New Relicの力を最大化する!目的から始める活用ガイド

New Relicの力を最大化する!目的から始める活用ガイド

New Relicをもっと効果的に活用したい方へ。チームで課題を整理し、自分たちに合った使い方を見つけるためのワークシートをご紹介します。目的を明確にすることで、New Relicの力を最大限に引き出し、サービス改善やチーム連携をより前向きに進めていくためのガイドです。
Clock Icon2025.05.29

みなさん、New Relicを活用していますか? New Relicを導入された企業様の中には、次のような悩みを抱えている方も珍しくありません。

  • 「New Relicを導入したけど、結局何に使えばいいか分からない」
  • 「なんとなくAPMを入れてるけど、活用できてる気がしない」

そんな悩みを抱えているチームやエンジニアの方もいらっしゃるのではないでしょうか?

New Relicは、アプリケーションやインフラ、ユーザー体験を可視化し、トラブルの早期発見やパフォーマンス改善を支援してくれる強力なツールです。しかし、機能が多岐にわたるため、「どこから手をつけていいか分からない」「自分たちに必要な使い方が分からない」と感じてしまうことも少なくありません。

そこで今回は、「自分たちの課題を整理し、New Relicの活用方針を見つける」ためのワークシートをご紹介します。このシートを使えば、New Relicを「導入しているだけ」から「目的を持って使う」へと一歩踏み出すことができます。

悩みを整理してみましょう

New Relicを使っていても、「本当に役立てられているか分からない」と感じる場面はありませんか?

  • サービスが遅いが、どの処理が原因か分からない
  • エラーが起きても、どこで何が起きているか特定できない
  • アラートが多すぎて、重要なものが埋もれてしまう
  • チームで見るべき指標がバラバラで、共通認識がない
  • ダッシュボードが整備されておらず、状況が把握しづらい

こうした悩みを放置したままでは、New Relicの力を十分に引き出すことができません。

まずは、自分たちの「今の状態」と「理想の状態」を整理することが第一歩です。そのような状況を整理するためにワークシートを用意しました。

このワークシートを使って埋めていくことで、モヤモヤしていたことが明確な課題としてみえてくることでしょう。

New Relic 活用整理ワークシート(テンプレート)

以下のワークシートは、チームでのミーティングや振り返り、導入後の見直しなど、さまざまな場面で活用できます。

1. 現在の状況を整理する

1-1. システム・運用の概要(簡単に)

  • 使用技術(言語・フレームワーク):
  • インフラ構成(クラウド / オンプレ / Kubernetesなど):
  • デプロイ頻度:
  • 他に使っている監視ツール(あれば):

1-2. New Relicの導入状況チェック

分かる範囲で記述してください。

機能 導入済み?(Yes/No) 補足・使い道
アプリ監視(APM) Yes / No アプリの処理速度やエラーを可視化する機能。どのAPIやDB処理が遅いかを調べられる。
インフラ監視 Yes / No サーバーやコンテナのCPU・メモリ・ディスク使用率などを監視する機能。
フロントエンド監視(Browser Monitoring) Yes / No 実際のユーザーがアクセスしたときのページ表示速度やJavaScriptエラーを計測できる。
ログ連携 Yes / No アプリやサーバーのログをNew Relic上で検索・分析できる。メトリクスとの連携も可能。
通知・アラート設定 Yes / No 異常が発生した際にSlackやメールで通知する仕組み。
ダッシュボード Yes / No 必要な情報を1画面にまとめて可視化できる。チームでの共有に便利。

2. 今抱えている課題は?

以下から該当するものに○をつけ、必要に応じて自由記述してください。

  • サービスが遅いが、原因が分からない
  • エラーが発生しても、どこで何が起きているか特定できない
  • ユーザー体験が悪化しているが、数値で把握できない
  • アラートが多すぎて、重要なものが埋もれている
  • チーム内で見るべき指標がバラバラ
  • ダッシュボードが整備されておらず、状況が把握しづらい
  • その他(自由記述):__________________

2-1. New Relicで何ができる?

