[アップデート] Application Migration Service (AWS MGN)の起動後アクションが追加されました

仮想マシン移行後の確認や変更のあれこれを自動化する機能が強化

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こんにちは、AWS事業本部の荒平(@0Air)です。

Application Migration Service (AWS MGN)にて移行後のサーバに対して実行されるアクション(Post-launch actions)が新規追加され、Windowsのアップグレードやドメイン参加を自動実行できるようになりました。

ニュースリリースはこちらをご確認ください。

[2023.03.28 追記]今回のアップデートでは、re:Invent 2022にて発表された機能の強化となります。
しれっとコンソール上の表示も整理されてアップデートされているので、本エントリではその紹介をいたします。

ざっくりどんな機能か

事前に定義されているアクションを選んでおくことで、AWS MGNにて仮想マシンをテスト起動・カットオーバーする際に、以下の動作が適用されます。(※デフォルト表示順、執筆時点)

  • SSM Agentのインストール
  • SUSE LinuxサブスクリプションをAWS提供ライセンスに置き換え
  • CentOSからRockyOSへの変換
  • Windows MS-SQLライセンスをAWS提供ライセンスに置き換え (新規)
  • CloudWatch エージェントのインストール (新規)
  • ドメインに参加 (新規)
  • ボリュームの整合性を確認 (新規)
  • 接続確認 (定義済みのホスト・ポートに対し) (新規)
  • プロセスのステータスを確認 (新規)
  • AWS Elastic Disaster Recovery (DRS) Replication Agentのインストール
  • EC2インスタンスからAMIの作成 (新規)
  • Windowsのアップグレード(2012 R2 / 2016 / 2019 / 2022) (新規)
  • その他、カスタムしたアクション

これまでは手動で行なっていたライセンスの置き換えや、疎通確認など色々なことができそうです!

詳細に関してはドキュメントに記載がありましたので、ご参照ください。

マネジメントコンソールでの表示

左側メニューに追加されている「起動後テンプレート」から利用できます。

使い方

初回アクセス時にこちらの画面が表示されるので、「Systems Manager エージェントをインストールし、起動したサーバーでのアクションの実行を許可する」を有効にします。

デプロイに関しては、テストインスタンス・カットオーバーインスタンスの起動時が選べますが、両方を推奨します。

「テンプレートを保存」をクリックすると、先ほどの画面が表示されるはずです。

※この設定は、アカウントごとに保持されるため他のユーザーに影響を与える可能性があります。無効にする際はご注意ください。

カスタムアクションを作ってみた

今回は、起動後にNTP同期先をAmazon Time Sync Serviceに変更するというシナリオを想定して、カスタムアクションを作成してみました。

(1) [起動後テンプレート]にて、画面右の「Create action」をクリックします。

(2) 作りたいアクションの名前を入力し、「このカスタムアクションをアクティブ化」を有効にします。
そして実行したいSystems Manager ドキュメントをプルダウンから選択します。
他の項目は、自動でドキュメントから情報を引っ張ってきてくれます。

AWS Systems Managerのドキュメントに関してはこちらの記事もご参照ください。(デフォルトだけでも数百のドキュメントがあり、できることは無限大です!)

(3) アクションパラメータを入力します。こちらも指定するSSMドキュメントによって変動します。

今回使用したNTP同期先を変更するコマンドはこちらです。(参考)

w32tm /config /manualpeerlist:169.254.169.123 /syncfromflags:manual /update

入力したら、「アクションを追加」をクリックして確認します。

(4) 無事追加されていました!

無効にする際やパラメータを変更するときは、選択して「編集」ボタンから変更できます。

今回紹介した内容ではWindowsマシン限定ですが、起動時に手動でNTPの設定変更をする必要がなくなりました。

さいごに

Application Migration Service (AWS MGN)の起動後アクションの機能を紹介しました。
手動で実行していた内容を減らせるので、作業ミスや漏れが無くなって非常によい機能だと感じました。

このエントリが誰かの助けになれば幸いです。
それでは、AWS事業本部 コンサルティング部の荒平(@0Air)がお送りしました!