【レポート】セッション「Boost Design Productivity with Alteryx Automation(Alteryxの自動化により設計の生産性を向上)」– Alteyrx Inspire 2023 #alteryx23

最後におまけの小ネタあり!アメリカではほとんどハンカチ使わなかった話
2023.05.31

こんにちは、まつおかです。

2023年5月22日(月)~5月25日(木)まで、アメリカ・ラスベガスで開催されたAlteryxの年次カンファレンスイベント「Inspire 2023」に現地参加してきました。

当エントリではイベント3日目に行われた東洋エンジニアリング様(日本企業によるセッションは東洋様だけ!)のセッション「Boost Design Productivity with Alteryx Automation(Alteryxの自動化により設計の生産性を向上)」のレポートをお届けします。
このセッションは個別の部屋ではなく、各ブース横にあるTHEATERと呼ばれるエリアで行われました!

セッション概要

当セッションの概要は以下のとおりです。

We have developed a fully automated, streamlined business workflow, allowing us to reduce the manhours by around 80% comparing with the manual way. It is achieved by integration of Alteryx Server API with CAD Application API.

完全に自動化された合理的な業務ワークフローを開発し、手作業と比較し約80%の工数削減を実現しました。Alteryx Server APIとCAD Application APIを統合することで実現しています。

セッションレポート

東洋エンジニアリングについて

  • グローバルEPC企業
    • EPC(E:Engineering、P:Procurement、C:Construction)
    • 数億ドルから数十億ドルの巨大なEPCプロジェクトを実行
    • 高度なEPCの管理を活用しどこにでも巨大な化学プラントを建設
    • 数年にわたり数千人の労働者を擁する数十の下請け業者と協力
  • グローバルネットワーク
    • 日本や中国を始めアジア、世界にネットワークを展開
    • 今年3月時点で従業員6,600名超

登壇者紹介

  • Jifeng Qiu 氏
    • DX エンジニアリング部、ICTプロジェクトのチームマネージャー
    • 流体力学博士号
    • Alteryx ACE
  • Motoi Tokimatsu(時松 基)氏
    • DX エンジニアリング部、R&Dプロジェクトのシニアエンジニア
    • Alteryx CoE
    • Alteryxを使用した3D CAD Automationワークフロー開発者
  • Daisuke Tsuchiya(土屋 大輔)氏
    • DX エンジニアリング部、R&D/ICTプロジェクトのセクションマネージャー
    • 配管技術者16年、3Dチーム7年
    • AlteryxパイオニアでありCoE
    • 東京Alteryxユーザーグループ副リーダー

イントロダクション

  • Alteryxは不可能を可能に
    • プログラマーでなくても、Alteryxだけで複雑なエンジニアリングプロセスを自動化することが可能
      ↓↓スパゲティワークフロー(!)と紹介されたワークフローサンプル↓↓
  • Alteryxは3D CAD DXにおける必須のツール
    • 3D CADデータベースからデータを抽出し独自のデータベースに保存
    • データ分析と品質管理のチェック
    • Alteryx Server APIとCADアプリケーションAPIの統合

Smart 3D(S3D)について

  • 設計品質の向上
  • 建設図面の生成
  • 材料の見積もり作成
  • 他のエンジニアリングシステムとの統合

S3Dからのデータレポート

  • SQL Server
    • テーブル:600
    • ビュー:20,000
    • 各テーブルレコード:10K~10M以上
  • これらのデータから、20~50のビューを結合してレポートを作成
    • 各プロジェクトにカスタマイズし、合計500以上のクエリ
    • 複雑なレポートはExcelでの抽出、クレンジング、結合に約1週間かかることも・・・
      再現性がない!!

