LINE BOT開発コンテスト(2024年)の受賞作品を紹介!
LINE DC BOT AWARDS というLINE BOT開発コンテストが去年(2024年)開催されました。LINE Developer Community(LINE API開発者のコミュニティ)が主催となっています。このコンテストでは、ユーザーに新たな価値を提供する革新的なLINE Botを募集し、価値、新規性、技術 の3つの観点から特に優れたサービスを表彰します。上位3作品はそれぞれ、最優秀賞、優秀賞、奨励賞として賞金(100万円, 60万円, 40万円)も出されます。
以下のページからアイコン画像を押すと、各LINE BOTを友達追加できます。
この記事では、どのようなBOTが表彰されたのか紹介します!
最優秀賞
看護師のぴえん相談室、ナースビー
看護師を対象としたサービスで、悩み事や不安について、ねこぴーに相談できます。
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機能
- ねこぴー(ChatGPT)と会話ができる
- 相談した内容をまとめてくれる
- メンタルヘルスチェック
- 必要性に応じてオンラインカウンセリングの紹介
- カレンダー
- メンタルの調子を可視化
ぴえんボタンを押すと、AIが悩み事などを聞いてくれます。「相談する」などの文言ではなく「ぴえん」だと心理的なハードルが低く、その点が評価されていました。
ChatGPTは対話内容を記憶してくれるので、以前話した文脈にあった返答をしてくれます。また会話データからメンタル不調の傾向、要因について調査が可能です。
優秀賞
絵本を作ろう
AIと対話しながら一日4ページずつ絵本を生成してくれます。過去に作成した絵本を読み返したり、他人の作った絵本をランダムで読むこともできます。
1日4ページずつ生成で待ち時間が長い分、子供と絵本の内容や次の展開について話しながら待つといった使い方が想定されています
設計についても紹介されており、Ruby on RailsでAPIを作り、LINE BOTのWebhookにエンドポイントとして設定されています。Chat GPTで内容候補のテキストを生成、Dall-E3を使って画像を生成してS3にアップロードし、LINEで返信を行っているようです。
トーク画面上でも画像やテキストリンク入りのFlexMessageを使っていたり、画像の生成中にローディングアニメーションが表示されるなどLINEの機能が上手く活用されています。
奨励賞
AIスケジューリングサービスMOON
LINEグループ内のメンバーで集まる際のスケジューリングを自動化してくれます。
(予定の登録でエラーが発生して利用できず、引用画像を貼っています。)
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このBOT作品は学生向けハッカソン「Tornado 2023」でも最優秀賞を受賞しています。
まずユーザーは各自で予定を登録しておきます。次に、予定を立てたいグループ内にMoonを招待します。グループのメッセージで、@Moonをメンションして「みんなで焼肉を食べたい」などを送ります。するとMoonが自動で共通の空き時間を見つけ、日時や場所を提案をしてくれます。
Youtubeの登壇動画ではアーキテクチャについても紹介していました。Terraformを使ってAWS上に環境構築し、ECSのDockerコンテナ上でNext.jsを実行し、ECRでイメージ管理しています。Route53でルーティングしており、DBにはPostgreSQLを使いORマッパーにPrismaを採用していました。
その他の応募作品
受賞には至らなかったものの、面白いbot作品をいくつか紹介します。
長浜屋台街DXプロジェクト
LINEのトーク画面上で屋台街にある店舗の一覧や、販売中の商品が確認できます。IoTとAIを活用して屋台の混雑度や、営業状況の切り替えを自動化しています。
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屋台内のAIカメラで客数を解析し、LINE上で混雑状況をアイコン表示します。利用客はリアルタイムで確認できます。また、IoT機器の電源が入ると、LINE上に「まもなく営業開始」「営業中」などの営業状況が自動表示されます。
リッチメニューには英語に切り替えるタブもあります。
ViViD MATE
AIメイドさんとLINEで会話ができるゲームです。ゲーム内アイテムのジュエリーを消費すると、メイドさんが自撮り画像を送ってくれます。
(現在はViViD MATEはサービスを縮小しているようで自撮り画像の生成が出来ませんでした。Oz-オズ-というサービスに移行しているようです。)
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LINEのトーク画面上から会話が可能なゲーム、というのはすごく新しいと思いました。自撮り画像や返信、話題作りには生成AIが利用されています。各ステータス(レベル,ジュエリー,親密度)の確認が簡単にできるようにLINEのクイックリプライ機能が表示されます。ボタンを押すと、テンプレートメッセージが使われた見やすいUIで、ステータスが表示されます。いろいろな機能が実装されており、BOTとしてかなり完成度が高いように思いました。