よくある課題 New Relicでのアプローチ 使用する機能(解説付き)
アプリが遅い どの処理が遅いかを特定する APM(アプリパフォーマンス監視):APIやDBの処理時間を確認できます。
エラーが多い エラーの発生箇所や頻度を可視化 APM + エラーレート表示:どのエンドポイントでエラーが多いかが分かります。
フロントが重い ページ表示速度やJSエラーの把握 ブラウザ監視(Browser Monitoring):実際のユーザー視点でのパフォーマンスを測定できます。
障害対応が遅い リソースの異常をリアルタイムで検知 インフラ監視 + アラート通知:CPUやメモリの急上昇を検知し、即時通知が可能です。
状況が見えない 状況を1画面で可視化 ダッシュボード:必要な情報をまとめて表示し、チームで共有できます。
原因が追えない サービス間の処理の流れを可視化 分散トレーシング(Distributed Tracing):マイクロサービス間の処理を追跡できます。

3. 理想の状態を描いてみよう

「New Relicを使って、どんな状態を実現したいか」を自由に記述してください。ここではNew Relicで解決できる・できないに関わらず書き出すのがコツです。

例:

  • 障害発生時に、すぐに原因を特定できるようにしたい
  • サービスごとのパフォーマンスを定量的に把握したい
  • チームで同じ指標を見て、共通認識を持ちたい
  • ユーザー体験のボトルネックを特定し、改善につなげたい

4. ギャップとアクションの洗い出し

4-1. 現在と理想のギャップは?

現在と理想のギャップを認識してみましょう。

例:

  • 理想:エラーの原因をすぐに特定したい
     → 現状:APMは導入済みだが、トランザクション詳細を見ていない
     → ギャップ:APMの使い方が浅い

4-2. 次にやるべきこと(アクションプラン)

やること 担当者 期限 メモ
例)重要APIのトレース確認 山田 6/15 APMでslow transactionを見る
例)アラートの見直し 佐藤 6/20 ノイズが多い設定を整理する

4-3. 改善指標(KPI)を設定してみよう(任意)

課題 現在の数値 目標 期限
エラー率を下げたい 3.2% 1.0%以下 1ヶ月後
レスポンスタイム改善 800ms 500ms 2週間後

目的を持って使えば、New Relicはもっと役立つ

New Relicは、ただ入れておくだけでは効果を発揮しません。

「自分たちは今、何に困っていて」「何を改善したいのか」を明確にすることで、初めてその価値が見えてきます。今回のワークシートを使って、自分たちの課題と向き合い、New Relicを本当に意味のあるツールとして活用していきましょう。

このシートがみなさんのお役に立つことを願っています。

補足:New Relicの主な機能(用語解説)

New Relicには、この記事で紹介した以外にも多くの機能があります。

ただし、すべてを一度に把握するのは難しいため、まずは実際の業務で役立つ代表的な機能に絞って紹介しています。

機能名 説明
APM(Application Performance Monitoring) アプリケーションの処理速度やエラーを可視化。どのAPIやDB処理が遅いかを特定できます。
インフラ監視(Infrastructure Monitoring) サーバーやコンテナのCPU、メモリ、ディスク使用率などをリアルタイムで監視します。
ブラウザ監視(Browser Monitoring) 実際のユーザーがWebページを開いたときの表示速度やJavaScriptエラーを測定します。
分散トレーシング(Distributed Tracing) マイクロサービスなど複数のサービスが連携する場合に、処理の流れを時系列で追跡できます。
ログ連携(Logs) アプリやサーバーのログをNew Relic上で検索・分析。メトリクスと関連付けて見ることも可能。
アラート通知(Alerts & AI) しきい値を超えたときにSlackやメールで通知。インシデント対応を迅速化できます。
ダッシュボード(Dashboards) 必要な情報を1画面にまとめて表示。チームでの状況共有に最適です。

その他にも、モバイルアプリ監視、合成モニタリング、Kubernetesやサーバーレス環境の可視化、セキュリティリスクの検出など、New Relicには多彩な機能があります。

まずは「自分たちの課題に直結する部分」から活用を始めるのが成功のコツです。

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