プロジェクトマネジメント#2
プロジェクトの知識体系「9つの知識エリア」
今回以降は、PMBOKの特徴を「9つの知識エリア」、「アウトプット」、「スコープ」という 3つのキワードから概観していきます。
「9つの知識エリア」 PMBOKでは、プロジェクトマネジメントを9つのエリアに分け、作業カテゴリーを定義しています。
「9つの知識エリア」とは、プロジェクト全体を見渡す俯瞰図です。 プロジェクトを行うにあたり、俯瞰図から必要なもの、やらなければならないことを 予め確認したうえでプロジェクトを実行に移す。 これが、PMBOKにおける重要な思想のひとつです。
「9つの知識エリア」とは、以下の通りです。
1.統合マネジメント
全体をとらえるためのエリアです。 ここで他の知識エリアの情報を集めて統合します。 プロジェクト全体の最適化を図る要の部分です。
2.スコープマネジメント
作業の範囲のことです。 クライアントとの確認や交渉を行い、どこまでをやり、 どこからはやらないを決めるのがスコープマネジメントです。 具体的には、 プログラム、素材、ドキュメンテーションなど 発注側に納品するもの全て=成果物や、物としては存在しないけど必要になる作業、 定例ミーティングの開催や技術的なコンサルテーションなども含めた全体を決めるのが スコープマネジメントになります。
3.タイムマネジメント
スケジュール作成およびその進捗を管理するエリアになります。
4.コストマネジメント
見積もり等コストに関するエリアになります。
5.品質マネジメント
成果物の完成度を設定し、それを達成するための手法を計画するエリアになります。 品質は時間、予算、スコープという制約のなかで決まります。
6.人的資源マネジメント
プロジェクトをどのような体制にするかを決めるエリアになります。 具体的にはどのようなスキルを持ったプロジェクトメンバーが何人必要で それらのメンバーでどのような体制を作るのかなどを決めます。
7.コミュニケーションマネジメント
プロジェクト内でどのようにコンセンサスをとるのかを決めるエリアになります。 定例会議の頻度やどうやって情報を共有するかなどを決めます。
8.リスクマネジメント
プロジェクトにどのようなリスクがあるのかを全て洗い出し、対応方法を考察するエリアになります。
9.調達マネジメント
外部業者への発注や契約に関わるエリアになります。
上記のように「9つの知識エリア」では、 プロジェクトに必要な要素が整理され過不足ないようにまとまっています。 プロジェクトのスタート時点はもちろん、プロジェクトに変更が発生する都度、 この9つのエリアを確認し、漏れや偏りのないアウトラインを作る。 それがPMBOKの基本的な考え方です。
次回は2つめのキーワード「アウトプット」について書いていく予定です。