Auth0のproduction checks suiteを実行して本番環境で使用できる状態か確認する

2020.02.26

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アプリケーションを本番環境にデプロイする前、手動であれ自動であれ必ず本番にデプロイしても大丈夫かチェック/テストするかと思います。

Auth0を使う場合、アプリケーションに必要な設定をほとんどGUI上で行うことができ非常に便利ですが、その設定を使って本番環境で動かして大丈夫かどうか確認したいことがありますよね。

Auth0では、production checks suiteという機能が用意されており、 それを使ってテナントが本番環境で使用できる状態であることを確認することが可能です。

今回は実際にチェックを実行して内容を確認していきたいと思います。

Howto

チェックを行うには、 Auth0サポートセンターテナントセクション にアクセスします。

Auth0にログインしていない場合はログインします。

ナビゲーションバーにあるテナントをクリックすると、以下のようにテナント一覧が表示されます。

テナントがボックス表示で分けられています。checkしたいテナントの歯車マーク(右上)をクリックします。

Run Production Checkをクリックすると、checkツールのページに遷移します。

Select Applicationsでテナントに紐づいている複数のアプリケーションを選択できます。 今回は1つを選択して実行します。

RUN CHECKボタンを押すとチェックが始まります。

実行が終わると結果が表示されます。

production checks suiteの実行はこれで完了になります。

Required, Recommended, Best Practices とタブが分けられていて、数も表示されていますね。 この数はcheckに失敗した数です。下にcheck項目と詳細情報などが表示されています。

では、check項目の結果、内容などをみていきます。

チェック結果について

結果のタイプには Required, Recommended, Best Practices の3つがあります。

Required

本番環境にデプロイする前に完了するステップがないかどうかのチェック。ステップがあるとエラーが表示されます。

Support Email is configured

テナント設定でサポート用のEmailアドレスが設定されているかどうかの確認。

ドキュメント

Support URL is configured

テナント設定でサポート用のURLが設定されているかどうかの確認。

ドキュメント

Email Provider is configured

カスタム電子メールプロバイダーが構成されているかどうかの確認。

ドキュメント

Allowed Web Origins are not Localhost

許可されたWeb Origins URLがlocalhost(http://localhost:3000のような)を指していないことを検証

ドキュメント

Allowed Callback URLs are not Localhost

アプリケーションの許可されたコールバックURLがlocalhost、127.0.0.1などを指していないことを検証

ドキュメント

Allowed Origins (CORS) is not Localhost

ページのロケーションURLがlocalhostを指していないことを検証

ドキュメント

Tenant Environment Tag is configured

テナント環境タグが本番、ステージングまたは開発のいずれかに適切に設定されていることを確認

ドキュメント

Social Connections are not using Auth0 Developer Keys

Social ConnectionsがデフォルトのAuth0開発者キーを使用していないことを確認

ドキュメント

Guardian SMS Provider is configured

Guardian Multifactor Authenticationを使用している場合、Twilio SMSプロバイダーが設定されていることを確認

ドキュメント

Legacy User Profile is disabled

レガシーユーザープロファイルトグルがオフになっていることを確認

ドキュメント

Allow ID Tokens for Management API v2 Authentication is disabled

「management API v2認証のIDトークンを許可する」トグルがオフになっていることを確認

ドキュメント

Recommended

Auth0が推奨するステップがないかどうかが確認されます。提案された手順を完了する必要はありませんが、少なくとも結果を確認して、実装に役立つかどうかを確認することをお勧めします

Custom Error Page is configured

アプリケーションの詳細と企業ブランドを使用してカスタムエラーページを構成することを推奨

ドキュメント

Password Reset Page is customized

アプリケーションの詳細と企業ブランドを使用して、パスワードリセット用のカスタムホストページを構成することを推奨

ドキュメント

Guardian Multifactor Page is customized

Guardian Multifactor Authenticationを使用している場合は、アプリケーションの詳細と企業ブランドを使用して、Guardian Multifactorのカスタムホストページを構成することを推奨

ドキュメント

Custom Domain is configured

ユニバーサルログインでカスタムドメインを使用することを推奨

ドキュメント

Guardian Multifactor or other Multifactor Authentication Providers

認証戦略の一部として多要素認証を検討することを推奨

ドキュメント

Redirect Logout URL

許可されたリダイレクトログアウトURLを確認することを推奨

ドキュメント

MFA for Tenant Administrators is enabled

テナント管理者は多要素認証を有効にすることを推奨

ドキュメント

Use RS256 Instead of HS256

JsonWebToken Signature AlgorithmはHS256 over RS256に設定することを推奨

Email Templates are configured

アプリケーション固有の詳細と企業ブランドでカスタム電子メールテンプレートを構成することを推奨

ドキュメント

Best Practices

Auth0が自動チェックを使用できない領域です。懸念される可能性のある領域を一覧表示します。実装を確認して、Auth0の推奨事項に準拠しているかどうかを確認することをお勧めします。

Tenants and Administrators

すべてのテナントとテナント管理者を確認し、それらが正しいことを確認します。 使用されなくなった廃止テナント。テナント管理者が必要なユーザーに限定されていることを確認

SSO Timeout Values

デフォルトのSSO Cookieタイムアウト値を確認し、要件に合っていることを確認

ドキュメント

Verify Client Ids in App Code

アプリケーションコード内で、クライアントIDがAuth0アプリケーション構成と整合していることを確認

Whitelist Auth0 Public IPs

ルール、フック、またはカスタムデータベース内から内部サービスまたはファイアウォールサービスに接続している場合、Auth0 IPがホワイトリストに登録されていることを確認

Anomaly Detection

Auth0異常検出機能と構成を確認することを推奨

ドキュメント

Externalize Configuration Parameters

ルール、フック、またはカスタムデータベース接続を開発するときは、資格情報、接続文字列、APIキーなどをルールにハードコードするのではなく、構成パラメーターに外部化することを推奨

ドキュメント

本番デプロイする前には必ずチェックしよう

タイプがRequiredのものは必ず通しましょう。 Recommendedのものも通した方が良いですね。

ベストプラクティスとどれだけ離れているかの目安となるよう、Best Practicesのものも確認した方が良いと思います。

また、Auth0でチェックリストのエクセルも提供されているので、システムのニーズに合わせてカスタマイズしていくことも良いと思います。

参考