Amazon UX ヘッドからNorth Starビジョンの話を聞いてきた

本日、Amazon UXヘッドによるウェブセミナーがありました。AmazonといえばクラスメソッドとはAWSでのご縁があると思い参加しました。奇しくも今日は創立記念日!聴講ホヤホヤの講演会のまとめをシェアしたいと思います。
2022.07.07

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本日のセミナーテーマ

今回のテーマは 「チーム連携とプロダクト成功を実現する North Star ビジョン」
今回のセミナー講師は、現在AmazonのUXヘッドをされている ナタリア・フラミル Natalia Framil さん。これまでもIBM、Googleなど名だたる企業で15年以上UXリーダーシップを発揮してきた方です。
セミナーはフラミルさんが、組織全員を戦略的に連携しプロダクトの成功を実現できる「North Starビジョン」について語ってくださいました。(公式の同時通訳と手元のメモから今日聞いたNorth Star ビジョンの話をまとめており、後日訂正箇所が出る可能性もあります。ご了承ください。)

そもそもNorth Star ビジョンとは

North Starといえば北極星です。北半球のどこから見ても、常に真北を指し示す位置にいます。
北極星が方位を指し示すのに役立つように、どの立場から見てもプロダクトの真の目的を理解することができる言葉がNorth Starです。そのNorth Starを実現するような象徴的な体験を盛り込んだストーリーがNorth Star ビジョンになります。
North Star ビジョンはNorth Starへユーザーが至るまでの象徴的な瞬間をストーリーとして伝えるので、感情に響かせることができ、プロダクトの本当の目的を理解することができます。

north star vision

実用的な面でいうと大きなビジョンではありますが、North Star ビジョンがあることで機能の整合性や優先順位付けも容易になりMVPにフォーカスしやすいそうです。また、ユーザーの価値とビジネスの価値が合致しているかを見るためにも有効です。

例えばAsanaのプロダクトデザインのNorth Starは「We design the future of teamwork」です。
それをさらにビジュアライズ化、ストーリー化したものがNorth Star ビジョン(映像)になります。

North Star ビジョンの描き方

セミナーで紹介された設定方法はUXの手法と似ているなと感じました。
ユーザーと共感し、ユーザーのペインポイントを解決した体験を探索してより象徴的な瞬間を掴み、ビジョンのストーリーを作ります。数値を並べて現実的に見せるというより、あくまでNorth Starへ至る過程にフォーカスし、ストーリーとして見せることが大切だそうです。
North Starはずっと同じものを掲げ続ける必要はありません。都度見直し、その時の状況にフィットするものに作り替えていく必要があります。もちろんその度にNorth Star ビジョンも変更が必要です。

似たような名称のNorth Star Metric

似たような名称にNorth Star Metric という指標もあります。
North Star Metricは中長期的な目標で、KGI(Key Goal Indicator 重要目標達成指標)とKPI(Key Performance Indicator 重要業績評価指標)の間に設定します。部門やプロジェクトごとのKPIが改善されて目標値を達成できれば、結果North Star Metricが改善し、KGI(売り上げや収益の指標)に反映されると言う関係です。
North Star Metricは 「プロダクトの体験価値」 が指標の1要素となる点はNorth Starと同じです。そこに先行指標(ユーザーがプロダクトから価値を享受できていることを示す指標)要素が加わることでNorth Star Metricとなります。ここではアクティブユーザーやPV数などと言ったユーザーの行動結果を例とした遅行指標は入りません。

North Star Metric
North Star Metricについて詳しく知りたい方はこちらこちらをご参照ください。

セミナーの中ではNorth Star Metricは取り上げられませんでしたが、North Starと両方設定するとより体験価値を高められるので良いとのことでした。

余談 Popinsightのセミナー、おすすめです

セミナーといえば平日の夜に開催されることが多いかと思いますがPopinsightのセミナーは平日の勤務時間帯に開催されることが多いです。さらにウェブセミナーがメインです。今回も平日のお昼時に開催されました。
私は家庭の事情で夜のセミナー聴講が難しい上、首都圏在住でも無いため、Popinsightさんのセミナーの運営形態に助けられている一人です。今回はライブセミナーのみですが、セミナーによっては、後日Youtubeにてアーカイブ配信されるセミナーもありますので、UXリサーチや海外事例に興味のある方はチェックしてみてください。