LoL VALORANTがデータセンターから脱出する物語 #AWSreInvent
ゲームソリューション部の えがわ です。
Exiting the data center: A League of Legends and VALORANT story(GAM304)のセッションレポートです。
Riotについて
Riot Gamesは初日のKeynodeでも紹介があったため、覚えている方も多いのではないでしょうか。
概要
Moving hundreds of thousands of players from on-premises data centers to the cloud with minimal downtime requires a unique mix of engineering, planning, and collaboration. In this session, learn how Riot Games, AWS, and Slalom globally migrated League of Legends and VALORANT from the data center to AWS Regions and AWS Local Zones.
最小限のダウンタイムで数十万のプレーヤーをオンプレミスのデータセンターからクラウドに移行するには、エンジニアリング、計画、コラボレーションを独自に組み合わせる必要があります。 このセッションでは、Riot Games、AWS、Slalom がどのようにしてリーグ・オブ・レジェンドと VALORANT をデータセンターから AWS リージョンおよび AWS ローカルゾーンにグローバルに移行したかを学びます。
動画
セッション内容
データセンターの運用時代
データセンターの建設には膨大な時間とコストがかかり、課題がありました。
運用面でも、ハードウェアの更新やパッチ適用に手間がかかるなど非効率な点が認識されていました。
一方で新タイトルのサービスインやトラフィックの拡大に対応するスケーラビリティが求められていました。
2014年ごろからはコストや拡張性の観点から、クラウド利用の本格的検討が始まりました。
クラウドへのマイグレーション
マイグレーションの準備段階では、インフラ基盤のクラウド対応が進められました。
シャーディング構成の自動プロビジョニングツールを開発し、必要な数のシャードを自動で構築できるようにしました。
Kubernetes(EKS)ベースの新しいプラットフォームを構築。複数のクラスターを分離し、セキュリティと運用面の改善を実現しました。
ネットワークインフラもクラウドネイティブな設計(Calico)へ移行。AWSが提供するマネージドサービスを活用しました。
実際のマイグレーションでは、公開環境をクラウドに移行し、オンプレミスへロールバックするという大規模なテストを成功裏に実施。プロセスと自信を蓄積しました。
その後、2022年から本番環境の複数リージョンへの移行が順次進められました。
事前のテストと準備の成果もあり、各マイグレーションはスムーズに進みました。
過去の反省点を活かし、マイグレーション手順の改善と自動化が常に行われました。
プレイヤーへの影響は最小限に抑えられ、ダウンタイムを短縮できました。
AWSとRiot
Riot GamesにとってAWSは決して単なるインフラベンダーに留まる存在ではありませんでした。
AWSの最新テクノロジーやサービス戦略に対する理解が極めて高く、真のテクノロジーパートナーとして、対等な立場での議論を重ねてきました。
Riot Gamesだけでなく、AWSも本プロジェクトから多くの気づきと経験値を得ることができました。
AWSのプロフェッショナルサービスチームが、プログラム管理や構築作業を通じて重要な役割を果たしました。
両社による綿密な連携が、プロジェクトの速度や成果を大きく左右したと言えるでしょう。
最後に
ゲーム運営にあたり大切なこととして、エンドユーザーの影響を最小限に抑えているということです。
クラウドへの移行に関して、サービス全体の可用性向上に対するRiot Gamesの非常に高い姿勢があると感じました。