[小ネタ] PowerShellのSは大文字のSです

2021.07.27

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しばたです。

本記事でDevelopersIOで記事を書き始めて200本目となる様です。
だからというわけでもないのですが今回は以前からお伝えしたかった軽いネタを書きます。

PowerShellのSは大文字のSです

はい。タイトル通りです。

PowerShellのSは大文字の「PowerShell」であり、小文字の「Powershell」ではなく、また「Power shell」と間にスペースも入りません。
結構よく間違われるので今回を機に正しい表記を覚えていただけると嬉しいです。

PowerShellに限った話ではありませんが製品やサービスの名称というのは大事なものです。
ものによっては商標などの権利問題とも絡むこともあるので日ごろから正しい表記を心がけておくと良いでしょう。

大文字・小文字の違いやスペースの有無といったこと自体は細かいことですが、こういった細かい点に気を配れるかは重大なことだと私は考えています。

余談 : AWSサービスの名称について

私が普段触れているAWSに関しても結構サービス名を間違われることが多いです。

AWSはAmazon Web Servicesの頭文字を取ってますのでドキュメント上は「AWS」と大文字の略称で記載されますが、ロゴは小文字の「aws」です。

AWSの各サービスにおいても

  • サービス名がAWS始まりかAmazon始まりか (Amazon EC2、AWS Backupなど)
  • スペースの有無 (AWS CodeCommit、AWS App Runnerなど)

といったあたりは非常に間違いやすいので注意すると良いでしょう。

PowerShellの名称に関するエトセトラ

言いたいことは既に言えたので満足しているのですが、これで終わってしまうと流石に物足りないので補足としてPowerShellの名称に関わるいくつかの話をしようと思います。

1. バージョン毎の呼称について

PowerShellは2006年に「Windows PowerShell」としてVer.1.0がリリースされ、2016年にオープンソースおよびクロスプラットフォーム化された際に「PowerShell Core」として従来のWindows PowerShellと区別される様になりました。そして現在最新のVer.7において両者の統合を意図して「PowerShell 7」とCoreの文言が外されました。

この様にPowerShellはバージョン毎でその呼称が変わっています。

バージョン 呼称 備考
1.0 - 5.1 Windows PowerShell 厳密にはNano Server向けPowerShell 5.1 (Core Edition)もPowerShell Core
6.0 - 6.2 PowerShell Core .NET Core基盤のためWindows PowerShellと呼称を分けている
7.0 - PowerShell

とはいえ「PowerShell 5.1」や「PowerShell 6.0」といった呼称が間違っているわけではなくプラットフォームに依存しない文脈においてはごく普通に使用されます。
私みたいに日々PowerShellの記事を書いている人間でない限り細かい呼称の差は気にしなくて大丈夫です。

2. PowerShell実行ファイル名について

前項に関連してPowerShell Coreの登場に合わせてPowerShellの実行ファイル名が分かれています。

  • Windows PowerShell : poewrshell.exe
  • PowerShell Core : pwsh.exe (Windows), pwsh (非Windows)

この経緯については以前に個人ブログでも書いてますので興味がある方はご覧ください。

で、このpwsh.exe (pwsh)ですが、厳密な読み方は定義されていません。
実行ファイル名が分かれることになった当時に「pwshと書いてPowerShellと読む」旨の発言をPowerShell TeamのTwitterで見た記憶があるのですが、残念ながら証拠は残っていませんでした。
また以前からPowerShellの略称にPoshが使われていたため「pwshと書いてPoshと読む」のはOKだそうです。

この実行ファイル名の呼称については海外勢の間でも結構意見が割れている様なので各自気に入った呼び方をすれば良いと思います。

3. PowerShell ISEの読みについて

PowerShell 2.0から導入されたWindows PowerShell Integrated Scripting Environment (ISE)ですが、古い一部の書籍では「ISEと書いてアイス(ice)と読む」とされているものがあるのですが、私が海外のカンファレンス動画などを視聴した限りではMicrosoft社員含めて誰もその様な読み方をしておらず「ISEと書いてアイエスイー(aye ess eee)と読む」方ばかりでした。

ISEの読み方についてどちらが正式な呼称か裏取ることはできませんでした...厳密に定義されていない様です。
というわけで好きな呼称を使って良いのですが、私が調べた限り現在はアイエスイー読みの方が主流の様です。

なお、PowerShell ISE自体は既に新規機能の追加はされないことが表明されていますので2021年現在においては無理に使う必要はないでしょう。

The PowerShell ISE is no longer in active feature development. As a shipping component of Windows, it continues to be officially supported for security and high-priority servicing fixes. We currently have no plans to remove the ISE from Windows.

Visual Studio Code + PowerShell Extensionの組み合わせを使うことをお勧めします。

最後に

以上となります。

たかが名前、されど名前です。
皆さんも普段愛用している製品やサービスの名前を意識してみると新しい発見があるかもしれません。