【家庭用NAS】QNAP TS-131でファイルを自動的にS3へリモートバックアップする
はじめに
こんにちは植木和樹です。先日QNAPのNAS TS-131を買って、ひとまず手元のMacbook AirのTimemachine保存先として設定しました。今回はAmazon S3を使ってQNAPのファイルをバックアップしてみたいと思います。
前回書いた通りTS-131のドライブベイは1つのみのため、RAIDによるディスク冗長化ができません。ディスクが故障したら保存したファイルが消えてしまいます。そのため消えてほしくないファイルは自動的にS3へ退避しておくことにします。
QNAPの共有フォルダ
下調べしたところ、S3へのバックアップはQNAPの共有フォルダ単位になるようです。初期設定で用意されている共有フォルダは次の通りです。
これらの共有フォルダの用途を調べたところ、ITmediaさんに記事がありました。
上記ページから一部引用させていただきました。
- Download
- BitTorrentやHTTP/FTPでダウンロードを行うアプリケーション「DownloadStation」がファイル保存用に使用する。
- homes
- 各ユーザーのhomeの実体が置かれるフォルダ。
- Multimedia
- メディアファイルを共有するためのフォルダ。ここに置かれたファイルはPhoto Station、Music Stationなどからもアクセスできる。
- Public
- 全員が読み書きできる共有フォルダ。
- Recordings
- ネットワークカメラやWebカメラを用いた監視カメラシステム「Surveillance Station Pro」の録画ファイルが保存されるフォルダ。
- Web
- Webサーバ機能を有効にした場合のドキュメントルートフォルダ。
エクスプローラーやFinderで接続すると、これ以外に"home"フォルダも見えますが、これはページの説明によると「アカウントごとに作成される、ユーザー専用のフォルダ」で実体は"homes"にあるようです。
今回は家族のパソコンのデータを"home"フォルダに保存し、写真や動画ファイルは"Multimedia"フォルダに保存するようにしましょう。"Download","Public","Recordings","Web"フォルダは当面使うことはなさそうです。
なお前回TimeMachineで設定した"TMBackup"フォルダは隠しフォルダ扱いになっていて、バックアップ対象としては選択できませんでした。
バックアップ設定の前準備
QNAPの設定をする前に下記の準備をしておきましょう。Developers.IOを見に来られている方なら細かい手順説明は不要ですよね(?)
- AWSのアカウント
- S3 FullAccess権限を持ったqnap用IAMユーザーのアクセスキーとシークレットキー
- S3 のQNAPバックアップ用バケット
S3へのバックアップ設定
Amazon S3へのバックアップ設定はバックアップマネージャーで行います。
最初にバックアップジョブ名を設定します。最大16文字までしか設定できないため、シンプルに"S3(共有フォルダ名)"というジョブ名にしておきます。
事前に作成しておいたQNAP用IAMユーザーのアクセスキーやバケット情報を入力します。"テスト"をクリックして入力内容に問題ないか確認しておきましょう。 また今回は差分ファイルのみをS3へアップロードし、またQNAP上で削除したファイルもS3側に残しておきたいため矢印のつけたチェック項目のようにしました。
バックアップするQNAP側の共有フォルダを選択します。"homes"を選択しましょう。
バックアップする周期と時間帯を設定します。大量のファイルアップロードの影響で某MMORPGプレイ中に遅延が発生すると致命的なため、毎日午前2時にしておきます。
これで設定は完了です。
"homes"と"Multimedia"フォルダをS3へアップロードするため、最終的には2つのジョブを作成しました。
まとめ
S3へバックアップをとることで、ディスクが壊れてしまってもファイルを紛失するという事態は避けられそうです。
特に子どもの運動会や、子どもの誕生日や、子どものお遊戯会や、子どもとの家族旅行の写真や動画が紛失すると大変です。耐久性99.999999999%のAmazon S3へ保管することで思い出は紛失はしないようにしましょう。S3で家庭円満を!