【アップデート】AWS Security Hub が検出結果のリージョン集約に対応しました

【アップデート】AWS Security Hub が検出結果のリージョン集約に対応しました

AWS Security Hubの検出結果を楽ちんリージョン集約
Clock Icon2021.10.21

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はじめに

AWS Security Hub が 検出結果のリージョン集約 に対応しました。 これで通知設定がとても楽ちんに設定できます。

AWS Security Hub now allows you to designate an aggregation Region and link some or all Regions to that aggregation Region. This gives you a centralized view of all your findings across all of your accounts and all of your linked Regions.

(訳) AWS Security Hubでは 集約リージョンを指定して、 一部またはすべてのリージョンをその集約リージョンにリンクできるようになりました。 これにより、すべてのアカウントとリンクされたすべてのリージョンの すべての調査結果を一元的に見ることができます。

何が嬉しいのか

▼ これが (アプデ前)

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▼ こうなります (アプデ後)

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もう少し詳しく

AWS Security Hub はセキュリティイベントを集約するためのサービスです。 主要機能の 1つとして『セキュリティ基準』があります。 AWS環境のセキュリティチェックを行うことが出来ます。

セキュリティ基準の 1つに AWS 基礎セキュリティのベストプラクティス v1.0.0 があります。 この基準はアップデートでどんどんチェックできる項目が増えて、 今では AWS環境の包括的なチェックができるようになっています。 そのため多くのケースにおいて、Security Hub を(できれば全リージョンで) 有効化して このセキュリティ基準を活用していくことが推奨されています。

さて、セキュリティチェック環境自体は簡単に構築できますが、 通知設定 は少々面倒でした。 Security Hub はリージョン単位のサービスなので通知設定もリージョン単位で行う必要があります。 具体的にいうと以下のような設定を各リージョン(Security Hubを有効化しているリージョン)に展開する必要がありました。

  • EventBridgeルール … Security Hub 検出結果のフィルタ設定、ターゲット設定
  • ターゲット設定 … SNSトピックなど

これがアプデ前です。 (追記: もしくは EventBridgeのリージョン間イベント連携を活用して頑張って集約させる)

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今回のアップデートでできるようになったことは以下です。

  • 集約リージョン を 1つ指定する
  • リンクされたリージョン を複数選択する
    • ※ 全てのリージョン(+ 将来追加されるリージョン) も選択可能
  • 「リンクされたリージョン」の検出結果を 「集約リージョン」で表示・管理可能

これがアプデ後です。明らかに通知設定が楽になりましたね。

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マルチアカウント環境で Security Hub を利用している場合も同様の恩恵があります。 もともとは 『メンバーアカウントの検出結果を、 管理アカウントの各リージョン上で管理 』でしたが、 今回のアップデートで 『全てのメンバーアカウント・全てのリンクされたリージョンの検出結果を、 管理アカウントの集約リージョン上で管理 』となりました。

1点注意として、今日(2021/10/21)現在 セキュリティ基準の画面のスコアなどは、まだクロスリージョン未対応です。

セキュリティスコア、コントロール、および標準のページはクロスリージョン未対応です。 これらはクロスリージョン対応となる予定です。

https://ap-northeast-1.console.aws.amazon.com/securityhub/home?region=ap-northeast-1#/whats-new

やってみる

集約設定

集約したいリージョン(今回は東京) の Secrity Hub のページに [リージョン] タブがあります。 [検出結果の集約を設定] を選択しましょう。

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以下のような設定画面がでます。『集約リージョンの 有り/無し』設定と『リンクされたリージョン』設定 を行います。 リンクされたリージョンは 全てのリージョン、および将来のリージョン としました。

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[保存] を選択します。以下のような設定値になればOKです。

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確認(マネコン)

検出結果一覧を見てみます。 他のリージョンからの結果が集約されていることが早速分かりました。

img

セキュリティ基準のページ自体は 今日(2021/10/21) 現在は集約表示には対応していませんが、 右上に ap-northeast-1 の結果のみ表示している旨が分かる表記がありました。

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確認(通知設定)

集約リージョン(東京) にて EventBridgeルール/SNSトピック を作成して 検出結果をメール通知するようにしています。

シンガポールリージョン(ap-southeast-1) で SSHフルオープンなセキュリティグループを作ってみると、 数分後に以下のような JSON が飛んできました。

