VPCピアリングとRoute 53のプライベートホストゾーンを使用したVPC間DNS名前解決をやってみた
はじめに
かつまたです。
VPC間でのDNS名前解決は、マイクロサービスアーキテクチャやマルチVPC環境での重要な要件です。本記事では、VPCピアリングとRoute 53プライベートホストゾーンを使用して、異なるVPC間でDNS名前解決を実現する方法を説明します。
やってみた
1.前提条件
以下の要件で環境を構築します。
- VPC1: 10.0.0.0/16
- VPC2: 172.16.0.0/16
- 各VPCのパブリックサブネット上にEC2インスタンスを1台ずつ
- インバウンドルールにSSH(22)、ICMP、DNS(53)を設定する。
2.VPCピアリング設定
1.「VPC」→「ピアリング接続」から「ピアリング接続を作成」を選択します。作成したVPC2つを選択し、VPCピアリングを作成します。
2.作成したピアリング接続を承認します。作成したピアリング接続の詳細画面から「アクション」→「リクエストを承認」を選択します。
3.各VPCのルートテーブルを更新し、VPCピアリングへの接続ルートを追加します。
VPC1のルートテーブルにおいて宛先をVPC2、ターゲットを作成したVPCピアリングとしたルートを作成します。
VPC2のルートテーブルにおいても同様にルートを編集します。
3.プライベートホストゾーン作成
Route53でプライベートホストゾーンを作成します。
1.「Route53」→「ホストゾーン」から「ホストゾーンの作成」を選択します。設定項目の「タイプ」を「プライベートホストゾーン」とし、「ホストゾーンに関連づけるVPC」で作成したVPCのリージョンとVPC IDを選択します。ホストゾーンを作成します。
2.名前解決のためのレコードを作成します。以下の設定で2つのサーバそれぞれのレコードを作成します。
- レコード名
- レコードタイプ:Aレコード
- 値:EC2のプライベートIPアドレス
4.接続確認
EC2に接続し、別VPC内のEC2への名前解決を確認します。
1.VPC1のEC2にSSH接続し、接続確認のために以下コマンドを実行します。
ping 接続先EC2のドメイン名
以下の結果が出力され、接続確認ができました。
ping ec2-2.example.mydomain
PING ec2-2.example.mydomain (172.16.15.45) 56(84) bytes of data.
64 bytes from ip-172-16-15-45.ec2.internal (172.16.15.45): icmp_seq=1 ttl=255 time=2.43 ms
64 bytes from ip-172-16-15-45.ec2.internal (172.16.15.45): icmp_seq=2 ttl=255 time=0.867 ms
--- ec2-2.example.mydomain ping statistics ---
4 packets transmitted, 4 received, 0% packet loss, time 3009ms
rtt min/avg/max/mdev = 0.375/1.296/2.437/0.772 ms
2.以下のnslookupコマンドで名前解決を確認します。確認できたら、VPC2のインスタンスにSSH接続し、再度名前解決を確認することができます。
nslookup 接続先EC2のドメイン名
以下の結果が出力され、名前解決が確認できました。
[ec2-user@ip-172-16-15-45 ~]$ nslookup ec2-2.example.mydomain
Server: 172.16.0.2
Address: 172.16.0.2#53
Non-authoritative answer:
Name: ec2-2.example.mydomain
Address: 172.16.15.45
おわりに
VPCピアリングとプライベートホストゾーン、レコード作成を実施しながら、別VPC間の名前解決の仕組みについて学習することができました。ご覧いただきありがとうございました。
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