[OpenCV] ArUcoマーカーを使用して、安定した商品の監視映像を撮影してみました。

[OpenCV] ArUcoマーカーを使用して、安定した商品の監視映像を撮影してみました。

Clock Icon2020.03.04

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1 はじめに

CX事業本部の平内(SIN)です。

店舗の商品監視で、「売り切れの検出」や、「機械学習のオブジェクト検出」を想定した場合、可能な限りノイズを排除して、対象を商品だけに絞った撮影が有効かもしれません。

前回、試してみた、「動かないものだけを撮影する」のも、その考え方の一つです。
参考:[OpenCV] 一定期間動かないものだけを撮影する

今回は、OpenCVのArUcoマーカーを利用させて頂いて、監視している、Webカメラの向きが少しぐらいヅレたりしても、一定の範囲の撮影を安定して行えるようにする仕組みを試してみました。

最初に、動作しているようすです。

左の画面が、Webカメラで撮影した映像そのままで、右の画面が、その一部を監視している画面です。カメラの位置が少しぐらいヅレても(揺れても)、監視画面は、動かないことが確認できます。ただし、必要なマーカーが隠れてしまうと、監視は継続できません。監視画面は、固定されていますが、「商品が動く動作」などは、そのまま表示されます。

2 ArUcoマーカー検出(aruco モジュール)

ArUcoマーカーは、OpenCVのcontribに含まれます。

$ pip install opencv-contrib-python

(1) マーカーの生成

ArUcoマーカーは、以下のコードで生成できます。

import cv2
aruco = cv2.aruco
dictionary = aruco.getPredefinedDictionary(aruco.DICT_4X4_50)

def arGenerator():
    for i in range(30):
        fileName = "{}.png".format(i)
        generator = aruco.drawMarker(dictionary, i, 100)
        cv2.imwrite(fileName, generator)
    cv2.waitKey(0)
arGenerator()

aruco.DICT_4X4_50で50種類のマーカーが生成可能ですが、とりあえず、0〜29を指定して作成し、印刷して、切り取って使用しました。

商品棚に張り付いてけます。

実は、最初、セロハンテープで雑に貼りつてけたのですが、光の当たり具合で反射すると、マーカーを簡単に見失うので、両面テープに変えました。この辺、工夫が必要そうです。

(2) 検出

Webカメラの動画からマーカーを検出して表示する基本的な要領は、以下のとおりです。

マーカーの種類を指定して、getPredefinedDictionary()で辞書を作成し、aruco.detectMarkers()検出しています。

import cv2

aruco = cv2.aruco
dictionary = aruco.getPredefinedDictionary(aruco.DICT_4X4_50)

cap = cv2.VideoCapture(0)
while True:
    ret, frame = cap.read() 
    corners, ids, rejectedImgPoints = aruco.detectMarkers(frame, dictionary) 
    aruco.drawDetectedMarkers(frame, corners, ids, ColorCyan) 
    show(frame)
cap.release() 
cv2.destroyAllWindows() 

aruco.drawDetectedMarkersで簡単に、検出したマーカーを画像に追加できます。

3 コード

今回作成したコードは、以下のとおりです。

四隅のマーカー座標から、監視するターゲットとなるエリアを算出し、固定サイズの矩形に変形させて表示しています。変形させている理由は、カメラの角度によって、監視ターゲットのエリアを表す台形が変形するためです。

マーカー検出に失敗した場合、監視対象の画面は保証されないため、一定期間、必要なマーカーが検出できなかった時「エラーの画面」を表示するようになっています。

import cv2
import numpy as np

aruco = cv2.aruco
cap = cv2.VideoCapture(0)

## C920の最大解像度を指定する width = 2304 height = 1536 fps = 2
cap.set(cv2.CAP_PROP_FPS, 2) 
cap.set(cv2.CAP_PROP_FRAME_HEIGHT, 1536)
cap.set(cv2.CAP_PROP_FRAME_WIDTH, 2304)

# 実際に利用できている解像度を取得する
ret, frame = cap.read() 
height, width, channels = frame.shape[:3]
print("width:{} hwight:{}".format(width, height))

# マーカの辞書作成
dictionary = aruco.getPredefinedDictionary(aruco.DICT_4X4_50)

threshold = 30 # 未検出を許容する回数
idMax = 7 # 検出するべきマーカーの数

# フレームを表示する
def show(frame):
    # 0.5倍のサイズで表示する
    magnification = 0.5
    frame = cv2.resize(frame , (int(width * magnification), int(height * magnification)))
    cv2.imshow('frame', frame)
    cv2.waitKey(1) 

