PLATEAU STARTUP Pitchを現地観覧してきました

2023.01.20

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こんにちは、CX事業本部 IoT事業部の若槻です。

今回は、1/20に虎ノ門ヒルズ CIC Tokyoで開催された、「PLATEAU」を題材にしたビジネスアイデアコンテストであるPLATEAU STARTUP Pitchを現地観覧してきたのでレポートします。

特に業務に関連していたり知り合いのツテがあったりとかではなく、Twitter上でたまたま見つけて面白そうだったので飛び入り参加してきました。

開催概要

  • イベント名:PLATEAU STARTUP Pitch
  • 日時:2023年1月20日(金) ピッチ18時30分~21時00分
  • 場所:CIC Tokyo(東京都港区虎ノ門1丁目17−1)
  • 内容:
    • ネットワーキング・デモ展示 17時30分~21時30分(会場参加のみ)
    • ピッチ7分 質疑応答5分 × 9社
    • 「PLATEAU×●●」を題材にしたアイデア、事業プランを発表
    • 審査、他 
    • 表彰・講評
  • エントリー資格
    • 事業拡大、成長意欲のあるスタートアップ企業(年数不問、会社等の法人設立済み)
    • 登壇条件はスタートアップ企業の代表、役員、CTOクラスのエンジニア
  • YouTube配信URL:https://www.youtube.com/watch?v=poZ6eIa8XpE

PLATEAUとは

そもそもPLATEAUとは、日本全国の3D都市モデル(デジタルツイン)を整備・活用・オープンデータ化するプロジェクト(Project PLATEAU)です。国土交通省が主導しています。

このProject PLATEAUでは、航空測量等に基づき取得したデータから建物等の地物を3次元で生成した3Dモデルを、3D都市モデルのデータフォーマットの国際標準であるCityGMLに則った都市3Dモデルを提供しています。下記は東京都23区の公開データです。

3D都市モデルとは、都市空間に存在する建物や街路といったオブジェクトに名称や用途、建設年といった都市活動情報を付与することで、都市空間そのものを再現する3D都市空間情報プラットフォームです。 様々な都市活動データが3D都市モデルに統合され、フィジカル空間とサイバー空間の高度な融合が実現します。これにより、都市計画立案の高度化や、都市活動のシミュレーション、分析等を行うことが可能となります。

PLATEAUで東京都23区の建物を高さで色分けしている様子

そしてこのProject PLATEAUを実証フェーズを超えて本格的な社会実装に進めるための活動(PLATEAU NEXT)の一環として、年間を通じて様々なイベントが行われており、今回のイベントもそのうちの1つとなります。ちなみに一連のイベントの締めくくりとして2023年2月18日にPLATEAU AWARD 2022が開催される予定です。

CIC Tokyo

会場は虎ノ門ヒルズのCIC Tokyoです。

今回のイベントはこのコワーキングスペースを登録していない人でも使える催事スペースで行われます。

今回初めて訪れたのですが、クラメソ日比谷新オフィスのすぐ近くなので、新オフィスが本格稼働開始した後にまた何かの機会に来ることがあるかも知れません。

CIC Tokyoの入り口。虎ノ門ヒルズ15Fにある。

スタートアップピッチ

順番 タイトル 会社名
1 PLATEAUとメタバースの連携 株式会社Urth
2 メタバース自販機 × Plateauによる販促 株式会社PRENO
3 3Dデータから最大の成果を最小のコストで ローカスブルー株式会社
4 MAMORIOとPLATEAUで実現する「時系列」・「2次元MAP」と「3次元空間」のシームレスな物・人のトラッキングの実現 MAMORIO株式会社
5 トイレ空間から「女性」が働きやすい都市をつくる人と空間のマッチングサービス hanatsumi 植松千明建築事務所
6 PLATEAU活用したマルチプレイ×ARシューティングバトル Graffity株式会社
7 3D都市モデルは3D位置情報で開花する。スマホを持って出かけよう、街全体で使える3Dの世界。 MetCom株式会社
8 エッジAIで収集した物理空間のリアルタイムビッグデータPLATEAUで都市を丸ごとデジタルツイン化 Idein株式会社
9 PLATEAU × 位置情報ゲーム「PLATEAU MATRIX」 リアルワールドゲームス株式会社

