[レポート] 里親とペットの出会いをサポートする「Petfinder」についてのChalk Talkに参加しました #reinvent #CPG202

Nestlé Purina社の提供しているサービス「Petfinder」についてのChalk Talkレポートです。
2022.12.06

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こんにちは!ペット関連のお話にはすぐに飛びつくSHIOです。

今回初めてChalk Talkに参加しましたので、そちらの様子をレポートします!

Chalk Talk 概要

Purina is seeking to create a more meaningful match with pets and their owners, starting from the very beginning of pet ownership. Purina modernized Petfinder and personalized the pet adoption journey to help their customers more easily find their new best friend across 11,000 animal shelters and adoption organizations across North America. Learn how Petfinder uses Amazon Rekognition and Amazon Personalize to help pet lovers search for and find the perfect pet.

Nestlé Purina社は、ペットとその飼い主の有意義な出会いのために「Petfinder」というサービスを提供しています。

Petfinder: 北米の11,000の動物保護施設や里親を探す組織で、人々が簡単に新しい親友を見つけることができるというサービス

このセッションでは、PetfinderがどのようにAmazon RekognitionとAmazon Personalizeを使用してペットが好きな人たちが最適なペットを検索して見つけるようにできるかを学びます。

レポート

Chalk Talkのアジェンダはこちらです。

Petfinderのサービス説明から始まり、サービスが抱えていた課題・背景、それをどのように達成しようとしているか等のお話やサービスがどのように構成されているか等のお話のあと、Chalk Talk参加者とのディスカッションを行うという形式でした。

背景 - Background

Petfinderとは?
・里親募集中のペットをオンラインで検索できるNo.1のデータベース
・Petfinderで探せるペットの種類は、猫・犬・ハムスター・うさぎ・馬・ヘビ・カエル・鳥・魚・家畜動物
・北米とメキシコにある11,000の動物保護施設や里親を探す組織と連携している

Petfinderのミッションは?
インターネット技術を利用し、
・里親募集中のペットに対する一般の認識を高めること
・安楽死をなくすために北米の里親プログラムを改善すること
・ペットを家族の一員にすること

なぜAWSなのか?
AWSはNestlé社のような顧客が、ビジネスの成功を実現するための革新的なソリューションの構築を支援してくれるため。

スピーカーの方が話してたことざっくりまとめ(意訳)
・このサービスを通してすべてのひとに里親募集中のペットを見てもらいたい。
・アプリを使えば必要としているものを見ることができる。
・ペットが家族の一員となるような、長期的な成功を納めたい。
・世の中にはさまざまなソリューションがあるが、どのような技術を使用するかが大きな要素となる。

課題 - Challenges

  1. 競合相手の脅威は勢いを増している一方で、Peftinderの成長・進化・前進する能力が限られている

  2. パートナーである動物保護施設や里親を探す組織ではパンデミックと不安定なペットの数が影響し、よりPetfinderを必要としている

  3. 社内ではペットと人の関係を改善するための進捗と価値を示すことに重点を置いている

スピーカーの方が話してたことざっくりまとめ(意訳)
・Petfinderのシェアはここ数年のびており、去年は里親募集のペット情報が50%増えた。
・これはNestlé Purinaの取り組みによるものが大きい。
・Covidの影響でペットショップからペットをお迎えする人が増え、その数はいままで見たこともないような数になった。
・しかし突然子猫が動物保護施設に送られることが多くなった。
(kittenとは言ってたんですけど話の流れから猫だけでなくペット全体でそうなのではないかなと思ってます。)
・我々の責任は、動物保護施設が必要とするものをリアルタイムで提供し、動物保護施設からペットを出すことを助けること。

戦略的ビジョン - Strategic vision "new business model"

ペットと里親のマッチングしたユースケースを構築し、データを競争力として活用することで新たなビジネスモデルを構築している。

設計の方針
・AWSのソリューションを可能な限り活用する
・サービスを分離させる
・独立展開可能なソリューション
・製品に対する最大限の再利用性

スピーカーの方が話してたことざっくりまとめ(意訳)
・可能な限り、AWSのソリューションを活用するつもり。
・これによってプラットフォームに一貫性を持たせることができる。
・独立してデプロイ可能なソリューションを確保し、サービスの最適化を実施し再利用性を最大化する。
・動物データ、組織データ、ユーザデータなどを共通の情報として使用する。
・↑それらが私たちのすべての製品を支えている。

ユースケース - Use case

  1. 里親として、明示的な好み・製品の動作およびPetfinderのマッチングの専門知識に基づいて譲渡可能なペットとのより良い迅速なマッチングを望んでいる

  2. 動物保護施設として、里親募集の基準、方針、ペットのニーズに基づいて、里親の可能性にある人を積極的に選別し管理したい

  3. 動物保護施設として、完全・正確なペットのプロファイル作成を可能にするインテリジェントなテクノロジーを導入したい

スピーカーの方が話してたことざっくりまとめ(意訳)
・以前は静的なフィルターがあるだけで、ただ情報をフィルタリングして結果を表示するのみだった。
・現在ではAWSやGoogleと連携し消費者の行動を分析することで、より意味のあるより予測性の高いマッチング結果を生成することができる。
・動物保護施設の視点からは、ペット譲渡のポリシーに基づいて里親候補者を積極的に認定し、管理したい。場所によっては里親になるための基準を本当に厳しくしている。

