mixpanelの測定フレームワーク作り方のコツ!サンプルを例に解説!

mixpanelの測定フレームワーク作り方のコツ!サンプルを例に解説!

mixpanelの測定フレームワークの作り方についてやさしく解説します。
Clock Icon2023.08.10

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ミッスクパネラーの國崎です。
今回はmixpanelを効果的に使うために必要となる測定フレームワークの作り方について解説します!

測定フレームワークの作成に苦戦している方はぜひ参考にしてください。

この記事でわかること

  • 測定フレームワークを作る時の考え方
  • 業界毎の測定フレームワークサンプルを知る

測定フレームワークとは

測定フレームワークとは「mixpanelを使って目指すゴール」と「そのゴールに必要なKPI」を体系化するツールになります。
以下空白になっている項目を埋めることにより測定フレームワークは完成します。
20230809_v1

この測定フレームワークを作成してmixpanelを活用すれば「mixpanelの分析で何を追うべきか」となる指標を明確化でき、その指標に紐づく計測すべきイベントも具体化する事ができます。

測定フレームワークを作る際の考え方

測定フレームワークを作る際ですが、以下の順番で各項目を埋めていきます。

  1. Focus metric
  2. Level1 metric
  3. Level2 metric

それぞれどういった事を意識しながら考えていくか、説明します。

Focus metricを考える

Focus metricとは

Focus metricの項目を考える前に、Focus metricの定義について説明をします。
Focus metricにはあなたのビジネスにとって最も重要なことが入ります。

こういった指標を考える際、すでに決めている「KGI」「KPI」を当てはめようとする方がいますが、ここで意識しないといけないのはこの数値を改善すればプロダクトの長期的なパフォーマンスが向上するか?という考えになります。

例えばKGIに「売上」を掲げている企業は多いと思うので、KGI=売上という例で説明をさせていただくと、「Focus metricに入るのは売上などの最終的な結果として計上されるものではなく、売上の先行指標となるもの」になります。

そのためFocus metricの位置付けとしては「Focus metricで決めたものが伸びてくれば売上(KGI)も上がってくる」というものになります。
図で示すと以下のように「KGIの手前にFocus metricがあるイメージ」です。
20230809_v2

Focus metricの考え方例

Focus metricを考える時は、「Value Moment(ユーザーへの価値を生み出す瞬間)」と「Natural Frequency(ユーザーが利用する頻度)」の2つの観点から考えます。
この2つの観点を組み合わせたものがFocus metricの指標となります。
20230809_v3

考え方のコツとしてはユーザー視点でのプロダクト価値を考えることです。
通常のKGIだと売上など企業視点での目標を考えてしまいますが、Focus metricはあくまでユーザーにとってのプロダクト価値を考える視点になります。

考え方の取っ掛かりとして、それぞれ以下の視点で考えてみるのも効果的です。

  • Value Moment…プロダクトの中になるユーザーにとって価値を生み出すアクションをリストアップし、最も重要なものを選ぶ
  • Natural Frequency…ユーザーがプロダクトを普段利用する頻度を考える

今回サイト上で見つけたサンプルでオンラインストレージで有名なDropboxがありましたので、こちらを例に一連の工程を当てはめて作成してみようと思います。
Dropboxの場合だと「Value Moment」と「Natural Frequency」は以下のようになるそうです。
20230809_v4

最終的にFocus metricで活用するものを赤文字にしてます。
上記の場合のFocus metricは毎週ファイルへのアクセス→ダウンロードをしたユーザーと定義することができます。
ちなみにここのValue Momentで挙げたリストは、この後に紹介するLevel1 metricのActivation、Engagementで再度活用することができます。

Level1 metricを考える

Focus metricを決めたら、次はLevel1 metricの項目を考えます。
Level1 metricはFocus metricに直接関連するものとなり、以下5つの切り口に分けた指標で考えます。
20230809_v5

それぞれの指標について解説します。

Reach

Reachには直近の期間にプロダクトを使用した人数が入ります。
よく使われる例としては「有料アカウント数」「過去3ヶ月以内に購入したユーザー数」などが挙げられます。

B2B企業の場合は「製品をインストールしたユーザー数」「過去四半期(または3ヶ月)以内の有料ライセンス数」などが使われることが多いそうです。
Reachの定義としてはFocus metricで定めたユーザーの最大量になる指標となります。

Focus metricの例で挙げたDropboxで考えると「会員登録をしたユーザー数」などがReachに当てはまる指標だと思われます。

Activation

Activationには新規ユーザーがアクティブユーザーになるためのステップが入ります。
ここで指すアクティブユーザーの定義とは直近の期間内にプロダクトから価値を受け取るための行動をしたユーザーを指します。

Focus metricで考えたValue Momentをアクティブユーザーの行動定義とするもありです。
またActivationを考える際に意識しておきたいのはアクティブと定めた指標に対する直近の新規ユーザーの割合で見る事が推奨されています。

