品質について話したあとどうする?

2020.06.11

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はじめに

事業開発部でQAエンジニアをしている長友です。

品質シリーズの投稿です。

これまで開発者と品質やテストピラミッド、そして品質特性について話してみましょうという記事を投稿してきました。
皆さん、いかがでしょう。いろいろお話しましたか?

開発者の方々とお話した中でいろいろ出てきたものをどうしようか考えているかもしれませんね。話すことがまずは一番ですが、そのあとのお話を今回はしようと思います。

また開発者の方々や、今回はその他の関係者含めて話のネタにしてもらえるといいかもしれません。

開発者や関係者の方々と一緒に品質と向き合うために

品質についてお話してみて、いろいろなことが話題にでてきましたでしょうか。

もしくはまだ深く話せていなかったり、広く話題も出てきていなくても、まだまだ話したり考えたりする時間はたくさんあります。今回の記事も参考にして、またお話する機会を継続して持っていくようにしましょう。
まずはQA担当者の方々が開発者と話してみることが第一歩です。そして、だんだんと開発チームの中に居場所を作っていき、開発者の方々とともに品質の芽を芽吹かせて育てていけるようにしていきましょう。

QA担当者と開発者の方々が近づくことが完全に比例の効果をあげるかはわかりませんが、不具合を作り込んでしまうことと、その不具合を発見する間のタイミングの差を縮めていくことが大切です。

作ったそばから不具合を早く発見することを目指すにはどうするか。ユニットテストやコードレビューなどを時間を開けずに実施していくことです。

私の所属部署で開発している prismatix ではスプリントに区切って開発を行っています。
そのため、以下のお話はアジャイル開発になぞらえての話になります。

完了の定義に加えてもらえてますか?

品質を考えるときには、誰かをイメージしてその誰かがよい悪いを判断するのでした。その誰かがよいというのは何が確認できたらでしょうか。
その流れで、たとえば、ユニットテストが全部グリーンで完了している。またコードレビューが通過しているなどがないと、その誰かも不安です。

それぞれの反復の対応で完了がしっかりと定義されていますでしょうか。

そこにどれだけ品質に関する定義が入れてもらえているかで、さきほどの「作ったそばから不具合を早く発見できるか」が変わってきます。

作ったそばから不具合が早く発見できないと、なかなか技術的負債が解消されない状況が発生していきます。

品質に関する定義があり、作ったそばから不具合を発見するには、QA担当者が開発者の方々との距離を縮めないとっていう気持ちが働きます。それで、近くで確認することにもつながります。

そして、品質に関する定義があることは、最初の品質の話で書いたように、開発者の方々の手戻りを減らすことにもつながります。手戻りは、完了したとなっているものについて作業を行うこと。つまり、完了したというからには、もうそれ以降手をかける必要のないということです。

でも手戻りが発生することは多々あります。それをどれだけ減らせるかがプロジェクトを安定させることになりますから、きちんとした完了の定義を皆さんで認識をあわせておくことが大切です。

品質スプリント、品質バックログとは

品質のアジャイルなあり方:「QAを含むOneチーム」「品質スプリント」「プロダクト品質チャンピオン」
という記事があることを以前の記事で書きました。

その中で「達成すべき結果へ向けてより良いシステムを届けることに集中する」スプリントを設けることが書かれています。

アジャイル開発で品質についてマネジメントするには、シンプルに考えてみることです。アジャイルのプラクティスに乗っかることを関係者の方々と話してみましょう。

プロジェクトでは、新たに作られた機能に目が行きがちです。そうなったときに、品質に目を向けてもらうためにも、品質に関する項目のバックログを積んでみましょう。

機能の確認はいろいろやってたのに、実際に動かすともっさりしてるなど、またセキュリティに問題があったとなると大変なことになります。そうしたことを確認することをバックログに積みます。そのようなバックログを品質バックログと言っておきます。品質バックログの中でも、しっかりと完了の定義をするのをお忘れなく。

そして、品質バックログが積み上がったままになっているようなら、次のスプリントではその品質バックログを対応することを優先するということを決めて、開発者の方々やQA担当者などのみんなでやっていきます。そうしたスプリントを品質スプリントといいます。

どうですか。品質について話して、こうした完了の定義や品質バックログ、そして品質スプリントまでこぎつけられたら、きっと皆さんのところでも、開発者の方々とQA担当者、そして関係者の皆さんがぐっと距離が近づいて感じられるようになっていることと思います。

自動テストについても、テストピラミッドを考慮して話もできるようになると思いますから、ぜひ皆さんも品質のよいサービス提供のためにも、いろいろ話していってください。

今回はここまでです。

また次回もお楽しみに。