[アップデート] Application Migration Service (AWS MGN)の起動後アクションが追加されていました (2023/8)
こんにちは、AWS事業本部の荒平(@0Air)です。
見逃していたのですが、Application Migration Service (AWS MGN)にて移行後のサーバに対して実行されるアクション(Post-launch actions)が2023年8月に新規追加されていました。
今回追加されたのは、「タグの検証」「Auto Scaling グループ設定」「リファクタリングスペースの有効化」です。
リリースノートは以下です。
Post-launch actions 一覧
事前に定義されているアクションを選んでおくことで、AWS MGNにて仮想マシンをテスト起動・カットオーバーする際に、以下の動作が適用されます。
今回更新されたアクションは3アクションで、合計で15個となりました。
- タグの検証 (NEW!)
- Auto Scaling グループ設定 (NEW!)
- リファクタリングスペースの有効化 (NEW!)
- SSM Agentのインストール
- SUSE LinuxサブスクリプションをAWS提供ライセンスに置き換え
- CentOSからRockyOSへの変換
- Windows MS-SQLライセンスをAWS提供ライセンスに置き換え
- CloudWatch エージェントのインストール
- ドメインに参加
- ボリュームの整合性を確認
- 接続確認 (定義済みのホスト・ポートに対し)
- プロセスのステータスを確認
- AWS Elastic Disaster Recovery (DRS) Replication Agentのインストール
- EC2インスタンスからAMIの作成
- Windowsのアップグレード(2012 R2 / 2016 / 2019 / 2022)
- その他、カスタムしたアクション
確認してみた
追加されたアクションは、どのような表示になっていて、何の操作が必要なのか確認してみました。
1. タグの検証
[起動後テンプレート] > [Verify tags]を選択して[編集]をクリックします。
デフォルトの説明文は次のようになっていました。
Verify that tags which have been defined in the launch template and in customer's environment are copied to the migrated servers.
(訳) 起動テンプレートとお客様の環境で定義されたタグが、移行先のサーバーにコピーされていることを確認します。
設定できるパラメータは以下の通りです。
パラメータ | 内容 |
---|---|
AutomationAssumeRole | SSM Automation用のIAM Role ARN |
InstanceId | タグを検証するインスタンスのID |
TagsToVerify | 検証するタグ名、値のセット |
TagsToVerify に値を入力し、移行先サーバにタグが付与されているかどうかを確認することができます。
2. Auto Scaling グループ設定
[起動テンプレート] > [Auto-scaling group]を選択して[編集]をクリックします。
デフォルトの説明文は次のようになっていました。
Create an automatic auto scale group setting for a migrated stateless web application.
(訳) 移行されたステートレス Web アプリケーションの自動スケールグループ設定を作成します。
設定できるパラメータは以下の通りです。
パラメータ | 内容 |
---|---|
AutomationAssumeRole | SSM Automation用のIAM Role ARN |
InstanceType | Auto Scalingにて利用されるEC2のインスタンスタイプ |
InstanceId | Auto Scaling GroupのAMIが作成されるEC2インスタンスのID |
NoReboot | Trueにするとイメージ作成前に再起動を行いません |
VpcId | ロードバランサー(ALB)を作成するVPCのID |
SubnetA | 指定したVPCに紐付くサブネットIDから1つ |
SubnetB | 指定したVPCに紐付くサブネットIDから1つ |
KeyName | キーペア名の指定 (事前に作成が必要) |
InstanceProfileArn | EC2インスタンスに紐付けるインスタンスプロファイル |
DesiredCapacity | Auto Scaling Groupの希望キャパシティ |
MinInstances | Auto Scaling Groupの最小インスタンス数 |
MaxInstances | Auto Scaling Groupの最大インスタンス数 |
Port | アプリケーションに使用するポート |
HealthCheckPath | ヘルスチェックを行うパス |
CreateStackTimeoutMinutes | CloudFormationスタック作成のタイムアウト (分で指定) |
Protocol | HTTP/HTTPSを指定 |
ELBSecurityPolicy | ALBのセキュリティポリシーを選択 参考:Application Load Balancer 用の HTTPS リスナーを作成する |
CertificateArn | HTTPS利用の際の、ACM証明書のARN (事前に作成が必要) |
ほとんどAutoScaling Group作成に必要な情報を指定する形です。
サーバー起動後にMGNがAutoScaling Groupの設定まで行ってくれます。
3. リファクタリングスペースの有効化
[起動テンプレート] > [Enable Refactor Spaces]を選択して[編集]をクリックします。
デフォルトの説明文は次のようになっていました。
Create an AWS Migration Hub Refactor Spaces environment for iterative transformation of applications to microservices.
(訳) AWS Migration Hub Refactor Spaces環境を構築し、アプリケーションからマイクロサービスへの反復的な変換を行う。
設定できるパラメータは以下の通りです。
パラメータ | 内容 |
---|---|
EnvironmentName | (新規)リファクタリングスペースの環境名 |
EnvironmentId | (既存)リファクタリングスペースの環境ID |
ApplicationVpcId | アプリケーションを作成する既存のVPCID |
NetworkFabricType | TransitGatewayの選択 |
AccountIdsToShareEnvironment | 共有するアカウントID |
ApplicationName | アプリケーション名 |
ServiceName | サービス名 |
Protocol | HTTP/HTTPSを指定 |
Port | URLエンドポイントのポート番号 |
UriPath | URLエンドポイントのHTTPパス |
InstanceId | アプリケーションをホストするEC2のインスタンスID |
AutomationAssumeRole | SSM Automation用のIAM Role ARN |
AWS Migration Hub Refactor Spacesにより、簡易的な移行先環境を用意し、その中でアプリケーションのリファクタリングを行える機能です。
AWS Migration Hub Refactor Spacesの利用法については以下記事もご参照ください。
おわりに
AWS MGN Post-launch actionsのアップデートを紹介しました。
アクション数が増え、AWS MGNがどんどん使いやすくなっています。
このエントリが誰かの助けになれば幸いです。
それでは、AWS事業本部 コンサルティング部の荒平(@0Air)がお送りしました!