{
  "version": "0",
  "id": "81d313ec-7a79-7a2d-64df-4826d5373fee",
  "detail-type": "Security Hub Findings - Imported",
  "source": "aws.securityhub",
  "account": "123456789012",
  "time": "2021-10-20T22:58:53Z",
  "region": "ap-northeast-1",
  "resources": [
    "arn:aws:securityhub:ap-southeast-1::product/aws/securityhub/arn:aws:securityhub:ap-southeast-1:123456789012:subscription/aws-foundational-security-best-practices/v/1.0.0/EC2.19/finding/5ece71f8-da6c-4ed7-9e31-6f9c01e2bf9c"
  ],
  "detail": {
    "findings": [
      {
        "ProductArn": "arn:aws:securityhub:ap-southeast-1::product/aws/securityhub",
        "Types": [
          "Software and Configuration Checks/Industry and Regulatory Standards/AWS-Foundational-Security-Best-Practices"
        ],
        "Description": "This control checks whether unrestricted incoming traffic for the security groups is accessible to the specified ports [3389, 20, 23, 110, 143, 3306, 8080, 1433, 9200, 9300, 25, 445, 135, 21, 1434, 4333, 5432, 5500, 5601, 22 ] that have the highest risk. This control passes when none of the rules in a security group allow ingress traffic from 0.0.0.0/0 for the listed ports.",
        "Compliance": {
          "Status": "FAILED"
        },
        "ProductName": "Security Hub",
        "FirstObservedAt": "2021-10-20T22:58:39.569Z",
        "CreatedAt": "2021-10-20T22:58:39.569Z",
        "LastObservedAt": "2021-10-20T22:58:46.987Z",
        "CompanyName": "AWS",
        "FindingProviderFields": {
          "Types": [
            "Software and Configuration Checks/Industry and Regulatory Standards/AWS-Foundational-Security-Best-Practices"
          ],
          "Severity": {
            "Normalized": 70,
            "Label": "HIGH",
            "Product": 70,
            "Original": "HIGH"
          }
        },
        "ProductFields": {
          "StandardsArn": "arn:aws:securityhub:::standards/aws-foundational-security-best-practices/v/1.0.0",
          "StandardsSubscriptionArn": "arn:aws:securityhub:ap-southeast-1:123456789012:subscription/aws-foundational-security-best-practices/v/1.0.0",
          "ControlId": "EC2.19",
          "RecommendationUrl": "https://docs.aws.amazon.com/console/securityhub/EC2.19/remediation",
          "RelatedAWSResources:0/name": "securityhub-vpc-sg-restricted-common-ports-18560cc4",
          "RelatedAWSResources:0/type": "AWS::Config::ConfigRule",
          "StandardsControlArn": "arn:aws:securityhub:ap-southeast-1:123456789012:control/aws-foundational-security-best-practices/v/1.0.0/EC2.19",
          "aws/securityhub/ProductName": "Security Hub",
          "aws/securityhub/CompanyName": "AWS",
          "aws/securityhub/annotation": "Security group allows a port that is blocked.",
          "Resources:0/Id": "arn:aws:ec2:ap-southeast-1:123456789012:security-group/sg-example",
          "aws/securityhub/FindingId": "arn:aws:securityhub:ap-southeast-1::product/aws/securityhub/arn:aws:securityhub:ap-southeast-1:123456789012:subscription/aws-foundational-security-best-practices/v/1.0.0/EC2.19/finding/5ece71f8-da6c-4ed7-9e31-6f9c01e2bf9c"
        },
        "Remediation": {
          "Recommendation": {
            "Text": "For directions on how to fix this issue, consult the AWS Security Hub Foundational Security Best Practices documentation.",
            "Url": "https://docs.aws.amazon.com/console/securityhub/EC2.19/remediation"
          }
        },
        "SchemaVersion": "2018-10-08",
        "GeneratorId": "aws-foundational-security-best-practices/v/1.0.0/EC2.19",
        "RecordState": "ACTIVE",
        "Title": "EC2.19 Security groups should not allow unrestricted access to ports with high risk",
        "Workflow": {
          "Status": "NEW"
        },
        "Severity": {
          "Normalized": 70,
          "Label": "HIGH",
          "Product": 70,
          "Original": "HIGH"
        },
        "UpdatedAt": "2021-10-20T22:58:39.569Z",
        "WorkflowState": "NEW",
        "AwsAccountId": "123456789012",
        "Region": "ap-southeast-1",
        "Id": "arn:aws:securityhub:ap-southeast-1:123456789012:subscription/aws-foundational-security-best-practices/v/1.0.0/EC2.19/finding/5ece71f8-da6c-4ed7-9e31-6f9c01e2bf9c",
        "Resources": [
          {
            "Partition": "aws",
            "Type": "AwsEc2SecurityGroup",
            "Details": {
              "AwsEc2SecurityGroup": {
                "GroupName": "ssh-open",
                "OwnerId": "123456789012",
                "VpcId": "vpc-example",
                "IpPermissions": [
                  {
                    "FromPort": 22,
                    "ToPort": 22,
                    "IpProtocol": "tcp",
                    "IpRanges": [
                      {
                        "CidrIp": "0.0.0.0/0"
                      }
                    ]
                  }
                ],
                "IpPermissionsEgress": [
                  {
                    "IpProtocol": "-1",
                    "IpRanges": [
                      {
                        "CidrIp": "0.0.0.0/0"
                      }
                    ]
                  }
                ],
                "GroupId": "sg-example"
              }
            },
            "Region": "ap-southeast-1",
            "Id": "arn:aws:ec2:ap-southeast-1:123456789012:security-group/sg-example"
          }
        ]
      }
    ]
  }
}

※1: 注意点としてリージョンを取得する際は .region ではなくて .detail.findings[0].Region を参照するようにしましょう。(検出結果は集約リージョンへレプリケートされる仕様)

※2: 具体的な Security Hub の通知設定/フィルタリングは以下ブログ参照ください

今すぐ設定して管理を楽ちんに

Security Hub の嬉しいアップデート紹介でした。 これで検出結果管理や通知設定が楽ちんになりますね。

参考

AWS Security Hub adds support for cross-Region aggregation of findings to simplify how you evaluate and improve your AWS security posture

Security Hub 周りの役立ち情報

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