[レポート] E-10 プロダクトの育て方 〜Lean XPによるJR東日本アプリ開発〜 – プロダクトマネージャーカンファレンス2022 #pmconf2022
2022年11月02日(水)、プロダクトマネジメントに携わる人たちが共に学び、切磋琢磨するイベント『プロダクトマネージャーカンファレンス2022』がオンライン形式で開催されました。
当エントリでは、ブレイクアウトセッション『プロダクトの育て方 〜Lean XPによるJR東日本アプリ開発〜』の参加(視聴)レポートをお届けします。
目次
セッション概要
セッション概要は以下の通りです。
プロダクトの育て方 〜Lean XPによるJR東日本アプリ開発〜
[登壇者]
・安倍 孝典氏(東日本旅客鉄道株式会社 マーケティング本部 戦略・プラットフォーム部門 MaaSユニット/副長, JR東日本アプリプロダクトマネージャー)
[セッション概要]
「JR東日本アプリ」は、JR東日本をご利用いただくお客さまの移動をサポートするスマートフォン用アプリです。2019年のリニューアル以降、多くのお客さまにご利用いただけるアプリへと成長を続けています。
この成長を支えているのは、お客さまからの声とわたしたちJR東日本アプリ開発チームが採用している「Lean XP」という開発手法です。 本セッションでは、Lean XPを通してどのようにJR東日本アプリを育てているか、Lean XPにおける「開発プロセス」や「PMの役割」等の観点からお話します。
(※以上、公式サイトより引用)
セッションレポート
自己紹介
- JR東日本アプリ プロダクトマネージャー
- 東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)
- 日本国有鉄道(国鉄)から事業を継承し1987年に発足
- 鉄道事業・生活サービス事業・IT・Suica事業など幅広い事業を展開
- 1日あたり「約1314万人」のお客様が鉄道をご利用
- JR東日本アプリ
- 列車での移動をサポートする情報提供アプリとして2014年にリリース
- Lean XPを採用し、2019年に新JR東日本アプリをリリース
- 多くのお客様にご利用いただくアプリへと成長中
Lean XPとは?
- 「リーンスタートアップ」「ユーザー中心設計」「エクストリームプログラミング(XP)」のプラクティスを採用した開発手法
- Lean XPを実現するチーム
- プロダクトマネージャー、デザイナー、デベロッパーの3つのロールでチームを編成
- JR東日本社内に内製化チームを編成
- ビジネス側とチームが力を合わせてプロダクト価値を創出
- 「Discovery」「Framing」「Development」を行き来する開発スタイル
- 異なったスキルを持つ各ロールが協力してプロダクトの価値を創出
プロダクトを育てるために大切にしていること
1.学びを大切に
- 学びからアクションを決定
- ①何を学びたいか?
- ②どのようなことをすれば学びを得られるか?
- ③学びを得るために何を作るか?
- 学びを得るためのものを作る→学びを得るための実験等を行い、データを集める→学びを得る/アクションを決定
2.継続的なリスクの低減
- プロセス内の各活動でリスクを低減
- 「作る→測る→学ぶ」のサイクルによりプロダクトリスクを低減
- Discoveryフェーズ:[課題・ニーズ、リスクの低減] トピックマップを作り、ユーザーインタビューで測り、分析・評価で学ぶ
- Framingフェーズ:[ソリューションリスクの低減] プロトタイプを作り、ユーザビリティテストで測り、分析・評価で学ぶ
- Developmentフェーズ:[価値・技術・品質リスクの低減] 小さな価値のプロダクをと作り、リリースで測り、分析・評価で学ぶ
3.仮説からのスタート
- アイデアから「仮説の塊」を導き検証
- アイデアの粒度は様々
- アイデアに隠されている仮説を洗い出す力
- リスクの高い仮説(間違ったらアイデアが崩壊する)を特定して検証
- 検証すべき重要なモノを特定
- ペルソナ/課題・ニーズ/ユースケース/ソリューション/プロダクト/リリース
4.やらないことの決定
- 今、やらないこと(できないこと)は捨てる
- ユーザーリサーチなどで明らかになる沢山の「課題」から、ビジネス価値&ユーザー価値の高いものを見極め、それ以外はやらない...という判断をしていく
5.強みを磨く
- 「わたしたちだからできること」を追求
- バリュープロポジション
- 独自のUI/UX
- リアルタイム検索(列車遅延を考慮した乗換検索)
- 細やかな運行情報通知
6.チームにコミットする
- 常にバランスチームにコミット
- バランスチームとは?
- 共通のゴール
- フラットな関係性
- 一人ひとりの強みをチームに活かす
- 思いやりのあるフィードバック
- 同じ時間・場所で働く(9-18時)
- サスティナブルなペース(1日8時間)
- プロダクトに関する適切な権限
さいごに
- 小さくはじめる勇気を持つ
- 小さな価値の積み重ねが大きな価値に繋がる
まとめ
という訳で、プロダクトマネージャーカンファレンス2022のセッション『プロダクトの育て方 〜Lean XPによるJR東日本アプリ開発〜』の視聴レポートでした。