どれも聞いていて楽しかったのですが、ここではこのうち特に印象に残ったものをピックアップします。

3D都市モデルは3D位置情報で開花する。スマホを持って出かけよう、街全体で使える3Dの世界。(MetCom株式会社)

MetComは、スマートフォンの気圧計とMetComが構築した地上局ネットワークにより垂直測位を行える技術(Pinnacle)を持っています。

今回その技術をPLATEAUと組み合わせて、人が屋内での何階にいるかまでを3Dモデル上で表示できるようにしていました。

実際に都内のビル(GINZA SIX、聖路加ガーデンタワーなど)で試した様子のデモが見ていて楽しかったです。

またスマートフォンの気圧計は精度が高いとは聞いていましたが、このように実際にプロダクトに実装している例は初めて見ました。

そして最終的にはユーザーの位置情報をビッグデータ化してPLATEAUのデータにフロア情報を持たせるなども可能だとのことです。PLATEAUの価値を利用しつつ更なる価値向上にも役立てられるというのは素晴らしいですね。

3Dデータから最大の成果を最小のコストで(ローカスブルー株式会社)

ローカスブルーは、カメラで撮影して取得した点群データから様々なものを「分類」する技術(Deep3)を有しています。

今回、PLATEAUの静岡エリアのデータ(VIRTUAL SHIZUOKA)全域を処理して、建物、植生、地盤などを分類するという試みをしていました。

PLATEAUは建物や交通機関などの人工物に情報を付加する試みですが、ローカスブルーの技術により人工物以外を自動で判別して情報付加できるというのは凄いですね。

MAMORIOとPLATEAUで実現する「時系列」・「2次元MAP」と「3次元空間」のシームレスな物・人のトラッキングの実現(MAMORIO株式会社)

「なくすを、なくす」をキャッチコピーに紛失防止ソリューションを提供するMAMORIOは、MAMORIOおよびPLATEAUと、空間情報を一意に特定できる「空間ID」を組み合わせて、MAMORIOの通知を距離ではなく空間単位で送信できるようにするというものでした。

私は「空間ID」というものを今回初めて知りました。PLATEAUに限らず行政主導の地理空間情報のオープンデータが進んでいるというダイナミズムを感じました。

余談ですが、私はMAMORIOの7年来のユーザーなので、CEOの方と現地でお話してみたかったのですがタイミングが合わず叶わなかったのが残念でした。

エッジAIで収集した物理空間のリアルタイムビッグデータPLATEAUで都市を丸ごとデジタルツイン化(Idein株式会社)

Ideinは、エッジAIカメラで人流や交通情報などの物理世界の情報を取得して構築したデータプラットフォームサービスActcastを提供しています。

このActcastとPLATEAUを組み合わせて都市を丸ごとリアルタイムなデジタルツイン化するという構想にしびれました。

またエッジAIカメラのデモの展示もありました。

カメラで私が識別されている様子。

市民参加型都市開発を実現する直感的な情報共有プラットフォーム企画開発(株式会社ホロラボ)

ホロラボは展示のみでしたが、紙の八王子のマップの上に、八王子以外の地域のランドマークを自由に配置して、専用のカメラアプリで撮るとPLATEAUの3Dモデルが浮かび上がってくるというものでした。

私が実際に試している様子です。(担当者の方に撮影を手伝って頂きました。ありがとうございました。)

個人的には、建物の3Dモデルを手でつかんで持ち上げたりできる体験がまるで大怪獣になれたみたいで面白かったです。

感想

今回、PLATEAU STARTUP Pitchに現地参加してみた理由は、PLATEAUや3Dおよびデジタルツイン技術に私が最近注目していることに加えて、スタートアップシーンに興味があったからでした。

スタートアップやVCの若い人たちが密に集まって醸し出す空気に触れるのはとても刺激になりました。また、クラスメソッドでは社内で新規事業ピッチをする機会があり私も挑戦中のため、実際のスタートアップがどのように事業の売り込みを行っているのかを間近で見て学ぶことができるとても良い機会になりました。

また余談ですが、現地でお話したとあるスタートアップの方から、弊社クラスメソッドと取引があると聞いてびっくりしました(その節は失礼いたしました)。思いも拠らぬところで繋がりがあるものですね。

参考

以上