Kendraのエディション(Developer/Enterprise)の違いを比較してみた

2023.11.23

こんにちは、つくぼし(tsukuboshi0755)です!

最近RAG関連のシステムを設計/構築する機会があり、その中でKendraのエディションの違いについて調べていました。

そこで今回は、簡単にですがKendraのエディション(Developer/Enterprise)の違いを比較してみたいと思います!

Kendraのエディションについて

Kendraのエディションには、現状DeveloperとEnterpriseの2種類があります。

Kendraのエディションの主な違いについては、以下の公式ドキュメントに記載されています。

さらに詳細な違いについては、以下の公式ドキュメントに記載されています。

ざっくりDeveloperは検証環境、Enterpriseは本番環境での利用を想定しているようですが、結構細かい箇所でも異なる点があります。

インデックス作成後にエディションを切り替える事はできず作り直しが発生するため、インデックスを作成する際はエディションについて十分に検討する事を推奨します。

本記事では、性能面、可用性面、価格面の3点で比較してみます。

性能面

性能面での違いは、主に以下の通りです。

項目 Developer Enterprise
ドキュメントのストレージ 最大 10,000 ドキュメント 最大 100,000 ドキュメント
1 日あたりの最大クエリ件数 4,000 8,000
データソース 5 50

性能面では、検索対象のドキュメント、またはクエリ件数が多くなる場合、Enterpriseエディションが適している場面が多そうです。

また複数のDBをデータソースとして接続予定であれば、Enterpriseエディションを利用する事で、データソースの上限を気にせずに済みます。

可用性面

可用性面での違いは、主に以下の通りです。

項目 Developer Enterprise
アベイラビリティーゾーン 1 3

ここで注意しなければいけないのが、EnterpriseエディションがマルチAZで冗長性が担保されるのに対して、DeveloperエディションはシングルAZのため冗長性が担保されません

そのためKendraに対してAZ障害に対する冗長性を求める場合は、必然的にEnterpriseエディションを利用する事になります。

価格面

価格面での違いは、主に以下の通りです。

項目 Developer Enterprise
無料利用枠 最初の 30 日間で最大 750 時間 なし
基本料金 1.125 USD/時間(=810 USD/月) 1.4 USD/時間(=1,008 USD/月)
追加容量追加ドキュメントストレージバンドル なし 100,000 の追加ドキュメントごとに 0.7 USD/時間
追加容量追加クエリバンドル なし 1 日あたり 8,000 件の追加クエリごとに 0.7 USD/時間

価格面では無料利用枠があり、かつ1時間あたりの料金及び月額料金が安いDeveloperエディションが優位です。

例えば「RAGがどのように利用できるか軽く試してみたいだけなので、試した後は削除しても問題ない」という場合であれば、Developerエディションを使う事で無料利用枠の範囲内に収まる可能性があります。

最後に

今回はKendraのエディション(Developer/Enterprise)の違いを比較してみました。

個人的には、可用性を求める方はEnterpriseエディションを選ぶ必要があるというのが大きな注意点かと思いました。

今後生成AIの発展に合わせてRAG関連システムの需要が増えていく事を想定すると、Kendraの利用機会も増えていくのではないかと考えています。

Kendraを利用する際は、要件に合わせて適切なエディションを選択して頂ければと思います。

以上、つくぼし(tsukuboshi0755)でした!