(レポート) CTD202: Deliver and Monetize Your Content with Video Center Operations on AWS #reinvent
はじめに
清水です。re:Invent2016から少し間が経ってしまいましたが、現地で聴講してきたBreakout Sessionのレポートになります。 スピーカーはAWS ElementalのKhawaja ShamsさんとAWSのAlex Zhangさんです。
Breakout Sessionの内容はYoutubeでも公開されています。
またスライドについては以下のものが同一の内容のようです。(ELEMENTALデザインですね)
レポート
TV放送の歴史
- テレビの発明と開発期
- 1900年のパリ万国博覧会で初めて「TV」についての言及があった
- 1920年台はじめに長距離放送が発明されるが、この頃はTV自体の数がまだ少ない
- テレビの電子化と伝送の歴史、カラー化
- 1929年にはじめての"all electronic"なTV。マネタイズが考え始められる
- 1930年、40年台からTVネットワークができる。初期のカラーTVもこのころ。
- 1950年、60年台にはカラーTVがリリースされる。国際TV放送はこのころから。
- テレビの広がり
- 1990年代、アナログからデジタルの転換。フラットスクリーンへ。
- テレビの台数も増え、1997年のアメリカ国内のTV台数は219億台。
- IP革命
- IP伝送への変革
- iPhoneなどのスマートフォン、iPadなどのタブレット、 AppleTV、Xbox、PlayStationなど、再生機器は様々なデバイスへ。
- コンシューマがコンテンツをコントロールする方法の歴史
- VHS
- CD/DVD-r
- DVR
さらなるTVエクスペリエンスの充実のためには
- 視聴者が好きなものを体験させる
- ユーザによってTVの一時停止、巻き戻し、早送りができること
- 信頼性の向上
- ユーザが欲している広告の提供
クラウドでのライブ送出
- 放送はまだTVを見るための支配的な方法
- OTTをみるためにプライマリスクリーンを使うことが増えている
- モバイルとタブレットの使用についても増加している
- クラウドでの送出でできること
- 弾力性
- 柔軟性
- スケール
これまでの送出の課題とElementalを使った改善
これまでの送出設備の課題
- 更新が遅い
- スケールするために費用がかかる
- 固定されたストレージ容量
- たくさんのSDIケーブル
- ハードウェアキャパシティの制限
Elementalを使って改善
- 以下の点が改善される
- 更新が容易
- スケールが低コスト
- SDIケーブルの減量
統合されたチャンネル送出システムをクラウドで構成
- Elemental LIVE, Elemental DELTA, Elemental SERVERを使用する。
- 入力 DX、S3
- DXは1G/10Gを推奨
- ElementalのLIVE , DELTA, SERVERを間に挟んで、CFで配信、Devices/OTTへ。
- さらにDX経由で放送局 → 放送波に乗せてTVへ
デモ
- Elemental DELTAを使うことでTime Delayが可能
- モーショングラフィックスで字幕スーパーを付与可能。L字もできる
- これらはすべてWEB UIで実現されている。
クラウドの利点
- OTTの変化のペースに追いつける
- 放送レベルの弾力性の提供
- チャンネルのスケール
サーバサイドの広告挿入について(マネタイジングの未来)
OTTの広告の進化
2007年ごろの広告 - 静的広告
- 人口統計の考慮なし
- 広告キャンペーンへのリンクなし
- インタラクティブ性なし
2012年ごろ - クライアント側の広告収入
- クライアントが関連する広告を再生のポイントに挿入する
- 広告はパーソナライズされている
- 正確な指標
クライアントサイドでの広告挿入の問題点
- レイテンシが高いためにユーザーエクスペリエンスが低下する
- ライブでの広告挿入を処理するための洗練されたソリューションがない
- コーデック、ビットレート、およびアスペクト比の不一致
- 複数のプラットフォームとプレーヤーのためのコードを構築し、維持する
- デスクトップ&ウェブの広告掲載率が低い(AdBlockなど)
OTT広告の革命 - NEXT STEP
- サーバサイドでの広告挿入
- 完全にパーソナライズされた広告
- すべてのデバイスのサポート
- ブロック、スキップからの保護
- 放送品質のエクスペリエンス
- ライブ、VOD、タイムシフトアプリケーションに対応
OOYALA(ウーヤラ)のユースケース
視聴者のエクスペリエンスの向上
- 多くのデバイスへの配信を合理化する
- 広告掲載率が高いデバイスをより多くターゲティングする
- クライアント側ライブラリを備えたデバイスの豊富な経験
パーソナライズドの未来
- これまでの放送ベースだと、パーソナライズ化には限界がある
- OTTでさらなるパーソナライズ化
- パーソナライズド広告
- パーソナライズドスケジュール
まとめ
動画配信も含めた放送局での送出部分、またOTTの広告における収益について扱った、非常に興味深いセッションでした。
個人的には近年、クラウドを利用することで動画配信自体については比較的容易に実現できるようになってきていると感じています。そして次に課題となるのはマネタイジング/収益化ということが実感としてありました。今回はOOYALA/Elementalを使用したソリューションを紹介していましたが、マネタイジングをカバーできるさらなるシステムの広がりについても注目していきたいと思います。