[アップデート] Amazon Location Service のデータプロバイダー「Open Data」が GA になったので、プレビューとの違いを確認してみた

2023.03.09

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いわさです。

3 ヶ月ほど前に Amazon Location Service で新しいデータプロバイダー Open Data Maps がプレビューで利用出来るようになっていました。

本日のアップデートでこちらが GA となりました。
What's New at AWS のアナウンスは以下です。

GA 前後での機能や料金の違いも調べてみたので紹介したいと思います。

Open Data Maps のおさらい

Amazon Location Service を利用する際には地理データを提供するデータプロバイダーを指定する必要があります。
このデータプロバイダーはいくつか選択肢があり、従来の Esri や HERE などの商用データプロバイダーを選択することが出来ていました。

Open Data Maps のプレビューリリースによって非商用データプロバイダーである Open Data が利用可能も利用可能になりました。 Open Data はオープンソースの地理空間データに基づき構築されたコミュニティ主導のマップで、無料で利用することができます。
そのため、プレビュー時点では取得したマップタイル 1,000 あたり $0.035 と商用データプロバイダーの $0.04 よりも安価でした。(東京リージョン)

ただし Open Data はマップ機能でのみ利用可能で、ジオコーディングやルート検索などの機能は持っていません。
また、プレビュー時点で対応しているマップはベクターマップの標準スタイル 1 つのみでした。

なお、ライセンスは Open Data Commons Open Database License (ODbL) が適用されます。利用規約とデータ帰属に関しては以下をよくご確認ください。

GA 前後での変更点を確認

GA 前後での変更点を比較しました。
まとめると、地図のスタイルが 3 つ増えました。あとはプレビュー時と同じです。

地図の種類が増えた(1 種類 → 4 種類)

プレビュー時は「Open Data Standard Light (Preview)」のみ利用可能でしたが、GA とあわせて以下 4 つのスタイルが選択出来るようになりました。

  • Open Data Standard Light
  • Open Data Standard Dark
  • Open Data Visualization Light
  • Open Data Visualization Dark

以下は GA から新しく利用出来るようになった Open Data Standard Dark で作成したマップです。

なお提供されるタイルタイプは、本日時点でベクタータイルのみでした。

マップ以外は使えない点はプレビュー時と同じ

マップ以外は使えない点はプレビュー時と同様です。
インデックスやルート探索を行う場合は引き続き商用データプロバイダーを選択してください。

利用料金はプレビュー時と同じ

Amazon Location Service のマップですが、取得したタイル数に基づいての従量課金となっています。

気になっていた Open Data の利用料金ですが GA 時点でプレビュー時と同じ料金でした。
商用データプロバイダーよりも 12~13 % 安いです。

東京リージョンの料金

データプロバイダー 価格
商用データプロバイダー(Esri, HERE) 1,000 タイルリクエストあたり $0.040
オープンデータプロバイダー 1,000 タイルリクエストあたり $0.035

最新の利用料金は以下をご確認ください。

Amazon Location Service Pricing – Amazon Web Services

AWS CLI 側も更新

今回の GA でマップスタイルが追加されたので、AWS CLI 側からマップを作成する際にもパラメータが追加されています。
バージョン 1.27.86 から利用可能です。

configuration.Styleで以下を指定出来るようになっています。

  • VectorOpenDataStandardLight
  • VectorOpenDataStandardDark
  • VectorOpenDataVisualizationLight
  • VectorOpenDataVisualizationDark

VectorOpenDataVisualizationLightの指定例

% aws-v1 location create-map --configuration Style=VectorOpenDataVisualizationLight --map-name hoge0309openvisuallight
{
    "CreateTime": "2023-03-08T21:03:58.336Z",
    "MapArn": "arn:aws:geo:ap-northeast-1:123456789012:map/hoge0309openvisuallight",
    "MapName": "hoge0309openvisuallight"
}

フィードバックやエラー報告

提供されるマップデータに問題があることに気がついた場合はデータプロバイダーへの報告やフィードバックが可能です。
例えば、Esri の場合だと ArcGIS Online からフィードバックを行います。

Open Data の場合は OpenStreetMap の Web サイトへの Note 機能でフィードバックが出来るようです。

以下も併せてご確認ください。

さいごに

本日は Amazon Location Service のデータプロバイダー「Open Data」が GA になったので情報を整理してみました。

実際に商用データプロバイダーとタイルデータの品質などを比較していないのでその点は考慮しないとして、利用シーンとしてはマップのみに限られますが、料金面の優位性はとても良いですね。
利用にあたってはライセンスなどにご注意ください。