AWSのマネジメントコンソールからLambdaを組んで、AWSの利用料を毎日Slackに通知してみた
はじめに
こんにちは!おのやんです
みなさん、AWSの月額の請求額を知りたくないですか?私はめちゃくちゃ知りたいです。
DevelopersIOには、「AWSサービス毎の請求額を毎日Slackに通知してみた」というブログがあります。こちらは先輩が執筆してくださいました。
こちらのブログでは、AWS サーバーレスアプリケーションモデル(SAM)を用いてLambdaなどを構築していました。
私はこちらの記事を参考にして、AWS マネジメントコンソールからブラウザぽちぽちしてLambdaを構築しました。
ということで、今回は元の記事とは別のアプローチをとって、AWSの利用料を毎日Slackに通知してみます
前提
SlackチャンネルへのIncoming Webhookアプリ追加方法は、元記事と同じです。そのため、Webhook URLは取得できているものとします。
今回は、SAMで構築されていた部分をマネコン上で組んでみるという内容で進めていきます。
IAMロール作成
元の記事によると、Cost Explorer用のIAMロールがなかったので作成する必要があります。ということで、まずはIAMロールを作成しましょう。
IAMの画面から、「ロールを作成」を選択します。
今回はIAMロールをLambdaにアタッチしたいので、Lambdaを選択します。
現時点では、まだポリシーが作成されていません。なので、「ポリシーを作成」からポリシー作成画面へと進みましょう。
検索ボックスで「Logs」などと検索すると、CloudWatch Logsがサジェストされると思います。ここで、CloudWatch Logsをクリックします。
すると、CloudWatch LogsのAPI一覧が検索できるようになります。ここで、CreateLogGroup
、CreateLogStream
、PutLogEvents
を選択します。
選択した状態だと、下の方にリソースARNを指定する項目があります。こちらの「このアカウント内のいずれか」にチェックを入れます。
これが完了したら、「許可をさらに追加」を押して,,,
Cost Explorerを検索・選択して...
Cost Explorerのポリシーも追加しておきましょう。
なお、ここではARNのチェックボックスを選択する必要はありません。
ポリシー名は、元の記事を同じくNotifySlackToBillingLambdaPolicy
にしました。こちらからポリシーを作成しましょう。
ちゃんと作成できていますね!
こちらを、今度はIAMロールに付与していきます。
先ほどの許可ポリシー選択画面にて、NotifySlackToBillingLambdaPolicy
を検索してチェックし、「次へ」を押します。
ロール名は、元記事と同じくBillingIamRole
にしておきます。名前を入力したら次に進みます。
無事にIAMロールが作成できました。こちらのIAMロールを、これから作成するLambdaにアタッチしていきます。
Lambda作成
続いで、LambdaでSlackに通知を送信する関数を作成していきます。
今回は、元記事のコードを少しだけ変更したこちらのコードを使っていきます。
import os import boto3 import json import requests from datetime import datetime, timedelta, date SLACK_WEBHOOK_URL = os.environ['SLACK_WEBHOOK_URL'] def lambda_handler(event, context) -> None: client = boto3.client('ce', region_name='us-east-1') # 合計とサービス毎の請求額を取得する total_billing = get_total_billing(client) service_billings = get_service_billings(client) # Slack用のメッセージを作成して投げる (title, detail) = get_message(total_billing, service_billings) post_slack(title, detail) def get_total_billing(client) -> dict: (start_date, end_date) = get_total_cost_date_range() # https://boto3.amazonaws.com/v1/documentation/api/latest/reference/services/ce.html#CostExplorer.Client.get_cost_and_usage response = client.get_cost_and_usage( TimePeriod={ 'Start': start_date, 'End': end_date }, Granularity='MONTHLY', Metrics=[ 'AmortizedCost' ] ) return { 'start': response['ResultsByTime'][0]['TimePeriod']['Start'], 'end': response['ResultsByTime'][0]['TimePeriod']['End'], 'billing': response['ResultsByTime'][0]['Total']['AmortizedCost']['Amount'], } def get_service_billings(client) -> list: (start_date, end_date) = get_total_cost_date_range() # https://boto3.amazonaws.com/v1/documentation/api/latest/reference/services/ce.html#CostExplorer.Client.get_cost_and_usage response = client.get_cost_and_usage( TimePeriod={ 'Start': start_date, 'End': end_date }, Granularity='MONTHLY', Metrics=[ 'AmortizedCost' ], GroupBy=[ { 'Type': 'DIMENSION', 'Key': 'SERVICE' } ] ) billings = [] for item in response['ResultsByTime'][0]['Groups']: billings.append({ 'service_name': item['Keys'][0], 