Alteryxを使用したS3Dからの一括レポート抽出

  • 一括で複数の目的、複数プロジェクトのためのマスターレポートを生成
  • 各プロジェクトや異なるユーザーへの個別カスタマイズは不要
    • SQL Server:20Kビュー ✕ 10K~10Mレコード
    • 必要なビューを選択:130ビュー ✕ 10K~10Mレコード
    • SQL Query:13テーブル ✕ 10K~10Mレコード
    • Alteryxでマスターテーブルを生成:4テーブル ✕ 10K~10Mレコード
    • Alteryxでレポート生成:20以上のファイル * 数百から数百万のレコード
    • エンドユーザーの要件に基づく追加のプロセス
  • ユーザーの要望に応えながら4年間成長し続けるワークフロー
    • yxwzファイルサイズ:32MBから70MBへ
    • XMLソース:47,000行から124,000行へ
  • 20以上のプロジェクトに適用

  • Alteryx Serverによって20以上のレポートを生成
  • サーバーのアイドル時間を活用
  • 生成時間が数週間から20分に短縮
  • Alteryx Serverによる自動更新と毎日のTeams上での共有、待ち時間なし

Alteryxの自動化により、設計の生産性を向上

ビジネス課題

  • WMI(溶接マップアイソメトリック)図面は配管の製造や設置において大きな利便性を提供
  • 追加の情報を3Dモデルに手動で入力するため設計者には追加の労力が必要
  • 典型的なプロジェクトではWMI図面の作成に関連する手作業に合わせ総計で4万5000人時以上の労力が必要

手作業

  • シート分割用のアイソメ図面
  • フィールド溶接の割り当て
  • WBSの作成
  • モデル内のシート分割
  • フランジジョイント番号の割り当て
  • サポート溶接番号の割り当て
  • スプール作業
  • 溶接番号の割り当て
  • WMI 図面の更新
  • QC

これをAlteryxで自動化することで・・・

  • Alteryxサーバー上のAlteryxワークフローを、社内プログラムからAlteryx Server APIを介してトリガーすることで、S3D外でいくつかのS3D標準操作を実行
  • これらの操作の結果をS3D外のデータストリーム1として取得
  • S3Dデータベースから必要なデータをデータストリーム2として取得
  • データストリーム1と2を組み合わせて、Alteryx内に組み込まれた設計ルールに基づいてAlteryxで必要な属性を計算
  • S3D APIを利用して3Dモデルを直接更新し結果を返送

AlteryxとS3D APIを使用し設計ルールを自動化することで、手作業を85%削減!!
44,800時間が6,700時間となり、38,100時間の節約!!

さらにより良い統合プラットフォームを!

Alteryxのワークフローと自動化による生産性と品質の向上
労働時間の85%削減

さいごに

以上、東洋エンジニアリング様のセッション「Boost Design Productivity with Alteryx Automation(Alteryxの自動化により設計の生産性を向上)」のレポートでした。

Alteryx Designerで処理を作成し、Alteryx Server、Alteryx Server API、S3D APIなど、製品それぞれの便利な機能を活かし連携、業務の品質を向上させた上に38,100時間の節約という結果を出された流れはまさに理想形だと思いました。
途中披露いただいたワークフローを「スパゲッティワークフロー」と表現されていましたが、このような結果を出されたワークフローには誇りを感じていらっしゃると思います。
何年にも渡りAlteryxを使用して生産性と品質の向上を追求されている東洋エンジニアリング様、素敵でした!!

おまけの小ネタ

(ここからはセッションとは関係のない、アメリカ出張に関する小ネタです!)

今回の出張は1週間と少し長めの日程でした。
この間、毎日替えのハンカチが必要だと思い日数分持参していたのですが、、、空港も、ホテルも、レストランも、どこのお手洗いに行っても手を拭くための紙が用意されており、自分のハンカチで手を拭くことはほぼありませんでした。
さらに、ハンドソープもないところ多いだろうな~と勝手に想像し小さなボトルを常備していたのですが、それも全く不要。どこもちゃんとハンドソープが用意されており、気持ちよく手を洗うことができました。
日本だとハンドドライヤーを設置されているお手洗いが多く、スッキリ乾かなくて結局ハンカチを使うことが多いですが、そんな心配は無縁でした!

すごい量の紙ゴミだろうな、とは思いましたが・・・w