【登壇レポート】ITインフラ集会『VPCに属するサービスと 属さないサービスは どう違うのだろうか?』

【登壇レポート】ITインフラ集会『VPCに属するサービスと 属さないサービスは どう違うのだろうか?』

こんにちは!Koty-Mousa 矢坂幸太郎 です!
2025年5月24日、VRChatにて開催された ITインフラ集会に登壇してきました!
(登壇資料は末尾にあります)

https://x.com/Koty_Mousa/status/1927663880857342222?t=3SNxRgOI9pRqEO9nZ1xHQg&s=19

VPC

以前、ITインフラ集会に登壇した際、「RDSとDynamoDBは、どちらもデータベース系なのにどうしてこんなに接続方法が異なるのか」というご質問をいただき、当ブログにて回答となるブログを執筆しました。

https://dev.classmethod.jp/articles/koty-mousa-why-rds-dynamodb-difference/

本ブログではあまり大きく触れていませんが、この2つの違いに、「VPCに属する (RDS) か、属さない (DynamoDB) か」という違いがあります。

ITインフラ5_24 ブログ公開用

VPCは、AWS上にお客様独自の仮想ネットワーク空間を作成できるサービスです。
LANやオンプレミスネットワークと同じように、独自のIPアドレス範囲を設定し、セキュアで分離されたネットワーク環境をクラウド上に構築することができます。

そして、VPCに属するサービスと属さないサービスの違いを、
他リソースとの接続の仕組みを VPCの仕組みを使うか、サービス自体で用意するか と考えます。
(Koty の個人的見解です)

今回はEC2・RDS・S3で比較してみましょう。

EC2はVPCを用いる代表的なサービスです。起動時には必ずVPCを指定する必要があります。

RDSも同様に、VPCを指定します。

一方で、S3ではVPCを設定する必要はありませんーーマネジメントコンソールにVPCの設定項目自体が存在しません。

では、EC2 – RDS と、EC2 – S3 の接続方法にはどのような違いがあるでしょうか?

EC2 – RDS

ITインフラ5_24 ブログ公開用 (1)
EC2とRDSはどちらもVPCに属します。
そのため、VPC内のIP通信が可能です。
RDSの接続エンドポイントのIPアドレスを求めると、10 から始まるローカルIP(=インターネットに出ない)であることがわかります。
ITインフラ5_24 ブログ公開用 (2)

EC2 – S3

ITインフラ5_24 ブログ公開用 (5)
S3はVPCに属しません。そのため、S3はVPC外に存在します。
インターネットゲートウェイ経由の場合、EC2はVPC外の(外部に公開されている)S3エンドポイントへ接続します。

S3バケットでWebサイト公開

ITインフラ5_24 ブログ公開用 (3)
S3単体で、静的Webサイトを公開できます。
S3はVPCに属しません。そのため、この構成の場合はVPCを使用しません。

VPCでは セキュリティグループやNACLでアクセス制御を行いますが、S3ではバケットポリシーや Block Public Access で制御します。
これらについては、ぜひ下記ブログもご覧ください。
S3のブロックパブリックアクセスをONにしても 設定可能なバケットポリシーは? | DevelopersIO

S3 – CloudFront

ITインフラ5_24 ブログ公開用 (4)
S3 と CloudFront は どちらも VPCに属しません。
S3側ではバケットポリシーや Block Public Access で、CloudFront側ではOrigin Access Control で制御・認証します。

まとめ

「他リソースとの接続の仕組みを VPCの仕組みを使うか、サービス自体で用意するか」でした。
各サービスごとに、様々な良い仕組みがございます。

なお、本ブログで案内している構成は、説明目的のため ベストプラクティスではない場合がございます。
実装の際には、より安全な構成をご検討ください。
必要最低限のリソースのみ許可するようにしましょう!(最小権限の原則)

また、今回は触れませんでしたが、IAMによる認可も非常に重要です。

以上、Koty-Mousa 矢坂幸太郎 がお伝えしました!

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