Cost Explorer から Amazon QuickSight リーダーセッションの使用状況を調べてみた

Cost Explorer から Amazon QuickSight リーダーセッションの使用状況を調べてみた

Clock Icon2024.05.13

いわさです。

先日 Amazon Q in QuickSight が GA となりました。

そのタイミングで閲覧者(リーダー)ロールの料金モデルが従来のセッション数ベースからユーザー数ベースに変更になるとアナウンスされていました(既存環境への適用は 2025 年 5 月 1 日から)

そこでまずは既存環境のリーダーセッションの料金やセッション利用数を調べていたのですが、いくつか閲覧者用っぽい使用タイプが存在しており、どれがどういう意味なのかよくわかりませんでした。

また、これらの使用タイプについてドキュメントなどを探してみたのですが有益な情報を得ることがが出来ませんでした。

そこで今回実際の料金や使用状況を基にそれぞれの使用タイプについて考察してみました。
公式情報ではないのですが、たぶん合ってます。

どういった使用タイプが出力されているか

以下はクラスメソッドメンバーズポータルの料金明細ページから確認したものです。
「QS-Reader-」から始まる使用タイプがいくつかあり、リーダーセッションに関するものであることが予想出来ます。ただ、Paid / Cap / Bonus というのは一体なんでしょうか。

また、別の QuickSight 環境では「QS-Reader-Usage-Paid-Session」のみが出力されていました。

料金について

まず、QuickSight 閲覧者の料金についておさらいします。
繰り返しになりますが、本記事では新料金ではなく旧料金について説明していますのでご注意ください。

閲覧者は作成者や管理者と異なり、1 ユーザーあたりの月額固定料金ではありません。
QuickSight コンソールへアクセスした際にセッションが作成され、最大 30 分間そのセッションを使うことが出来るのですが、そのセッション数に応じた従量課金となっています。

1 セッションは 0.3 USD となっており、例えば 10 セッション(300 分)使った場合は 3 USD となります。
利用者が参照すればするほど料金が発生しますが、上限が設けられており、各ユーザー 5 USD が上限となっています。
5 USD に達したユーザーの以降のセッション料金は無料です。

引用元:QuickSight 料金ページ(https://aws.amazon.com/jp/quicksight/pricing/)日本語版

使用タイプ

冒頭お伝えしたように、以下の 3 つのリーダーセッション使用タイプが確認できています。それぞれが何を指しているのか考察してみましょう。

  • QS-Reader-Usage-Paid-Session
  • QS-Reader-Usage-Cap-Session
  • QS-Reader-Usage-Bonus-Session

Paid は最初から、Cap と Bonus は月の半ばから発生する

まず、月間の使用状況を確認してみます。
確認してみたところ、どの月でも次のように、月初は Paid-Session のみが発生し、途中から Cap-Session と Bonus-Session が発生しています。

単価がそれぞれ違う

次にコストも調べてみます。
以下はとあるまずまずの規模で利用している QuickSight 環境です。

QS-Reader-Usage-Paid-Session を見てみると、 790 セッションが発生し、料金が 237 USD です。
計算してみると、1 セッションあたり 0.3 USD です。
0.3 USD は先ほど確認したリーダーセッションの単価ですね。

次に QS-Reader-Usage-Cap-Session を見てみます。
28 セッションが発生し、料金は 5.6 USD です。
計算してみると、1 セッションあたり 0.2 USD です。
0.2 USD ってどこから出てきた。

最後、QS-Reader-Usage-Bonus-Session ですが、474 セッション発生し、料金は 0 USD です。
これは無料ということですねなるほど。

QS-Reader-Usage-Cap-Session 上限到達時の端数っぽい

QuickSight のリーダー料金は 1 ユーザー 5 USD が最大です。
セッションが作成されるごとに 0.3、0.6、0.9 と累積されていくわけですが 16 セッション作成したところで 4.8 USD になりますね。

上限の 5.0 USD まで、中途半端ですが 0.2 USD 料金が発生します。
どうやら「QS-Reader-Usage-Cap-Session」はこの上限に達した際の中途半端な 0.2 USD のセッションを指しているようです。

そして「QS-Reader-Usage-Bonus-Session」は 5 USD に達したユーザーのその後のセッションだと思います。なので無料なんですね。
過去の料金データを見てみても、「QS-Reader-Usage-Cap-Session」が発生する前に「QS-Reader-Usage-Bonus-Session」が先に発生するパターンが確認出来なかったのでおそらく合っていそうです。

さいごに

本日は Cost Explorer から Amazon QuickSight リーダーセッションの使用状況を調べてみました。

まとめると次のような感じですね。
ユーザーごとに最初の 16 セッションは Paid-Session で、17 セッション目は Cap-Session、18 セッション目以降は無料の Bonus-Session ということです。

1 ユーザーあたり「QS-Reader-Usage-Cap-Session」が発生するのは月に一度です。
そのためこのセッション数を確認すると、上限の 5 USD に到達するほど高頻度に利用しているユーザーの数だと判断出来ますね。

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