
非営利組織のためのAI活用ラボ - 第2回:文書づくりだけじゃない。非営利組織で広げる生成AIの活用法
はじめに:生成AIとは「言葉のパートナー」
「ChatGPT」「Claude」「Gemini」など、最近話題の生成AI(Generative AI)。
難しそうに聞こえますが、要するに「自然な言葉で文章を作ってくれるAI」です。
メールの下書き、報告書の構成、SNS投稿のアイデアなど、
私たちの業務の中にある「言葉の負担」を軽くしてくれる道具として、誰でも無料から使い始めることができます。
文案づくりからプロジェクト支援まで – 生成AIの実用例
1. メール・報告書・SNS投稿文の草案づくり
- 「助成金報告書の冒頭にふさわしい挨拶文が思いつかない」
- 「イベント紹介のSNS投稿、どう書けば伝わるか悩む」
こうした悩みに対して、ChatGPTやClaudeはとても頼りになります。
箇条書きで伝えたいことを入力するだけで、自然な文体に整えてくれます。
💡 ポイント:AIに「対象者」「目的」「雰囲気」も一緒に伝えると、より意図に合った文案が出てきます。
2. 会議メモや議事録を自動化(Gemini × Google Meet)
普段、「口頭で済ませがち」な会議も多いのではないでしょうか?
その結果、内容が記録に残らず、「言った/聞いてない」が起きがちです。
私が実際に使っているのは、Google Meetの録音からGeminiを使って文字起こし・要約を自動化する方法です。
- 会議終了後、Geminiに録音内容を渡すだけで、要点を抜き出したサマリーが数分で完成
- 会議参加できなかったメンバーにも共有しやすく、チームの認識ズレが減りました
3. NotebookLMを活用した“プロジェクトの記憶係”
生成された議事録や関連資料をまとめておけるのが、GoogleのNotebookLMです。
私はこのNotebookLMを使って、プロジェクトに関する資料を集約しています。
すると、メンバーが「次回の提出期限は?」「誰が担当だった?」といった質問を、
NotebookLMに自然言語で聞くだけで、すぐに回答が得られるようになります。
📌 実感として:
「属人化しやすい業務の中で、“誰でも知っている状態”をつくるのにAIが役立つ」と強く感じています。
AIは“原案係”、最終チェックは人間の仕事
生成AIは優秀ですが、もちろん万能ではありません。
とくに助成金申請書や公式な広報文書など、正確性やニュアンスが重要な場面では、必ず人の目で確認しましょう。
とはいえ、ゼロから自分だけで文章を組み立てるのと比べると、作業の負担は大幅に軽減されます。
生成AIは「頼れる原案係」として、あなたの仕事を助けてくれる存在です。
よくある不安とその対処法
不安 | 実際はこう考えると◎ |
---|---|
セキュリティが心配 | 公開前提の文書やアイデア出しから始めれば安全。機密情報は使わないことが原則。 |
操作が難しそう | メールを書く感覚でOK。GeminiやChatGPTは対話形式なので直感的に使える。 |
費用がかかる? | 無料プランでも十分に活用可能。まずは無理なく試せる範囲からスタート。 |
まとめ:AIは“疲れない相棒”。小さな一歩から始めよう
非営利組織にとって、限られたリソースの中で成果を出すのは簡単ではありません。
そんな中で、 生成AIは「働きすぎないための味方」 として機能します。
- 文書作成のたたき台を任せる
- 会議の記録を自動でまとめる
- プロジェクト情報を誰でも引き出せるようにする
こうした取り組みは、小さくても大きな意味があります。
まずは、一つの文章、一つの質問から始めてみてください。
次回予告:AIにうまく話しかけるには?プロンプトの工夫
次回は、ChatGPTやClaudeなどの 対話型AIを使うときの“質問のコツ” についてお話します。
「思った通りの答えが返ってこない…」という悩みを解決するヒントをお届けします。