[レポート] 今後も見逃せない!VMware Cloud on AWS(アップデート情報あり) #HYB206 #AWSreInvent
こんにちは、AWS事業本部の荒平(@0Air)です。
AWS re:Invent 2023では、ラスベガスへ現地参加しています。
本エントリでは、参加したセッション「HYB206-S | 5 architectural innovations in VMware Cloud on AWS that you can’t miss (sponsored by VMware)」について紹介します。
お昼の時間に開催され、美味しいごはんを頂きながら挑みました。
前半はVMware Cloud on AWS自体の紹介、後半はアップデート紹介といった形でした。
3行まとめ
本記事の内容を要約しました。
- VMware Cloud on AWSの利点やユースケース紹介
- 新しいインスタンスタイプ m7i.metal-24XLのサポートが発表されました
- コストが大幅に下がる可能性があり、多くのユーザー企業にフィットするかもしれません
セッション概要
デジタルトランスフォーメーション、コストの最適化、アプリケーションのモダナイゼーション - どこから着手すべきでしょうか? VMware Cloud on AWS は、ワンストップのコスト効率に優れたソリューションです。 VMware Cloud on AWS は、クラウド トランスフォーメーションへの最短かつ安全な道です。 このセッションでは、VMware Cloud on AWS の概要とアーキテクチャの詳細を理解し、ネットワーキングの側面を深く掘り下げます。 ワークロードの移行を計画、設計する方法と、さまざまな移行戦略について学びます。 また、災害時にワークロードを保護する方法や、AWSサービスを使用してアプリケーションを最新化する方法についてもご紹介します。
スピーカー
- Sonali Desai (VMware)
- Oleg Ulyanov (VMware)
レベル
- 200 - Intermediate
セッション内容
95%のCEOがデジタルファーストへの移行を考えている
まずはVMware Cloud on AWSの存在意義から解説がありました。
世界中の95%のCEOがデジタルファースト(つまり、オンプレではなくクラウド)への移行を考えているそうです。
これは私見ですが、実はアメリカではデジタルトランスフォーメーションが進んでいるようでそこまで進んでいない状況です。(オンプレミス運用しているという企業がまだまだ多い)
日本も例外ではなく、オンプレから脱したいと考えたとき、VMware Cloud on AWSは、デジタル化の第一歩として非常に有用な選択肢です。
しかしながら
クラウド化を考えたときに考慮すべき点は膨大で、例として以下のようなものがあります。
- 新しいツールやスキルセットを習得する必要がある
- 学習曲線も大きく、新しいスタッフが必要になるかもしれない
- オンプレミスと比べたときに運用上の不整合
- これまでと同じツールやプロセスが使用できない
- 管理ツールやコンソールが異なる
- マシンフォーマットが異なる
- リアーキテクト・リファクタリングが必要になる
なかなか一足飛びにクラウド化というのは上手くいかないため、Step-by-Stepで移行していくことが望ましいという解説でした。
VMware Cloud on AWSのユースケース
では、どういったお客様にVMware Cloud on AWSを勧められるのか。
ユースケースとして挙げられていたのは大きく以下の4つです。
- アプリケーション移行&モダナイズ
- データセンター移行
- データセンター拡張
- ディザスタリカバリ(DR)
キングストン大学(インドの有名大学)の事例:
- 柔軟で俊敏なインフラを求めていた
- 大学のデジタル学習環境の移行をサポートしたいと考えていた
- 14ヶ月足らずで約300台のVMを移行した
バイク関連の大手企業の事例:
- アメリカの小売・卸売業で、データセンターを統合し、完全にクラウド化したいと考えていた
- データセンターのフットプリントを90%削減することができた
- 3週間でダウンタイム無く200のVMを移行した
新たなインスタンスタイプのアナウンス(NEW!)
VMware Cloud on AWSの新たなインスタンスタイプとして、M7iがサポートされました!
M7iインスタンスは、2023/10/30にリリースされた、クラウドで最速の Sapphire Rapids ベースのインスタンスです。
恐らく、現時点では日本リージョンで利用することはできません。今後に期待したいです!
インスタンス自体のリリースは以下を御覧ください。
ざっくりまとめると、このアップデートは以下の仕様です。
- コンピューティング専用ノード
m7i.metal-24xl
が利用できる- コンピュート自体のコストは下がる可能性が高い(が、外部ストレージ量によっては損益分岐がありそう)
- 48pCPU, 96vCPUを持ち、ハイパースレッディングが有効
- ネットワークは最大37.5Gbps
- メモリ搭載量は 384 GiB/Host
- 外部ストレージであるAmazon FSx for NetApp ONTAPか、VMware Cloud Flex Storageのアタッチが必須
- FY2024Q4 (2023/11-2024/1)にリリース
新インスタンスタイプ有効化デモ
会場では、新しいインスタンスタイプでの起動デモがありました。
新しくSDDCを立てる際にプルダウンから選べるようになるようです。
(リストには、i3, i3en, i4i, と M7i-24xlが存在していますが、真ん中の空白が気になっています。これからまた新しいタイプが追加されるのでしょうか)
実際にリリースされてから確認したいと思いますが、新規SDDCでないとEnableできないとの話もあったため、ストレージアーキテクチャ的に従来のi3, i3en, i4iとM7i間では容易に変更できないと思われます。
主な使用例の紹介もありました:
- 画像処理ワークロード
- ビデオエンコーディング、
- ゲームサーバー
- AI/MLワークロード(自然言語処理など)
その他はVPC Peering for External Storageや、vSAN ESAなどのアップデート紹介がありました。(が、目新しいものはなかったので割愛します)
感想
日本ではVMware Cloud on AWSは、正直まだまだマイナーサービスのひとつとして数えられています。
が、re:Inventではセッションが満席になるくらい注目度が高く、「既に使っている人〜!」とスピーカーが聞いたときに3-4割の手が挙がっていたので、人気のほどが伺えました。
年始にはリリースされると思いますので、リリースされ次第、検証してお届けしたいと思います!
このエントリが誰かの助けになれば幸いです。
それでは、AWS事業本部 コンサルティング部の荒平(@0Air)がお送りしました!
参考
vExpert仲間のネットワールド 工藤さんが最速でアップデート情報出されておりましたので、併せてお読みください!