[ゼロから始めるプロジェクトマネジメント] プロジェクトの定例、会議を最小化しよう
情報システム室の進地@日比谷です。
プロジェクトが走り出したら、様々な会議体が発生することになると思います。
進捗Mtg、課題管理Mtg、障害管理Mtg、報告会、レビュー、朝会、夕会、スポットで入る様々な検討Mtg、etc...
これらを野放図に増えるままにしていてはいけません。
その理由とこれらを削る具体的なテクニックに関して今回は書きたいと思います。
定例、会議を最小化しなければいけない理由
まず、偉い人を中心に見落としがちな真理が一つあります。
それは、「会議では何も成果物は生み出されない」という真理です。
会議では、決定は行われますが、製造は行われません。
最終的に価値を生み出す成果物は全く作られません。
このことを偉い人達にはよくよく認識していただく必要がありますが、それはまた別のレイヤーの話になってしまうのでここでは置いておきます。
ともかく、会議をする=実際にモノを作る時間が削られる
という真理を頭に叩き込んでください。
PMである貴方は、実際に価値あるモノを生み出す能力を持った人々(プロジェクトメンバー)にいかに生産に寄与する時間を持ってもらえるかに苦心する必要があります。パーキンソンの法則ではないですが、世の定例、会議というものは放っておくと限界まで増える傾向があります。それは会議というものが、何も生み出さないが何かをした気になるチート効果をもつ
からです。
冷静にそろばんを弾いてください。生産できる人がいなければ絶対に最終的にモノを作り上げることはできないのです。決定できる人、もちろん必要でしょう。でも、絶対でしょうか?決定できる人だけがいても最終的には何も作れません。生産できる人達だけで構成された場合、間違ったものを作ってしまうリスクはあります。しかし、それでも試行錯誤の末、価値あるモノを作り出せる可能性は残ります。生産できない決定するだけの人達だけで構成された場合、何も作れません。絶対に作れません。ここを頭に叩き込んでおいてください。プロジェクトが始まったら、PMは生産できる人を重視しなければいけません。
ですので、会議は厳選してください。そして、最低限必要な会議であったとしてもその時間は最小化してください。5分でもいいから短くできる方法はないか?それを考え続けるのはPMの仕事です。
定例、会議を最小化する具体的なテクニック
それではPMができる、定例、会議を最小化するテクニックについて述べていきます。
- 会議の目的を問い続ける
- PMが代わりに会議に出る、細かく報告する
- FAQを用意する
- 事前にアジェンダを配り、議事録はPMが書く
- 定例を蛇蝎のように嫌う
1. 会議の目的を問い続ける
会議の目的を明確化してください。増やそうとする時も、続けている時も常に意識してください。
ここで意識というと、心がけレベルのイメージが湧くと思いますが、違います。文章化してください。言語化してください。
目的が言語化できない会議は不要
なので削りましょう。
2. PMが代わりに会議に出る、細かく報告する
どうしても削れない会議というものはあると思います。
しかし、それらすべての会議において、生産できるメンバーの参加が必要なのでしょうか?
ここを常に問いましょう。PMが出ればすむ会議であれば、PMが出てメンバーは生産活動に集中してもらいましょう。
また、偉い人を不安にさせるとややこしいので、PMが報告を細かく行うようにしてメンバーを守りましょう。
3. FAQを用意する
ちょっとした疑問を解消、確認するためだけに会議を開催する人がいます。
偉い人の中にもいます。
抗議や説得をするのも一案ですが、そもそもよくある質問と回答集があれば、つまりFAQがあれば、リンクを送るだけで会議を回避できます。
とはいえ、FAQを事前にガッツリ作るのも工数がかかるので、質問されるたびにその質問と回答を登録するDBを持つことをお勧めします。
4. 事前にアジェンダを配り、議事録はPMが書く
会議をしなければいけないなら、せめてその時間を1分でも2分でも短くなるようにしましょう。
事前にアジェンダを作って関係者に配って、もらえるフィードバックはもらっておきましょう。
その結果、「あれ?ほとんど問題が解決したぞ。会議する意味あまりなくなっちゃったな」となったら、速攻その会議は取りやめましょう
。
議事録もPMである貴方が書きましょう。
決して、成果物を作るメンバーに書かせるなどといった愚行を行なってはいけません。
書類仕事は貴方の仕事です。
5. 定例を蛇蝎のように嫌う
すべての定例は例外なく形骸化することは万有引力の法則に次ぐ法則として知られています。
とにかく、普段から定例は嫌い、増やしたくない、という意思表示をしましょう。
定例は主に開発のリズムや進捗管理に有効ではあります。実際そうです。
しかしながら、生産に関わらない人と定例する意味は全くありません。
当初の目的も霧散した定例を続けることは地球資源の無駄です。やめましょう。
家計改善のコツが固定費の見直しであるように、会議体改善のコツは定例の見直しにあります。
メンバー同士のコミュニケーションは推奨する
定例、会議を減らすことの大切さについて書いてきました。こうすると誤解されがちなのが、生産に関わるメンバー達同士のコミュニケーションも無駄と捉えることです。それは間違っています。生産に必要なコミュニケーションはむしろ推奨し、積極的に取ってもらわなくてはいけません。チームビルディングのための懇親会や雑談の時間などもとても重要です。
PMは決定する人と実行する人の境目に立つポジションです。したがって、決定する人たちと実行する人たちの間で必要なコミュニケーションは醸成するし、不要なコミュニケーションは防ぐ役目があります。要件を決めるフェーズにあっては相互のコミュニケーションは活発に行う必要があります。しかし、設計、製造のフェーズに入ったら生産メンバーが全力で走れるように、余計なコミュニケーションからメンバーを守る必要があります。そして、メンバー同士には自由闊達にコミュニケーションをとってもらいながら最高の仕事をしてもらうのです。