[アップデート] 遂にRDSにgp3ストレージが来たぞ!
RDSのドキュメントを眺めていたところ、RDSの汎用ストレージに「gp3」が追加サポートされていましたので紹介します!
2022.11.09 追記
・公式リリースが出ました
最初に結論
- RDSの汎用ストレージにgp3が追加されました
- GP2よりも最大IOPS、および最大スループットが向上します。何よりgp2のクレジット枯渇問題から解放されます
- ストレージ容量に基づいてベースラインパフォーマンスが変わります(詳細は記事中の表を確認ください)
- マルチAZのDBクラスターではサポートされていません
汎用 SSD (gp3)
gp3ストレージボリュームを使用することで、ストレージ容量とは別にストレージ性能をカスタマイズすることができます。ストレージ性能は、1秒あたりのI/O操作(IOPS)と、ストレージボリュームが読み取りと書き込みを実行できる速度(ストレージスループット)の組み合わせです。
gp3に対する考察は以下の記事が参考になりますので、あわせてお読みいただくのが良いでしょう。
RDSにおけるgp3ストレージ
gp3ストレージボリュームの場合、Amazon RDSは3000IOPS
と125MiBps
のベースラインストレージパフォーマンスを提供しますが、ストレージ容量が閾値に達するとベースラインストレージパフォーマンスが増加します。(ただし、SQL Serverを除く)
各DBエンジンと閾値によるストレージパフォーマンスは以下の表を参照ください。
DBエンジン | ストレージ容量 | ベースラインパフォーマンス | プロビジョンドIOPS範囲 | プロビジョンドスループット範囲 |
---|---|---|---|---|
MariaDB, MySQL, and PostgreSQL | 400GB未満 | 3,000 IOPS/125 MiBps | N/A | N/A |
MariaDB, MySQL, and PostgreSQL | 400GiB以上 | 12,000 IOPS/500 MiBps | 12,000–64,000 IOPS | 500–4,000 MiBps |
Oracle | 200GiB未満 | 3,000 IOPS/125 MiBps | N/A | N/A |
Oracle | 200GiB以上 | 12,000 IOPS/500 MiBps | 12,000–64,000 IOPS | 500–4,000 MiBps |
SQL Server | 20 GiB–16 TiB | 3,000 IOPS/125 MiBps | 3,000–16,000 IOPS | 125–1,000 MiBps |
料金
2022.11.11 追記
・料金表が更新されました
項目 | 料金 |
---|---|
汎用SSD (gp2) ストレージ | GBあたり$0.138/月 |
汎用SSD (gp3) ストレージ | GBあたり$0.138/月 |
汎用SSD (gp3) IOPS | ベースラインを超えるIOPSあたり$0.024/月 |
汎用SSD (gp3) スループット | ベースラインを超えるスループット1MB秒あたり$0.0960/月 |
EC2のEBSとは違ってgp2,gp3のストレージ価格差は無いようです。
また先述の表にも記載されているとおり、400GB以上になるとベースラインは12,000 IOPS/500 MiBps
へと引き上げられます。価格設定の文言としては「ベースラインを超えるIOPS/スループット」と記載されていますので、400GBのストレージであればボリューム料金のGBあたり$0.138/月
のみで利用できそうです。
最新情報については公式サイトの価格表を参照ください。
注意点
マルチAZのDBクラスターではサポートされていません。(マルチAZインスタンスは利用可)
「マルチAZ DBクラスター?なにそれ?」という方は、以下の記事でアップデートをキャッチアップしましょう!
SSDストレージタイプの比較
次の表は、Amazon RDSで使用されるSSDストレージボリュームのユースケースとパフォーマンス特性を示しています。
特性 | プロビジョニングIOPS (io1) | gp3 | gp2 |
---|---|---|---|
説明 | ・一貫したストレージ パフォーマンス (IOPS、スループット、レイテンシ) ・レイテンシーの影響を受けやすいトランザクションワークロード向け |
・ストレージ、IOPS、スループットを個別にプロビジョニングできる柔軟性 ・多様なトランザクションワークロードに対応する価格性能のバランス型 |
・バースト可能なIOPSを提供 ・多様なトランザクションワークロードに対応する価格性能のバランス型 |
ユースケース | 最大80,000IOPSの持続的なIOPS性能を必要とするトランザクションワークロード | 開発/テスト環境において、中規模リレーショナルデータベース上で動作する幅広いワークロード | 開発/テスト環境において、中規模リレーショナルデータベース上で動作する幅広いワークロード |
レイテンシー | 1桁ミリ秒、99.9%の確率で安定した提供 | 1桁ミリ秒、99.9%の確率で安定した提供 | 1桁ミリ秒、99.9%の確率で安定した提供 |
ストレージ容量 | 100GiB–64TiB (RDS for SQL Serverでは16TiB) | 20GiB–64TiB (RDS for SQL Serverでは16TiB) | 20GiB–64TiB (RDS for SQL Serverでは16TiB) |
最大IOPS | 80,000 | 64,000 | 16,000 |
最大スループット | プロビジョンドIOPSに基づいて最大4,000MB/秒までスケーリング | 最大4,000MB/秒の追加スループットをプロビジョニング | 250MB/秒 |
AWS CLIおよびRDS API名 | io1 | gp3 | gp2 |
gp2/gp3の設定画面の違い
それではRDSインスタンス作成時のボリューム部分のメニューを確認してみましょう。今回はMySQLエンジンを選択しています。
そしてコチラがgp3です。詳細設定を展開するとIOPSおよびスループットの設定箇所が増えています。
先の画面がストレージ容量が200GiB
でしたのでIOPS、スループットの指定箇所がグレーアウトしていますが、ストレージ容量を400GiB以上
に設定するとIOPS、スループットの指定が可能になります。(指定可能になるボリューム容量はDBエンジンによって異なりますので、先の表をご確認ください)
指定可能な最小値を確認すると、ベースラインが12,000IOPS
、500MiBps
に変更されていることが判ります。
まとめ
「RDSのgp3まだー?」と思わていた方には待望のアップデートですね。re:Inventの開催が近づくにつれて、こういったアップデートが増えてきますのでしっかりとキャッチアップしていきましょう!