S3 Glacier Deep Archiveを実際に使ってみた

S3 Glacier Deep Archiveを実際に使ってみた

2025.11.07

はじめに

こんにちは、SAA 学習中の山本翔大です。
今回は Amazon S3 について学習する中で、「Glacier Deep Archive」というストレージクラスに興味を持ちました。そこで、実際に使用感を確かめてみたいと思います。

Glacier Deep Archive とは

まず、Glacier Deep Archive について簡単におさらいします。
Glacier Deep Archive は、S3 で最も安価なストレージクラスです。

主な特徴:

  • S3 最安の料金
  • 取り出しに時間がかかる(標準で 12 時間以内)
  • 最小保存期間 180 日

大容量のデータを安価で保存できる代わりに、取り出しに時間がかかるというのが特徴です。
今回は、実際にどれくらいの時間で取り出せるのかを検証してみます。

やってみた

事前準備として 10 GB 分のテスト用ファイルを用意してください。

1.SNS トピックの作成とメール通知設定

取り出しの時間を調べるために SNS トピックを作成します。
SNSsetting 2025-10-30 11.38.59.png
タイプをスタンダードに設定し、名前はわかりやすいものをつけてください。

トピックの作成が完了したら、次にサブスクリプションの作成をします。以下の設定でサブスクリプションを設定してください。

  • トピック ARN : 作成した SNS トピックを選択
  • プロトコル : E メール
  • エンドポイント: メールを受信したいメールアドレス

設定完了後、入力したメールアドレスに認証メールが届いているので、メール内のリンクをクリックしてサブスクリプションを確認するのを忘れないようにしてください。

2.S3 バケットの作成

次に S3 バケットを作成します。
バケット名を設定しその他はデフォルトの設定で作成してください。
s3 Make.png

3.イベント通知の設定

次にイベント通知を設定します。
作成した S3 バケットのプロパティからイベント通知のタブを探し、イベント通知の作成をクリックします。
オブジェクトの復元タブで以下の設定にチェックを入れてください。

  • s3:ObjectRestore:Post
  • s3:ObjectRestore:Completed

この設定をすることでオブジェクトの復元が開始された時と終了した時にメールで通知されます。
最後に送信先を SNS トピックに設定し、最初に作成したトピックを選択して変更の保存をクリックしてください。
s3setteing 2025-10-30 15.37.27.png

4.ファイルのアップロード

次にファイルをアップロードします。
今回は 2 GB のファイルを 5 つ用意しました。
ストレージクラスを Glacier Deep Archive に設定しアップロードします。
アップロード 2025-10-30 15.51.24.png

5.オブジェクトの復元

次にアップロードしたオブジェクトをダウンロードしてみます。 Glacier Deep Archive に入ったオブジェクトをダウンロードするには一度復元リクエストをし、復元が終わってからダウンロードする必要があります。
復元したいオブジェクトを選択しアクションから復元を開始をクリックします。

次に復元の設定をします。 復元完了後、オブジェクトをダウンロード可能な期間(日数)を設定し、取得階層を選択します。
Glacier Deep Archive には以下の 2 つの取り出しオプションがあります。

  • 標準取り出し: 12 時間以内に復元完了
  • 一括取り出し: 48 時間以内に復元完了(標準よりさらに低コスト)

今回は検証のため、標準取り出しを選択しました。

ダウンロード 2025-10-30 16.14.15.png
右下の復元開始を押すと復元が開始されます。

しばらくすると復元完了のメールが届きオブジェクトがダウンロードできるようになっています。
スクリーンショット 2025-11-06 11.17.47.png

おわりに

以上で終了です。
今回の検証では、標準取り出しで復元を開始してから約 8 時間で復元が完了しました。なお、AWS の公式ドキュメントによると、標準取り出しの場合は 12 時間以内にデータが利用可能になります。
Glacier Deep Archive はオブジェクトの取り出しに時間がかかるものの、他のストレージクラスに比べて安価でデータを保存することができます。
年に数回程度しかアクセスしないデータや、長期保管が必要なバックアップデータを保存するのに最適です。頻繁にアクセスするデータには向いていないため、用途に合わせて適切なストレージクラスを選択してください。

参考資料

https://aws.amazon.com/jp/s3/pricing/
https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/AmazonS3/latest/userguide/glacier-storage-classes.html
https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/AmazonS3/latest/userguide/restoring-objects-retrieval-options.html

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