[レポート] [A02]心理的安全なチームづくり ~リーダーシップとしての心理的柔軟性とは #JTF2019
はじめに
2019年12月08日に開催された July Tech Festa の『心理的安全なチームづくり ~リーダーシップとしての心理的柔軟性とは』の参加レポートになります。 なお、本レポートは当日のセッション資料とメモをもとに書いた内容となりますので、誤った理解や記載がある場合はご容赦ください(およびご連絡ください)。
スピーカー
株式会社ZENTech 取締役チーフ・サイエンティスト
一般社団法人 日本認知科学研究所 理事
石井 遼介 さん
概要
「どうせ働くのであれば、心理的に安全なチームで、楽しく、生産的に、創造的に働きたい。」
たとえ、プロジェクトが良くない状況でも、その現実を踏まえて、 率直に意見を伝え合い、困った時にはチームでお互いに助け合い、 お互いの才能や、異能を歓迎し、プロジェクトを軌道に乗せていく。 そんな「心理的に安全で、よいチーム」は、みんなが合意できそうな目標なのに、 実現することが、どうしてこれほど、難しいのでしょうか? このトークでは、時折「ヌルい職場のこと?」と勘違いされがちな 「心理的安全性」について、学術的背景を踏まえながら解説します。 なぜ、チームに心理的安全性が必要なのか? 心理的安全性とは何で、どうしたらチームにそれを作れるのか? いちエンジニア、いちチームメンバーであっても、できることがあるはずです。 アクションに繋がるヒントを持って帰ってください。
心理的安全性とは?
- 心理的な安全性がある = チームの学習がはじまる
- 心理的な安全性があがるからといって、突然生産性があがるわけじゃない
- ではなぜ、心理的な安全性があると学習がはじまるの?
- 個人の発言、エンゲージ、知識共有が増えるから!!
- 個人が学習したからといって、チームが学習するわけではない
- 例えば、個人で英語を学習するからといって、チームが学べるわけではない
- ミスから個人が学習する → チームに共有する → チームが学べる
- チームが学習することが大事!!
- そもそも、チームとは?
- 人の集団はチームじゃない
- チームであるには同じ問題、ゴールを設定する必要がある
- 現代「正解のない世界」では実践から学習する必要がある
- 過去:正解のあった世界は、実行試行、早く・安く・ミスがないことが大事
- 現在:正解のない世界は、学習試行、失敗から学ぶことが大事
日本版 心理的安全性の 4 つの因子
- 話しやすさ…何を言っても大丈夫
- 質問されたときに「聞いてくれてありがとう」と言える
- 助け合い…困った問はお互い様
- 問題が起きた時に人を責めない
- 挑戦…とりあえずやってみよう
- チャレンジすることを得なことだと思えるようにする
- 新奇歓迎…異能、どんと来い
- 新しい人が来ても「慣れてくださいね」はこの因子ではマイナス
- 自由度(裁量)が低いと心理的な安全性が減っていく
- 心理的な安全性が下がると「助け合い」も下がってしまう
- どうやって醸成するか?
- 全てのチームに適用できる方法はない
- 心理的柔軟性をあげると心理的な安全性があがる
- 個人が心理的な安全性が高いより、リーダーが心理的な安全性が高いほうがチームに影響が大きい
心理的な安全性チームをつくる
- 心理的柔軟性 = こころのしなやかさ = 正論ではなく「役に立つこと」
- 行動ではなく「心の中のこと」にフォーカスするのは役に立たないことが多い
- 「やる気をだせ」という指示はまったく意味がない
- 「自信」だって、存在しない
- 変えられる行動に集中する!!!
- 行動ではなく「心の中のこと」にフォーカスするのは役に立たないことが多い
- 目標に大義・意義を付けると挑戦しやすい
- 「お願いしてみる」がやりやすくなる
月曜日からやってみよう
- 会議の人数を減らす
- 人数が減ると発言しやすくなる
- 要らない人を「念の為」よばない
- 紙に書いてもらう
- 立場があると発言しやすい
- 承認を取っておくといい
- いちはやく「仲間」になっておく
- 仲良くする
- のび太力をあげていく
- 困りごと、適切な人に相談
- 断られてたら、ただ断られてただけ
- 「ありがとう」に理由をつける
- トラブルが起きた時
- 「それはちょーどよかった」と唱える
- お試し、だと始めやすい
- 自分の立場「だからこそ」を目指す
感想
心理的安全性について短い時間でわかりやすく、聴いていてとても面白い内容でした。話を聴くまでは「心理的安全性があると、なんとなく過ごしやすいし、きっとパフォーマンスがあがるよね」程度の理解でしたが、チームの学習がはじまるから組織が成長していくというのが最大の効果なのだと学びました。
また、役に立つことをするために「心の中」ではなく「変えられる行動」にフォーカスするというお話を聴き、不満点を述べるだけで終わってしまっている過去の自分の行動が頭をよぎり少しウッとなりました……これからは考えるだけに留めず、小さなことでも「変えられる行動」にフォーカスしていきます!!
なお、私はまだ入社して3ヶ月程度ですが、弊社は「こうした方がいいと思う」と発言すると「いいぞ」、「やれやれ!」という後押しが凄いのと、失敗しても「ナイストライ!!」と声をかける場面を多く見るので良い環境なのだなと思いました。