# エラー表示を追加する
def appendError(frame):
    errorImg = cv2.imread('errorImg.png')
    errorImg = cv2.resize(errorImg , (width, height))
    alpha = 0.3
    beta = 0.7
    return cv2.addWeighted(frame, alpha, errorImg, beta, 0)

# インデックスを指定してマーカーの中心座標を取得する
def getMarkerMean(ids, corners, index):
    for i, id in enumerate(ids):
        # マーカーのインデックス検索
        if(id[0] == index):
            v = np.mean(corners[i][0],axis=0) # マーカーの四隅の座標から中心の座標を取得する
            return [v[0],v[1]]
    return None

# 基準となるマーカーの取得
def getBasisMarker(ids, corners):
    # 左上、右上、左下、右下の順にマーカーの「中心座標」を取得
    basis = []
    basis.append(getMarkerMean(ids, corners, 1))
    basis.append(getMarkerMean(ids, corners, 2))
    basis.append(getMarkerMean(ids, corners, 3))
    basis.append(getMarkerMean(ids, corners, 4))
    return basis

# 監視エリアの取得
def getTargetArea(basis):
    # 取得座標の補正(Y座標で30%〜90%のエリアを取得)
    target = []
    x = basis[0][0] + (basis[2][0] - basis[0][0]) * 0.3
    y = basis[0][1] + (basis[2][1] - basis[0][1]) * 0.3
    target.append([x,y])
    x = basis[1][0] + (basis[3][0] - basis[1][0]) * 0.3
    y = basis[1][1] + (basis[3][1] - basis[1][1]) * 0.3
    target.append([x,y])
    x = basis[2][0] - (basis[2][0] - basis[0][0]) * 0.1
    y = basis[2][1] - (basis[2][1] - basis[0][1]) * 0.1
    target.append([x,y])
    x = basis[3][0] - (basis[3][0] - basis[1][0]) * 0.1
    y = basis[3][1] - (basis[3][1] - basis[1][1]) * 0.1
    target.append([x,y])
    return target

# 画像の変形
def getTransformImage(target, frame,  width, height):
    frame_coordinates = np.float32(target)
    target_coordinates   = np.float32([[0, 0],[width, 0],[0, height],[width, height]])
    trans_mat = cv2.getPerspectiveTransform(frame_coordinates,target_coordinates)
    return cv2.warpPerspective(frame, trans_mat, (width, height))

def main():

    errorCounter = 0
    markerError = False
    ColorCyan = (255, 255, 0)

    while True:
        # フレーム取得
        ret, frame = cap.read() 
        # マーカ検出
        corners, ids, rejectedImgPoints = aruco.detectMarkers(frame, dictionary) 
        # マーカの必要数が検出されていない場合は、処理しない
        if ids is None:
            continue
        detectCount = len(ids)
        if(detectCount != idMax):
            print("detect:{} errorCounter:{}".format(detectCount, errorCounter))
            errorCounter += 1
            # 未検出が、規定数を超えたら、エラー画面にする
            if(errorCounter > threshold):
                markerError = True
            # エラー画面表示
            if(markerError == True):
                aruco.drawDetectedMarkers(frame, corners, ids, ColorCyan) 
                show(appendError(frame))
            continue

        # 以下、必要数が検出された場合の処理
        errorCounter=0
        markerError = False

        # 基準となる四隅のマーカーを取得
        basis =  getBasisMarker(ids, corners)

        # 監視エリアの取得
        target = getTargetArea(basis)

        # 監視対象の画像を変形して表示
        targetFrame = getTransformImage(target, frame, 1000, 600)
        cv2.imshow('targetFrame', targetFrame)

        # 基準線の描画
        cv2.line(frame, (basis[0][0], basis[0][1]), (basis[1][0], basis[1][1]), ColorCyan, thickness=1, lineType=cv2.LINE_4)
        cv2.line(frame, (basis[0][0], basis[0][1]), (basis[2][0], basis[2][1]), ColorCyan, thickness=1, lineType=cv2.LINE_4)
        cv2.line(frame, (basis[0][0], basis[0][1]), (basis[3][0], basis[3][1]), ColorCyan, thickness=1, lineType=cv2.LINE_4)
        #マーカ描画
        aruco.drawDetectedMarkers(frame, corners, ids, ColorCyan) 

        show(frame)

    cap.release() 
    cv2.destroyAllWindows() 

main()

4 最後に

今回は、店舗の商品をWebカメラで監視する場面を想定し、安定した商品画像を取得する方法を試してみました。

素人考えで恐縮なのですが・・・Amazon Rekognition Custom Labelsのオブジェクト検出を行う場合、このような仕組みや、「一定期間動かないものだけを撮影する」を通して利用すると、少数のデータセットで作成したモデルでも、必要とする要件を満たせるのでは?と妄想しています。

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