'billing': item['Metrics']['AmortizedCost']['Amount'] }) return billings def get_message(total_billing: dict, service_billings: list) -> (str, str): start = datetime.strptime(total_billing['start'], '%Y-%m-%d').strftime('%m/%d') # Endの日付は結果に含まないため、表示上は前日にしておく end_today = datetime.strptime(total_billing['end'], '%Y-%m-%d') end_yesterday = (end_today - timedelta(days=1)).strftime('%m/%d') total = round(float(total_billing['billing']), 2) title = f'{start}~{end_yesterday}の請求額は、{total:.2f} USDです。<= この金額大丈夫か??絶対確認するんだぞ。' details = [] for item in service_billings: service_name = item['service_name'] billing = round(float(item['billing']), 2) if billing == 0.0: # 請求無し(0.0 USD)の場合は、内訳を表示しない continue details.append(f' ・{service_name}: {billing:.2f} USD') return title, '\n'.join(details) def post_slack(title: str, detail: str) -> None: # https://api.slack.com/incoming-webhooks # https://api.slack.com/docs/message-formatting # https://api.slack.com/docs/messages/builder payload = { 'attachments': [ { 'color': '#36a64f', 'pretext': title, 'text': detail } ] } # http://requests-docs-ja.readthedocs.io/en/latest/user/quickstart/ try: response = requests.post(SLACK_WEBHOOK_URL, data=json.dumps(payload)) except requests.exceptions.RequestException as e: print(e) else: print(response.status_code) def get_total_cost_date_range() -> (str, str): start_date = get_begin_of_month() end_date = get_today() # get_cost_and_usage()のstartとendに同じ日付は指定不可のため、 # 「今日が1日」なら、「先月1日から今月1日(今日)」までの範囲にする if start_date == end_date: end_of_month = datetime.strptime(start_date, '%Y-%m-%d') + timedelta(days=-1) begin_of_month = end_of_month.replace(day=1) return begin_of_month.date().isoformat(), end_date return start_date, end_date def get_begin_of_month() -> str: return date.today().replace(day=1).isoformat() def get_prev_day(prev: int) -> str: return (date.today() - timedelta(days=prev)).isoformat() def get_today() -> str: return date.today().isoformat()
Lambdaの画面にて、新規にLambdaを作成します。
今回はnotify-aws-billing
という関数を作成します(記事の作成上、一時的に"n0tify"と記述しています)。今回はPython3.7をランタイムとして指定します。
これで新規のLambda関数を作成できます。
関数の詳細画面に「設定」タブがありますので、ここの環境変数にて、Webhook URLを設定します。
ここでは、キー名にSLACK_WEBHOOK_URL
、バリューにはWebhook URLを設定します。
これが完了したら、コードから環境変数を設定できます。
次に、暗数に付与するIAMロールを設定します。「設定」タブから「アクセス権限」を開き、編集画面に移ります。
ここで、編集画面下部の「既存のロール」の項目にさきほど作成したAWSBillingRole
を設定します。
ということで、Lambda関数に以下のようにコードをコピペしましょう。コピペが完了したら、Deployボタンを押してコードをLambdaに反映します。
最後に、毎日関数を実行するトリガーを追加します。「トリガーを追加」を選択します。
ここでは「EventBridge」を選択します。
ここでは、新規にルールを作成します。名前はNotifyAWSBillingRule
、ルールタイプはSchedule expression
にします。
具体的な実行時間ですが、今回は平日の9時と18時に通知を飛ばしたいため、cron(0 9,18 ? * MON-FRI *)
と設定します。
これでAWS側の設定は完了です。
Slackアプリ側の設定もしておきましょう。Slackアプリの設定画面に移動します。こちらをスクロールしていくと、下の方にアプリのアイコンとアプリの名前を設定できます。ここで好きなアイコン・名前に変えておきましょう。
これで、平日の9時と18時に通知が飛んできます。これで急激な料金超過にも素早く反応できますね!
さいごに
こちらのアプリは、どでかいEC2インスタンスを間違えて立ち上げて高額な請求が発生した際の、再発防止策として作成しました。
元の記事はSAMで執筆されていたのですが、今回は私はAWSのマネコン上でアプリを作成しました。その過程でいくつか詰まる部分があったので、私なりに試行錯誤しながら作成していきました。
みなさんも適切なアラートを設定して、コスト管理を徹底しましょう。では!