ソリューション - Solution

パーソナライゼーションのためのソリューションコンポーネント

[Data ingestion]

  1. クライアントに提供されたHTTP APIエンドポイントを通じて、クライアントから直接データを生成する。

  2. イベント(イントラクションデータ)は直接Kinesis Data Streamsに送られ、そこからLambda関数が起動し、personalize PutEvents APIを呼び出してAmazon Personalizeのイベントトラッカーにイベントを格納する。

  3. 新しいペットグループが発見されると、別のHTTP APIエンドポイントがクライアントから呼び出され、Amazon Personalizeのイベントトラッカーにアイテムが追加される。

  4. 新しいユーザーが追加されると、別のHTTP APIエンドポイントがクライアントから呼び出され、Amazon Personalizeイベントトラッカーにユーザーが追加される。さらにステートマシンが起動されてソリューションが保持される。

  1. パーソナライズデータグループセットに新しいユーザーが追加されると、新しいモデルのトレーニングプロセスが開始される。このプロセスは、AWS Step Functionsで管理される。CloudWatchのイベントとして、インジェストユーザーAPIのリクエスト数が設定され、このステートマシンの実行のトリガーとなる。

  2. イベントトラッカーをパーソナライズするために新しいアイテムグループを追加すると、2時間ごとに自動的に内部トレーニングが開始される。

スピーカーの方が話してたことざっくりまとめ(意訳)
・当初は異なる2つのオプションを検討していた。
・その内の1つは似たようなデザインだけど、バッチ処理を行うこと。
(アプリケーションのインタラクションを取り込んで照合し、24時間ごとに更新するというもの)
・しかし、ユースケースを考えたときにもっとより高速な照合が必要だと考え、バッチ処理では何かを見逃してしまうのではないかとの懸念がでた。
・そこでkinesisを使用してLambda関数を呼び出し、personalization optionを生成している。
・↑つまりリアルタイムでサービスを提供できる

結果 - Outcomes

WHAT WE LEARNED

・少なくとも1つの「相性が良い」属性がある場合、ペットは約12.5日譲渡される。
・6割以上のシェルターがペットプロフィールを作成しているが、「good with」欄の記入に抵抗がある。
・Petfinderのペットの多くは雑種の成犬で、シェルターは犬種、サイズ、年齢を正しく把握するのに苦労している。
・シェルターのリソースは限られており、1件のペットを掲載を完了させることすらできないことが多い。

WHAT'S NEXT

よりインテリジェントな製品やアプリケーションを実現するAI/MLアーキテクチャを設計・構築し、限られた技術的依存性を生み出すこと。

・画像認識による品種属性を識別し、プロファイルを最適化する。
・シェルターが里親の行動を理解するための報告書とデータのインセンティブを提供する
・機械学習による高速マッチングの向上

今後の長期的なビジョンと現在の取り組み(Petfinderのポータルのために、Amazon Congnitoを中心に構築したSSOソリューションを開発している)のお話がありました。

ディスカッション - Whiteboard/discussion

ホワイトボードは、PetfinderのPurina ecosystemについてです。

データ戦略の3つの項目

  1. Unify
    セキュアに利用できる様にデータを一箇所に集め、その管理・統制を行うこと。

  2. Innovates
    実際にデータを正しく使用するために、データを正しい状態にすること。

  3. Modernize
    AI/MLのイベントを利用して、パーソナライズされた分析などを行うこと。

質問してみた

プレゼンの内容で気になったことを質問してみました!質問の内容は技術サイドではなく、サービスサイドの質問となります。

Q.  
お話の中にあったようにペットを引き取ってからが長旅であり、大切だと言っていましたがもし再度シェルターに返されてしまったペットがいた場合どうなりますか?
シェルターの責任(対応するべき範囲)になりますか?

A.
シェルターだけの責任ではない。Petfinder側もソリューションを用意している。(詳しいソリューションについてのお話はでませんでした)
返された子のリマッチングは可能で、ただし、Webからはもうその子の情報は表示されずアプリのみになる。

Q.
サービスに登録されている動物保護施設はどうやって集めてるんですか?Petfinderの登録を動物保護施設にすすめるような形ですか?

A.
そこについてはオプショナル。それぞれの動物保護施設が登録するかしないかを決めている。

まとめ

私の中でChalk Talkはディスカッションが多いイメージだったのですが、今回参加したChalk Talkはプレゼンテーションがメインでした。「里親とペットの出会いをマッチングする」という興味のある内容のサービス詳細やアーキテクチャを知ることができてとても面白かったです。

余談ですが、冒頭で、AWSのスピーカーの方が「このChalk Talkのタイトルに機械学習とかAIという言葉を使いたかったけどまだ出来ないんですよねHAHAHA」と笑っていて、意味が分からず「なんで???」と思っていたのですが、後の説明でまだアーキテクチャ的にそこまで組み込めておらず、ML/AIが次の課題だと気づいたときに ああー!なるほど...! と納得しました。疑問点が解決されたあの感じ、最高です。爽快感(笑)
お話の仕方がとてもうまい....!引き込まれました。

レポートは以上となります!
Petfinder、北米限定のサービスではありますが、興味がある方は是非調べてみてください!

ここまで読んで頂きありがとうございました。