[アップデート] Kiro CLI の tangent が V3 で名前付き・ネスト対応のサイド会話に進化したので使ってみた

[アップデート] Kiro CLI の tangent が V3 で名前付き・ネスト対応のサイド会話に進化したので使ってみた

Kiro CLI の V3 モードで大幅強化された tangent 機能を試してみました。複数の名前付きサイド会話をネスト構造で管理できるようになり、メイン会話を汚さずにトピック探索の自由度が大きく向上しています。
2026.08.04

いわさです。

Kiro CLI にはメインの会話を汚さずにサイドトピックを探索できる tangent 機能があります。
以前 DevelopersIO で実験的機能としての tangent mode が紹介されています。

https://dev.classmethod.jp/articles/kiro-cli-tangent-mode/

この記事では /tangent または Ctrl+T でチェックポイントを作成し、寄り道してから元に戻るというシンプルな使い方が紹介されていました。
ただし当時は「1つのチェックポイントをトグルで切り替える」方式で、複数のサイドトピックを同時に管理することはできませんでした。

先日のアップデートで、V3 モード(kiro-cli --v3)において tangent が大幅に強化されました。

https://kiro.dev/changelog/cli/2-16/

名前付きの tangent を複数作成でき、ネストも可能になり、/tangent ls でツリー構造のビジュアルピッカーから任意のセッションに切り替えられるようになっています。
今回こちらを確認してみたので紹介します。

実験的 tangent mode との違い

以前紹介された実験的 tangent mode と、今回の V3 版 tangent の主な違いを整理しておきます。

実験的 tangent mode V3 版 /tangent
有効化 /experiment で手動有効化 V3 モードで標準搭載
チェックポイント数 1つ(トグル) 複数(名前付き)
名前付け 不可 /tangent <name> で可能
ネスト 不可 tangent の中から tangent 可能
一覧表示 なし /tangent ls でツリー表示
メインに戻る /tangent でトグル /tangent で1つ上、/tangent root でメインへ
会話の持ち帰り /tangent tail で最後のエントリ なし(完全分離)

公式ドキュメントによると、V3 版 tangent はそれぞれが独立したフルセッションとして動作し、分岐時点までの会話履歴を引き継ぐがそれ以降は完全に分離されるようです。

Each tangent is a full session: it starts with your conversation's history up to the branch point, but everything after stays isolated. Nothing you do inside a tangent touches the parent conversation's context.

https://kiro.dev/docs/cli/v3/tangent/

実際に確認してみる

では早速 V3 モードで /tangent を試してみましょう。

V3 モードの起動

kiro-cli --v3 で V3 モードを起動します。
2.16.0 では起動時に What's new として tangent の追加が表示されます。

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V3 モードの tangent と、/context の per-tool token breakdown が今回の追加機能として案内されています。
今回は tangent に絞って確認します。

/tangent でサイド会話を作成

tangent は既存の会話から分岐する仕組みなので、まず何かメッセージを送って会話を開始します。
今回は「このディレクトリの構成を教えて」と聞いてみました。

エージェントが応答した後、/tangent と入力すると補完候補が表示されます。

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コマンドの補完で説明が表示されるので、サブコマンドを覚えていなくても tab で確認できます。
そのまま Enter を押すと自動的にサイド会話が作成されます。

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フッター部分に ↯ tangent-1 のチップが表示され、今サイド会話にいることがわかります。
実験的 tangent mode では ↯ > というプロンプト表示でしたが、V3 版ではステータスバー内のチップに変わっています。
戻り方や一覧表示の操作ヒントもフッターに案内されていて親切です。

メイン会話に戻る

サイド会話から戻るには /tangent を実行します。
root 直下の tangent にいる場合は /tangent root でもメインに戻れます。

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フッターの チップが消えてメイン会話に戻りました。

名前付き tangent の作成と切り替え

/tangent <name> で名前を指定してサイド会話を作れます。
ここでは /tangent hoge を実行してみます。

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フッターに ↯ hoge が表示され、名前付きのサイド会話に入ったことがわかります。
名前付きで作成しておくと、後で同じ名前を指定するだけで切り替えられます。

hoge の中で「DynamoDB のアイテムサイズ上限は?」と聞いてみました。

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サイド会話の中で自由に質問でき、この会話内容はメインの会話には影響しません。

/tangent ls でビジュアルピッカー

/tangent ls を実行すると、会話ツリー全体がピッカーで表示されます。

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root を起点に作成した tangent がぶら下がるツリー構造で、今どこにいるか([current])や最終アクティブ時刻も表示されます。
矢印キーで選択して Enter を押すとそのセッションに切り替わります。検索フィルターも付いているので、tangent が増えても探しやすそうです。

tangent のネスト

V3 版では tangent の中からさらに tangent を作成できます。
hoge1 → hoge2 → hoge3 のようにネストしてみました。

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3階層の深さまでネストした状態です。
/tangent ls のピッカーでインデントによって親子関係が表現されているので、どこにいるか把握しやすいです。

ネストしている場合、/tangent(名前なし)を実行すると1つ上の親に戻ります。

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hoge3 の中で /tangent を実行すると、root ではなく1つ上の hoge2 に戻りました。
段階的に戻りたい場合は /tangent、一気にメインに戻りたい場合は /tangent root と使い分けができます。

さらに /tangent root を実行すると、ネストが深い場所からでも一発でメインに戻れます。

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hoge2 の中にいる状態から /tangent root を実行すると、途中の hoge1 を経由せず直接 root に戻りました。

さいごに

本日は Kiro CLI 2.16.0 で V3 モードの tangent が名前付き・ネスト対応に強化されたので確認してみました。

以前の実験的 tangent mode はシンプルで手軽でしたが、1つのチェックポイントしか持てないため「あっちの調査に戻りたい」という場面には対応できませんでした。これは良いですね。操作になれる必要はあるが。

なお、実験的 tangent mode にあった /tangent tail(最後の会話エントリだけメインに持ち帰る)は V3 版には見当たりませんでした。完全分離に割り切った設計のようなので、メインに反映したい内容がある場合は別の方法考えないといけないですね。

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