この記事は公開されてから1年以上経過しています。情報が古い可能性がありますので、ご注意ください。
大栗です。
Directory ServiceのMicrosoft ADでDC（ドメインコントローラ）を追加して冗長性と性能を向上することができるようになりましたので、ご紹介します。
- Increase the Redundancy and Performance of Your AWS Directory Service for Microsoft Active Directory by Deploying Additional Domain Controllers
- How to Increase the Redundancy and Performance of Your AWS Directory Service for Microsoft AD Directory by Adding Domain Controllers
Microsoft AD(AWS Directory Service)の冗長性
今までDirectory Serviceは2個のAZに1台ずつの合計2台のDCを配置するマルチAZ構成となっていました。
しかし、1個のDCに障害が発生した時には動くのはが1台だけとなってしまい、冗長性が確保できない状態でした。Windowsを中心としたシステム群の場合はActive Directoryが認証、認可、名前解決などを司るため、絶対に止まっては行けない全ての根幹です。そのため極めて高い可用性や縮退運転時のパフォーマンスが求められることがあります。
今回のアップデートでDCを追加できるようになり、AZ障害が発生したとしてもDCを冗長化できるようになります。またアクセス先が増えるため全体のパフォーマンス向上も可能です。
試してみる
以下の様な2個のAZに3階層のサブネットがあるVPCを前提として考えます。
まずはDirectory ServiceでMicrosoft ADを起動します。Microsoft ADのディレクトリのセットアップをクリックします。
ディレクトリの詳細として、ディレクトリDNS、NetBIOS名、Adminおあすワード、説明を入力します。
VPCの詳細として、VPC、サブネットを入力します。今回は3階層の一番下（インターネットへアクセス不能）のサブネットに配置します。
作成するディレクトリの内容を確認して、Microsoft AD の作成をクリックします。
ディレクトリが作成中になります。起動が完了するまで30分程度かかります。
起動が完了します。ドメインコントローラーが2台あることが分かります。台数を増やすために変更をクリックします。
DCを4台にする
ここで台数を変更していきます。
台数を4台にして適用をクリックします。
すると全体で4台になり、追加した2台が作成中となります。
4台がアクティブになりました。
ドメインに参加したWindowsマシンからnslookupを実行すると4台のIPアドレスが返ってきます。
PS C:\Users\Administrator> nslookup ad.example.com
サーバー: win-a1b2c3d4e5f.ad.example.com
Address: 10.2.32.172
名前: ad.example.com
Addresses: 10.2.33.12
10.2.32.172
10.2.32.151
10.2.33.132以下のように4台でレプリケーションしている状態になっています。
DCを6台にする
今度は6台にしてみます。台数を4台にして適用をクリックします。
さらに2台が作成中となっています。
しばらく待つと6台がアクティブになります。
ドメインに参加したWindowsマシンからnslookupを実行すると今度は6台のIPアドレスが返ってきます。
PS C:\Users\Administrator> nslookup ad.example.com
サーバー: win-a1b2c3d4e5f.ad.example.com
Address: 10.2.32.172
名前: ad.example.com
Addresses: 10.2.33.132
10.2.33.12
10.2.32.172
10.2.32.151
10.2.32.240
10.2.33.230全体で6台の構成となります。
さいごに
Active Directoryは複数システムの共通基盤として使用されることが多いため、単一のシステムより高い冗長性や縮退稼働の性能が求められます。今までのMicrosoft ADでは対応しきれなかった冗長性や性能に対応できるようになったので、AWSの共通基盤として使用できるようになったのではないでしょうか。
3
