
Oracle Database@AWS が東京リージョンでも利用可能になりました
いわさです。
Oracle Database@AWS というサービスをみなさん知っていますか。
2024 年の AWS re:Invent でプライベートプレビューで登場[1]し、2025 年 7 月に GA になった[2]サービスです。
ざっくり言うと、Oracle が提供するパブリッククラウドの Oracle Cloud Infrastructure(OCI)で Exadata を使える「Oracle Exadata Database Service on Dedicated Infrastructure」というサービスを AWS リージョン内で稼働させれるものです。RDS for Oracle とかを置き換えるものではないです。
AWS リージョン上の他のワークロードと Oracle Exadata を接続する際に同一リージョンによる低レイテンシーを実現したり、AWS 利用料金 / OCI 利用料金のコミットメントが必要な場合に役に立ちます。
前にブログにまとめたことがあるので良ければ見てみてください。
この Oracle Database@AWS、これまではバージニア北部リージョンとオレゴンリージョンでのみサポートされていたのですが、先日のアップデートで東京リージョンもサポートされるようになりました。(オハイオとフランクフルトも)
マネジメントコンソールの確認
Oracle Database@AWS、マネジメントコンソール上で次のリージョンで確認が出来ました。

ただし、AWS Marketplace のプライベートオファーをリクエストした上での利用になるのは従来どおりです。

東京リージョンについて
Oracle Database@AWS はコントロールプレーンが OCI リージョンに、アプリケーションプレーンが AWS リージョンに存在するような感じになります。
各クラウドのマッピングですが、OCI の公式ドキュメントにまとまっているのでこちらを見たほうが良いです。
OCI の Japan East リージョンが、AWS の東京リージョンとマッピングされています。
そして物理的な AZ も決まっていまして、apne1-az1とapne1-az4でのみ利用が出来ます。
さらに、Oracle Database@AWS は Oracle Exadata 以外にも提供されているサービスがあるのですが、東京リージョンではそれらも利用可能になっていました。
- Oracle Exadata Database Service on Dedicated Infrastructure
- Oracle Autonomous AI Database on Dedicated Exadata Infrastructure
- Oracle Database Autonomous Recovery Service
AWS の東京リージョンで Oracle Database@AWS を利用するためには OCI の東京リージョンでサブスクライブしておく必要があります。
OCI リージョンでのテナンシーの有効化には数分かかります。
なお、AWS へデプロイできるリソースタイプごとの数などは OCI 側のサービスクォータコンソールでリクエストを送信する必要があります。

Quotas and Service Limits for Oracle Database@AWS より
GA までの最新機能
この東京リージョン GA の少し前にいくつか Oracle Database@AWS についてのアップデートがあったので軽く紹介しておきたいと思います。
組織内での AWS Marketplace エンタイトルメントの共有
Oracle Database@AWS は AWS Marketplace 上でのオファーが必要になりますが、AWS Organizations の同一組織内の他の AWS アカウントとエンタイトルメントの共有をして利用ができるようになりました。エンタイトルメントは AWS Marketplace 利用者が所有する購入済みの製品キャパシティです。
AWS Marketplace には AWS Licence Manager で組織内の他の AWS アカウントとエンタイトルメントを共有する仕組みがあります。
こちらが Oracle Database@AWS に対応したようです。共有方法や制限事項などは次のドキュメントを確認してください。
AWS KMS との統合
Oracle には Oracle Transparent Data Encryption というデータ暗号化の仕組みがあります。
Oracle Database@AWS を利用する際に、AWS KMS を使ってこのマスターキーを暗号化できるようになりました。鍵管理を AWS サービス側で行うことができるようになります。主に監査やセキュリティポリシーの要件を満たしたい際に役立ちそうです。
TDE にはキー管理のオプションがいくつかあって、Oracle-managed Key (OMK) か Customer-managed Key (CMK) か選択できます。この CMK の時に AWS KMS が選択できます。
手順としては ODB ネットワークで STS と AWS KMS の統合を有効化したり様々な手順が必要になります。こちらの手順を確認してください。中々大変そうだ。
さいごに
本日は Oracle Database@AWS が東京リージョンでも利用可能になったので、現状を確認してみました。
噂では 2026 年ごろに日本に来るのではと聞いていたのですがちょっと早かったですね。
Oracle Database@AWS を日本で使いたかった方はぜひ検討してみてください。






