[アップデート] Amazon QuickSight で Small Multiples のX軸Y軸用オプションが追加されたので使ってみた
いわさです。
Amazon QuickSight では一部のビジュアルで Small Multiples 機能を使うことが出来ます。
先日のアップデートで Small Multiples で軸のカスタマイズオプションが提供されるようになったようです。
が、こちらのアップデートアナウンスを何度読んでも意味がわからず、結局試すことにしました。
読解力が足りない...!
Small Multiples オプションが追加されている
QuickSight ではビジュアルのフォーマットからビジュアル個別のフォーマット設定が出来ます。
「倍数のオプション」自体は存在していたので、おそらく今回追加されたのは次の赤枠のオプションだと思います。
アップデートアナウンスでは触れられていないですが、本日時点で次の公式ドキュメント日本語版が存在しません。
よっておそらく軸ラベルの配置オプションも今回一緒に追加されたのではないのかなと思います。
併せて確認してみます。
軸ラベル
X 軸と Y 軸でそれぞれ Outside か Inside を設定出来ます。
デフォルトは次のように Outside になっていて、左と下のパネル外側に軸ラベルが表示されるようになっています。
Inside の場合はパネルごとに軸ラベルが内部表示されるようになります。
これはシンプルなのでわかりやすいです。
軸の Shared / Independent 設定
X 軸、Y 軸それぞれ Shared (共有) / Independent (独立) のオプションが選択出来ます。
デフォルトは X 軸 も Y 軸も Shared が設定されています。
使ってみたところ可視化のポイントによって使い分けるのが良さそうなので、サンプルを用意してオプションごとの違いを比較してみました。
X 軸
X 軸のオプションについて確認するために次のようなサンプルデータを用意しました。
月別の AWS 利用料金を示しているのですが、 2023 年 6 月だけほぼ別のサービスで構成されています。
もし、Small Multiples のパネルを年月ごとに分割した場合で考えてみます。
Shared だと次のように全パネルに渡って共通の X 軸を使う設定となりました。
そのため、例えば API Gateway や Lambda を使っていない他の月のパネルにも全サービス表示されていますね。
これを Independent にした場合は次のようになります。
欠損表示されず、パネル(年月)ごとに必要な X 軸のみで構成されています。
仮にパネル分割がサービス単位で年月の経過を見たい場合は Shared が良さそうですが、年月単位でパネル分割し、使用サービスを把握するような用途では Independent が良さそうですね。
Y 軸
続いて Y 軸のオプションを確認してみます。
またまた AWS 利用料金を例に、今度はサービスごとに利用料金のばらつきがある場合です。
これを Small Multiples でサービス単位で分割してみます。
デフォルトの Shared だと次のようになります。
サービス横断で料金比較したい場合は EC2 と RDS が大半を占めていることが一目でわかるので良いですね。
一方でサービス横断せずに、各サービスごとに利用料金の推移を把握したい場合はパネル(サービス)共通で Y 軸が設定されているので少額のサービスの細かい情報が把握しにくい状況です。
これを Independent に変更してみます。
今度は VPC 内で各月の詳細な情報が把握しやすくなりました。
一方で EC2 と VPC の料金比較する際にはそれぞれのパネルのスケールを意識する必要が出てくるのでパネル横断での比較がしづらくなりました。
もしパネル同士の比較を行いたい場合は Shared が良さそうですね。
ちなみにパネルを年月単位に分割し Independent にした場合は一見すると 1 月の利用料金が大きく見えます。
Shared で比較すると次のように 5 月 か 6 月が大きく見えますね。
Y 軸は特に可視化した際の印象が変わるので適切な設定が必要そうだなと思いました。
さいごに
本日は Amazon QuickSight で Small Multiples のX軸Y軸用オプションが追加されたので使ってみました。
使ってようやく理解できました。
可視化したときの第一印象変わりますね。ビジュアルの用途にあわせて適切な選択が必要なオプションでした。
ちなみにアップデートアナウンスにはレーダーチャートに関するオプションもアップデートされているとアナウンスされていましたが、そちらはまだアップデートが反映されていないようでしたので使えるようになったら確認してみたいと思います。