、変えるべきことはどんどん変えていく。この姿勢は1年前の自分に約束したことでもあるので、2年目も変えずに貫いていきます。一朝一夕に変革はできませんが、まずは一歩を踏み出すことがなにより大事です。
最後になりますが、クラスメソッドでは各部門でメンバーを募集しています。わくわくなクラスメソッドへのたくさんのジョインをお待ちしております!





