[アップデート] Amazon QuickSight の EventBridge 統合が強化され、より多くのイベントが取得出来るようになりました
いわさです。
Amazon QuickSight は Amazon EventBridge 統合機能が提供されており、分析やダッシュボードの作成・削除などのイベントをフックして様々なカスタム処理を実行することができます。
以前、以下のブログで紹介させて頂きました。
先日のアップデートでこちらが強化され、より多くのイベントが取得出来るようになったようです。
本日は、前回のアップデートから何が変わったのかを比較・調査し、追加されたイベントについて検証してみましたので紹介します。
前回からアップデートされたイベント
QuickSight が統合可能なイベント一覧は次の公式ドキュメントで確認が可能です。
上記ドキュメントは本日時点で使える全てのイベントが掲載されており、前回からの差分が確認できません。
そこで冒頭の前回ブログと比較して何が変わったのかを以下にまとめてみました。
アセットタイプ | アクション | 今回追加されたか |
---|---|---|
Dashboard | Create | |
Dashboard | Update | |
Dashboard | Publish | |
Dashboard | Delete | |
Analysis | Create | |
Analysis | Delete | |
Analysis | Update | ★ |
VPC connection | Create | |
VPC connection | Update | |
VPC connection | Delete | |
Folder | Create | |
Folder | Update | |
Folder | Delete | |
Folder | Membership update | |
Dataset | Create | ★ |
Dataset | Update | ★ |
Dataset | Delete | ★ |
DataSource | Create | ★ |
DataSource | Update | ★ |
DataSource | Delete | ★ |
Theme | Create | ★ |
Theme | Update | ★ |
Theme | Delete | ★ |
Theme | Alias Create | ★ |
Theme | Alias Update | ★ |
Theme | Alias Delete | ★ |
まとめると、分析の UPDATE イベントが取得出来るようになり、さらに前回はサポートされていなかったデータセットとデータソース、テーマもイベント統合出来るようになっています。
イベントデータを検証してみる
EventBridge コンソールからサンプルイベントパターンを確認してみると、今回追加されたデータセットやデータソースイベントが確認できます。後述しますが、分析のアップデートイベントはここでなぜか確認できません。
なお、今回はイベントの発生有無やデータ内容を確認するべく、QuickSight の全イベントを対象にしてターゲットは CloudWatch Logs ロググループを指定しました。
データセット作成イベント
まずはデータセットを新規作成してみます。
ロググループを確認してみると早速イベントが発生していました。
確認出来るのはデータセットのアセット ID ですね。これを取得して対象データセットに関わる処理を実行することができそうです。
また、データセットの権限設定イベントも併せて発生していることが確認できます。
データセット変更イベント
続いて作成したデータセットを編集してみます。
適当な計算フィールドを追加して保存してみます。
データセット更新イベントが取得できました。
データソース作成イベント
今回データセットだけでなく、データソースについてもイベントが取得出来るようになっています。
試しに Athena データソースだけ作成してみます。
作成イベントが取得できましたね。データソースも更新イベントが取得できますので、データソース設定が変わった場合なども追従してカスタム処理が実行できそうです。
分析の更新イベントはちょっと他のイベントと違う...?
公式ドキュメントには記述されているのですが、今回分析の更新イベントが取得出来るようになったようです。
ただし、EventBridge のサンプルイベントや、あるいはイベントパターン定義時のフォームから対象イベントを選択することができませんでした。
ドキュメントが間違っていてまだ未実装なのかも?と思いつつ、分析の更新を行ってみました。
ただ、更新したタイミングではイベントが発生しませんでした。作成イベントはすぐに発生します。そのため最初は分析更新イベントはサポートされていないのかと思いました。
しかし、数分(5分後とか)待ってみると分析更新イベントも発生しました。
次のように更新された分析の ID が取得できます。
色々なイベントを試してみましたが、どうやら分析の更新イベントだけ発生までタイムラグがあるようですべて数分遅れで発行されていました。
ドキュメントに明記されていませんが、分析は明示的に更新の保存は行わず自動更新が行われるのと、細かい更新が大量に発生するので、おそらくイベント発生タイミングがコントロールされているのだと思います。
最後に更新してから数分後に発火する、とかでしょうか。
さいごに
本日は Amazon QuickSight の EventBridge 統合が強化され、より多くのイベントが取得出来るようになったので確認してみました。
タイムラグはありますが分析の更新イベントが取得出来るようになったのは結構熱いのではと思います。
というのも QuickSight にはマネージドなバックアップ機能がないので分析を過去の状態に復元をしたいなどの要件を満たすのがまぁまぁ大変だったのですが、更新イベントごとに定義の取得 API からバックアップを取得しておけばどうにか実現できそうな気がしますね。今度やってみたいと思います。