例で挙げたDropboxで考えると、登録1週間以内の新規ユーザーの中で初めて「ファイルへのアクセス➡︎ダウンロード」をした割合などがActivationに当てはまる指標になります。
参考までにアクティブユーザーの定義について他社事例で触れさせていただくとFacebookでは10日間で7人の友人を追加するがアクティブユーザーの定義だったそうです。

他にも「ECの場合は初回購入」「メディアの場合は5本の動画視聴」「金融の場合は2回の入金」など、業界毎に新規ユーザーからアクティブユーザーになるための指標は異なり、様々な定義があります。

Engagement

Engagementには、プロダクトへの深いコミットメントを測るための指標が入ります。
この指標を考える際は、先ほどFocus metricを決める際に挙げたValue Momentのリストから考えるのが効率的です。

Dropboxの例では「Value Moment」に以下のリストを挙げました。

  • ファイルアップロード
  • ファイルアップロード➡︎フォルダ同期
  • ファイル共有
  • ファイルの共同作業
  • ファイルへのアクセス➡︎ダウンロード

「これらの中からプロダクトへの深いコミットメントを測るための行動および回数を考え、その行動をするユーザーの割合がFocus metricで定めたユーザーの中にどれだけいるのか?」をEngagementの指標とします。
上記の例から考えると、Focus metricのユーザーの中でファイルアップロードを3回以上したユーザーの割合などがEngagementに当てはまる指標になります。

Retention

Retentionにはプロダクトに対するユーザーの維持率を見るための指標を入れます。
維持率の目安とする期間をいつにするか、ユーザーが再訪する合理的な期間を考える必要があります。

考え方の1つとして、Focus metricを決める際に「Natural Frequency」を決めましたが、この期間に合わせてRetentionの指標を決めるのもアリだと個人的には考えます。
Dropboxの例で考えると、プロダクト離脱後1週間以内のFocus metricの維持率などがRetentionに当てはまる指標になります。

ちなみに推奨としては30日または90日のリテンションの先行指標として7日間のリテンションを持つことが勧められています。

Business-specic

Business-specicにはここまで挙げた以外の指標や自社のビジネスモデル特有のものを入れます。
Value Momentのリストアップしたもので使っていない指標でもいいです。

Dropboxの例で考えると、Value Momentのリストにあった会員の中で「ファイルの共同作業」を利用している割合などがBusiness-specicに当てはまる指標となります。
ちなみに、Business-specicにはValue Momentのリストに含んでいない指標でも構いません。

ただ、Focus metricに直接関連がある、またはFocus metricにつながる指標の範囲で考える必要があります。
1つ例を挙げると、あるマッチングアプリを運営する企業では「good churn」というユーザーの解約ですが、マッチングアプリでパートナーを見つけて解約に至った満足度の高い解約をBusiness-specicに当てはめた例などもあります。

Level2 metricを考える

Level1 metricを決めたら、次にLevel2 metricを決めます。
ただLevel2 metricは、あくまでLevel1 metricを補完するための指標であるため、必ず決めないといけない指標ではないです。

Level1 metricの細分化が必要だと判断する指標に対してのみ、Level2 metricを決めるのをお勧めします。

ここではDropboxの例で決めた「Reach」と「Activation」を例にLevel2 metricの作成例をお伝えします。

ReachのLevel2 metric

Dropboxの例ではReachを会員登録をしたユーザー数に当てはめました。
この指標にLevel2 metricを追加するとなると、例えばそれぞれの獲得経路毎の分類などが考えられます。

  • 自然流入
  • 紹介
  • 他サイトからの流入
  • キャンペーン
  • その他

今回は獲得経路毎という基準で分類しましたが、他の指標でもOkです。

ActivationのLevel2 metric

Dropboxの例ではReachをActivationを登録1週間以内の新規ユーザーの中で「ファイルへのアクセス➡︎ダウンロード」をした割合に当てはめました。
この指標に対して補完できるLevel2 metricのパターンとしては以下のものがあったりします。

登録1週間以内の新規ユーザーの中で「ファイルへのアクセス➡︎ダウンロード」に至るまでの時間

行動の時間を可視化することもmixpanelでは可能です。
この時間の長短を可視化し、分析することはLevel1 metricに対して補完ができる内容だと思いますので、こちらを当てはめてみます。

完成した測定フレームワークのサンプル

今回一連の流れで作成したDropboxの測定フレームワーク例は以下のようになりました。
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こちらの測定フレームワークはあくまで私が当記事のために勝手に作ったものなので、実際のDropboxで使われていたものなどではありません。
あくまで測定フレームワーク作成のイメージとして参考にしていただけると幸いです。

今回参考にしたサイトや資料など紹介

最後に今回の測定フレームワーク作成で私が参考にしたサイトや資料を共有させていただきます。
mixpanelの測定フレームワーク作りで悩まれている方や、そもそもそんなのがあるの知らなかった!なんて方はぜひこの機会に学んでみるのもいかがでしょうか。

Focus metric, KPIs and data

A guide to product metrics

mixpanel公式ドキュメント

mixpanelのお問い合わせはクラスメソッドまで!

クラスメソッドではmixpanelの導入支援、伴走支援を手厚く行なっております。

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