Amazon Inspector v2 検出結果を AWS Chatbot で通知させてみる

Amazon Inspector v2 検出結果を AWS Chatbot で通知させてみる

新たにECRスキャンも可能になった Amazon Inspector v2 の通知設定を試してみます。セキュリティイベントを AWS Chatbot から Slack チャンネルへ通知します。試してみた結果、現状(2021/12/20) はSecurity Hub 経由で通知させたほうが良さそうです。
Clock Icon2021.12.20

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このブログは 2021/12/20 時点の Amazon Inspector v2 および AWS Chatbot を試しています

はじめに

re:Invent 2021 にて Amazon Inspector v2 がリリースされました。 ECRスキャンが可能になったり、Organizations 連携が可能になったり、 とても便利になりました。

このブログでは Inspector v2 による 「EC2スキャンもしくは ECRスキャンの検出結果」 を AWS Chatbot 経由で Slack通知させてみます。

今回は 2種類の通知方法を試してみます。「Inspector からの通知(図1)」と「Security Hub からの通知(図2)」です。 Inspector v2 はデフォルトで Security Hub と統合可能です。

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(図1) Inspector からの通知

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(図2) Security Hub からの通知

作ってみる

Inspector からの通知

前提として Inspector の設定は済んでいるものとします。 作る部分は通知部分(EventBridgeルール, SNSトピック, Chatbot)です。

▼ EventBridgeルール, SNSトピック 部分

まず EventBridgeルール, SNSトピック 部分を設定します。これは CloudFormationを使いました。

展開後の EventBridgeルールのイベントパターンは以下のとおり。

{
  "source": ["aws.inspector2"],
  "detail-type": ["Inspector2 Finding"],
  "detail": {
    "status": ["ACTIVE"],
    "severity": ["MEDIUM", "HIGH", "CRITICAL"]
  }
}

detail.status を "ACTIVE" に絞っているのは Suppression rules で抑制済み("SUPPRESSED") にした検出結果を除くためです。 また、 detail.severity で 検出結果の重要度を "MEDIUM" 以上 に絞っています。

▼ Chatbot 部分

最後に SNSトピックを Chatbot で作成していたチャンネルに関連付けます。 ※細かい設定部分は割愛します。(以下記事など参照ください)

Security Hub からの通知

前提として Security Hub と Inspector との統合設定は完了しているとします。 (この統合設定は、Inspector を有効にすると自動で有効化されます)

▼ EventBridgeルール, SNSトピック 部分

先程同様に CloudFormationを使って展開します。

展開後の EventBridgeルールのイベントパターンは以下のとおり。

{
  "source": ["aws.securityhub"],
  "detail-type": ["Security Hub Findings - Imported"],
  "detail": {
    "findings": {
      "ProductName": ["Inspector"],
      "RecordState": ["ACTIVE"],
      "Severity": {
        "Label": ["MEDIUM", "HIGH", "CRITICAL"]
      }
    }
  }
}

detail.findings.RecordState で "ACTIVE" な 検出結果※ に絞っています。 ※例えば Inspector側の Suppression rules で抑制済みになった検出結果は Security Hub 上では "ARCHIVED" ステータスで管理されます。

また、 detail.findings.Severity で 検出結果の重要度を "MEDIUM" 以上 に絞っています。

▼ Chatbot 部分

最後に SNSトピックを Chatbot で作成していたチャンネルに関連付けます。 先程と同じです。

確認してみる

EC2, ECRのスキャンを「Inspector からの通知」、「Secuity Hub からの通知」 で試してみます。

Inspector からの通知

2021/12/20 時点 では Chatbotは Inspector v2 の出力は 「いい感じ」にはなっていませんでした。

▼ EC2インスタンスのスキャン結果

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▼ ECRイメージのスキャン結果

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Security Hub からの通知

重要度毎にラベル付けされています。 CVE や関連するパッケージ、脆弱性に関する説明の書かれています。

▼ EC2インスタンスのスキャン結果

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▼ ECRイメージのスキャン結果

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最後に

現状の AWS Chatbot への通知は Security Hub 経由のほうが 「いい感じ」でした。

また 以下のブログにあるとおり、 Security Hub は検出結果のリージョン集約に対応しています。 Inspectorを複数リージョンで活用する場合も Security Hub 経由であれば結果のリージョン集約が可能です。

現状は Security Hub 経由で Chatbot通知させるほうが、 見た目的にも、また集中管理の側面でも良いと感じました。

参考

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