漫画から学ぶ「チーム&リーダー」~ストッパー毒島編~
こんにちは!おおはしりきたけです!
前回は、超名作スラムダンクを参考に「チーム&リーダー」と「プロジェクトファシリテーション」という記事を書かせていただきました。今回は、私の好きなマンガベスト3に入る「ストッパー毒島」について書かせていただきたいと思います。
■ストッパー毒島とは
ストッパー毒島(ぶすじま)とは、週刊ヤングマガジン(講談社)1996年第7号から1998年第51号にかけて連載されたハロルド作石さんの野球漫画です。
プロ野球入りを目指す高校生・毒島大広は、非凡な才能を持ちながらも素行不良から野球部に入れてもらえず、学外での乱闘事件をきっかけに高校も退学になった。しかし毒島を中学生の頃から見ていたというパ・リーグの弱小球団・京浜アスレチックスの木暮スカウトの働きもあり、1995年のドラフト会議でアスレチックスから8位指名を受ける。入団を渋る周囲の人間を自慢の剛速球で捻じ伏せた毒島は、チームのストッパー(抑え投手)を志願し、シーズン60セーブとチームのリーグ優勝を目指して1年目から大暴れする。
Wikipediaから抜粋(http://ja.wikipedia.org/wiki/ストッパー毒島)
■ストッパー毒島とクロージング
○ストッパーとは
野球でストッパーと言えば、リリーフ投手のことを言います。クローザーとか守護神なんて呼び方もありますね。ストッパーの役割としては試合の終盤(8回以降)から出番となり、試合を終了させるという役割を担います。ストッパーに必要な役割は、自分で抑えられる能力(奪三振力)が必要です。
○クロージング
営業活動の中で大きな流れは以下の3つだと思います。
- 立ち上げ
- 提案
- クロージング
この3つを流れた後に受注になります。立ち上げ、提案は先発ピッチャーの役割に近いと思いますが、クロージングはストッパーの役割になると思います。特に受託案件では、クロージングがバタバタしてしまうと、売り上げ目標だけではなく、開発リソースにも影響が出てくるためクロージングは非常に重要な作業になります。受託開発は人月での商売しているところが多いため、売り上げを上げるために焦ってクロージングしてしまい、開発リソースが整わずお客様に迷惑をかけてしまった。予定の月にクロージングできずに開発リソースが空いてしまった等を避けるために、タイミングが非常に大切です。
○受託開発でのクロージング
営業さんが案件をとってきて、「後はよろしく!」といったプロジェクトって多いと思うんですが、私は、エンジニア(特にプロジェクトリーダー)も営業プロセスから参画した方が良いと思っています。営業時はクローザー、プロジェクト開始時は先発として入ることにより、プロジェクトが円滑に進むでしょう。
打たれるのはかまわん でも逃げのピッチングは許せんな 闘志なき者は去れ!
このセリフは、二夜連続救援失敗した毒島に対し、コーチのチック君が言った厳しい言葉です。営業時のクロージングに必要なのは、タイミングを逃さない判断力、そして、プロジェクトを絶対に受注するんだ!という闘志です。
■どんなチームか
ストッパー毒島のの代表的な登場人物と言えばこの方々
- 毒島大広:本作品の主人公。京浜アスレチックスに所属しており、MAX163km/hの速球が武器のストッパー。性格は乱暴
- 佐世保仁:アスレチックスのキャッチャー。冷静な頭脳はだが、ガッツあふれるプレーも魅力。
- 斉木哲也:毒島と同期のサイドスローのピッチャー。抜群のコントロールとキレのあるスライダーが武器
- 火野勝:驚異的な長打力を持つスラッガー。波は荒い…
- 加瀬英二:元ミスターアスレチックスと言われたほどの選手。チーム最年長でチームリーダー的存在
- 本上博史:茶髪リーゼントのヤンキー顔だが、走・攻・守そろった1番バッター
- 三条洋二:日本最強という守備力で、三条の守備はメジャーに行けると言われるほどの名手
- チックくん:チームマスコット兼1軍投手コーチ。投手陣の信頼は厚い
○弱小チームからの脱却
毒島入団当時の京浜アスレチックスは、万年最下位のお荷物球団でした。そこにいる選手もそれなりの成績で満足しているような選手でした。チームを優勝させようと志の高い斉木のセリフ
弱いチームで満足しとる悲しい連中や そのうち消えてくで
結局アスレチックスのメンバーはシーズン中盤から2軍の勢いある若手中心に構成されるようになりました。これにより、不真面目キャラであった黒田や山本などもメンバーに触発され、真面目に野球に取り組むようになりました。プロジェクトでも高い目標を持つことでチームの雰囲気も変わることが多いと思います。少なくとも京浜アスレチックスでは、毒島を筆頭によりチームの勝利を信じることにより、チーム力自体が高くなりました。
○2年目の快進撃
このつまらない世の中を面白くしてやろう!
毒島2年目の開幕戦の三木監督のセリフです。チームメンバーの意識も上がった2年目ですが、ここにきてトップからの勢いある言葉。京浜アスレチックスは開幕戦良いスタートを切ることになります。しかし、そこは若手中心の弱小チーム。勢いだけでは勝てません。京浜アスレチックスのメンバーは練習の鬼です。ベテラン選手広岡が「シーズン中でもキャンプ並に練習している」というほど練習をしています。そんな中での毒島の一言
なんか最近8割くらいで投げるカンジを覚えたんスよ
これは手を抜いているという意味ではありません。力を抜きながら投げるという意味です。仕事も常に10割の力で全力投球していたら心も身体も持ちませんよね。8割の力で最適のパフォーマンスを出せれば一流と言えると思います。
■どんなリーダーか?
○適切な時に声をかける
アスレチックス自体は若手中心でしたが、最年長者の加瀬が入ってからチームの安定感が変わりました。
いいかみんな これだけはくり返しいわせてもらう 絶対最後まで 勝負をあきらめるのはよそう!
このセリフは、最終戦の優勝決定戦の8回裏の攻撃時にチームメンバーにかけた言葉です。このセリフに対し、三木監督は「つねに絶妙のタイミングで声をかける」毒島は「さすがチームリーダー」と言っています。言葉というのは非常に影響力があります。何を言うかだけではなく、誰が、何時、何を言うかによって全然意味合いが変わってきます。プロジェクトでも同じことが入れると思います。必ずしも「伝える=伝わる」になるとは限りません。「伝える≠伝わる」ことになっている事も多いと思います。「伝える=伝わる」にするために声をかけるタイミング非常に重要です。
■まとめ
ストッパー毒島は1巻~12巻まで出ているんですが、その中でチームが目まぐるしく変わっていくのが見えるので、コミックで読むべき作品だと思います。前回のスラムダンクもそうですが、スポーツの世界では練習の成果が試合になります。エンジニアの世界ではプロジェクトが試合になり、日々の技術調査などが練習になると思います。プロジェクトで成功するためには日々の練習が重要になります。プロジェクトで成長しながら成功もするというのは、かなり難しいと思います。スポーツ選手もエンジニアも日々の練習が大切です。クラスメソッドでは、プロジェクトで勝ちたいエンジニアを募集しております。勝つための練習を怠らないエンジニアの方ぜひ一緒に仕事をしましょう。
最後にチック君が身売り先のオーナに犬と言われた時のセリフでお別れしましょう。
キツネだこのババア
この後、チック君は頭部をハサミで刺されました。。。口のきき方って大切ですよね。